約20年、福祉系の事業所で働いていました。 一緒に働いている職員さんたちとは、ともに信念をもって仕事をしていました。 苦しい時もあったけれども、楽しく仕事をしていました。 利用者さんや職員さんとのコミュニケーションは楽しかったし、勉強にもなりました。   いつしか、私の中で、どんな利用者さんであっても、コミュニケーションを続けていけばいつか理解しあえる、という自信のようなものができていました。   2018年3月、脳梗塞になりました。 入院中、看護師さんに「重い脳梗塞だったんだよ。」と言われました。 高次脳機能障害にもなりました。   脳梗塞や高次脳機能障害になってから、見える世界が一変しました。   コミュニケーションをとろうと思っても、うまくしゃべれない。 相手に言いたいことがあって、言おう！と思っても、なぜか黙ってしまう。 ふと思ったことがあっても、すぐに忘れてしまう。 四六時中、頭の中がぼーっとする。   仕事をしている時はコミュニケーションを一番大切にしていた私が、失語症のために、一番コミュニケ－ションできなくなってしまいました。   でも、脳梗塞や高次脳機能障害になったからこそ、自分にしか分からないと思える世界を知りました。   自分が今、苦しくて絶望している状況を、利用者さんを理解していなかったいたたまれなさとともに、今なら、「あの時の利用者さんの苦しさは、きっとこうだったんじゃないかな」と、自分なりに思います。   それは、私の「強み」です。障害をもったからこその「強み」です。   今年の2月からクロスジョブに通っています。 正直、はたして働けるのだろうか、とか、いろいろ不安はありますが、今はがんばっていきたいと思います。