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前々回に引き続きクロスジョブで知った事や、学んだ事を紹介したいと思います。内容は、現在も私自身が抱え悩んでいる課題であり、一障害者としてぶつかっている経験を載せていこうと思います。 ≪3.普通の人と一般基準≫ 私は発達障害を持っているのですが、見た目では分かりにくい分これまで周囲の人達から理解を得る事は難しいものでした。ここ近年に置いては【発達障害】という言葉は珍しいものではないのですが、昔はそこまで認知されておらず症状を見ても「個性」や「性格」の一言で片付けてしまわれ、悪い時には親の躾不足で終わってしまうケースが多くありました。  当時の私は障害者でも健常者でもない曖昧で微妙な立ち位置に位置づけられでいました。学校では養護教室には行かず普通教室で過ごしていくうちに、“普通でないと迫害される”また障害者だと押し出したら“偏見から差別を受ける”のだと思い知りました。それゆえ、クロスジョブに通い出してからも「世間一般的に普通な人」に近づけないと就職は無理だと思い、軽作業も学習もPCも全て出来るようにならなければと何処かいつも焦っていました。 しかし、クロスジョブの担当者さんや両親、役所の担当者さん色んな方と面談し話すうちに「なぜ普通にこだわるのか?」と聞かれたことがありました。理由は一つでした。 私は今まで障害を持っていても特別何かに突起したものを持っている人達を、ニュースやクロスジョブで見てきました。しかし自分はどうだろうか?と振り返った時『自分は何か突起した何かがある訳でも無く、どちらかと言うとマイナスな部分が多いのだから、少しでも一般基準の平均値までは持っていかなければ駄目なのだと』そう感じていました。そう答えた時、担当者さんからこう言われました。「それじゃ、普通の人ってどのくらい出来たら普通なの?」改めて考えて愕然としました。 『皆これくらいは出来ている、こんなんじゃまだまだ駄目だ。もっともっと出来る事を増やさなければ』そうやって私はずっと「普通の人」という漠然としたイメージを追いかけて訓練に取り組んでいたのだと気付きました。 「普通の人って貴方は言うけれど、普通の人ってそんなに何でもできるのかな?自分は会社に勤めているけれど、ミスもするし忘れ物もする。何でもできる訳でもなし、逆にそういう人は少ないと思うよ。それにね、一般的基準なんてあってないようなものなんだよ。会社の数だけ基準があって、その全てが世間の一般の基準に沿っているかというと違うと思うんだ」 そう諭された時私は、普通の基準がないなんて考えてもない事だったので、これから何を目指していけばいいか、どうすればいいんか分からなくなりました。 「――貴方のいい所はね、ミスをして落ち込んでもそこを直そうする不撓不屈(ふとうふくつ)の精神が強い所なんだ。その気持ちはどこの会社も求めている“やる気のるある人間”に繋がると思わない?」そういう担当者さんは、技術面よりも大事なのは自分の苦手をどう工夫していくか、直そうとする向上心があるかで、就職すれば自ずと技術面はついてくるものだと教えてもらいました。「今すべて出来る必要はないんだよ」その言葉に凄く心を救われました。 自分に深く根付いた価値観は容易に変えられるものではないですが、社会人として人として大切なものは自分が考えているものとは違うのだと、クロスジョブに来て知ることが出来ました。現在私は、出来る範囲で出来る事をしていけるよう努めています。私はこれからも、何度もこの課題にぶつかると思います。周囲と比較しては落ち込むと思います、ですが負けずに挑んで行こうという気持ちを忘れず頑張っていきたいです。 “普通の人”“一般基準”この世間的な価値観に合っていない、自分がそこまで達していないと悩んでいる方々が、これを読んで少しでも気持ちが楽になった人がいたなら幸いです。 長い文面にお付き合いしていただき、有り難う御座いました。