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こんにちは。砂川です。
先日、大阪障害者雇用支援ネットワークの認定NPOイベントに参加しました。
当日は厚生労働省 職業安定局 障害者雇用対策課 課長・小野寺徳子さんから「障害者雇用の現状と今後の方向性」についてご報告がありました。私は3月にCEF2023(大妻女子大学)でも小野寺さんのお話を聞いていたので、今後の法改正にむけてより理解を深めることが出来ました。
本講演やCEF2023、先日NHKで放送された時論公論では、障害者雇用の”数ではなく質“が共通テーマとして取り上げられていました。数をクリアするための仕組みとして、雇用代行ビジネスの存在があります。この仕組み自体に違法性はなく、働く本人や親御さんからは一定のニーズがあるそうで働き方の一つとして否定はできません。
お金で雇用率を買うことで、企業は障害のある人を雇用するというミッション(数)を達成することができます。しかし、質という点ではどうでしょうか。職場の中で障害者雇用の基盤を作ることは労力のいることかもしれません。新規で雇用開拓を行う際、障害のある人を受け入れるため、その人と向き合い、職場の環境調整や理解作りなどを億劫に思われ、「今は忙しいから、また余裕ができてから雇用を検討するね」とお話頂くことも多くあります。
この点について小野寺さんからは「障害のある人を受け入れるプロセスは職場力を高めるきっかけであり、障害者雇用はCSRの一環ではなく経営戦略」だとお話頂きました。
障害者雇用に取り組む企業に伴走してきた経験から、職場力を高めている組織の共通点として、
・新しい人(障害のある人を含む)を受け入れるために、職場や仕事の仕方を見直す。
・“昔からのルール”として当たり前になっていることに改善の余地はないか。その当たり前は新しく来た人たちにも理解しやすいことかを見直す。
・新しい人に業務指導を行うことで、教える技術が身につく。
・職場内のコミュニケーションの機会が増える。
が挙げられます。
新しい人を受け入れること(準備)は組織の点検です。小野寺さんのお話を聞いて「今は忙しいから」と仰られる職場にこそ、障害者雇用を初めてみませんかと提案させて頂きたいと思いました。
また、障害者雇用の“質“については、企業の雇用管理(構造化やメンタルサポート、専門家の配置)や支援機関の支援力という観点で語られているように思いましたが、働く障害のある人たちから見た雇用の質も考えなければなりません。
・障害者求人の賃金で自立した生活は送れるのか(昇給や賞与の有無)
・キャリアアップや挑戦の機会が得られるか。
・定着率を意識する支援機関、企業の前でステップアップとしての転職希望がネガティブに捉えられないか。
など。
特に勤続年数を重ねていても、昇給がなく最低賃金でお仕事を続けている方の存在が多いことは気掛かりです。支援機関としては、働き続けているから良しではなく、卒業生の皆さんがどの様な就業生活を送られているのか調査し、仕事が人生の豊かさに繋がっているかまで知ることが大切だと感じました。
砂川