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こんにちは。
鳳に異動になりました、徳谷です。
今朝の情報番組で、茨城県境町の自動運転バスのことを知りました。
導入されて3年。時速20kmで走行するこのバスは、「路上駐車を減らす」「追い抜かない」というナチュラルサポートを得ているのだとか。動画を見ると、このバス、みんなから物凄く感情移入されている感があります。
https://youtu.be/cbBrd3QSRm0?si=lT6wxUrG9qRrk6FC
さて、本当は「感情移入 エンパシー」を主題に、ブレイディみかこの『他者の靴を履く』についての話を書きたいのですが、今回はその本を読むきっかけになった『知の統合は可能か~パンデミックに突きつけられた問い』という本につきまして。
新型コロナによるパンデミックは、ウイルス学・災害対応・行政・地方自治論・死生観・コミュニケーションなど分野を跨ぐ答えの無い課題を炙り出しました。この本では多くの分野の専門家と、SF作家である瀬名秀明さんが対談形式で議論を交わしています…が、その大部を解説するのは無理ですので、あくまでブレイディさんに繋がるきっかけとして…本書にはブレイディみかこさんの前著『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』についての会話がこんなふうに出てきます。
息子さんの中学校で、「シティズンシップ・エデュケーション」というカリキュラムの期末試験で、「エンパシーとは何かを説明しなさい」という問題が出て、息子さんが「自分で誰かの靴を履いてみること」と書いたというエピソードが非常に受けて、日本でもエンパシー論が盛んに受け入れられるようになりました。
そうだったかな?盛んに受け入れられた記憶無いけどな?と思いつつ。
この後も繰り返し登場する「エンパシー」「連帯」というキーワード。
そして最後の章において…
現代はそもそも「そこに自分とは違う他者がいる」と気づくのが困難な時代なのであり、まず他者の存在に気づいてそこに能動的な思いやりの"気づき"を得ることは、それだけでもすばらしい前進と言えるだろう。
と、結びの一部として登場したこの言葉は、パッと思いつくものでも心理学・認知科学・社会学、そして自閉症支援(自閉症についての学びはそれらすべてに関わり、結びつけていくという意見も最近多いように思います)に深く刺さるものだと思うのです。
本書では、相手が言っていることが正しいと認識しつつも、自分の正しさを手放せない感情についても触れられています。行き過ぎた正義感が他者を傷つけることはSNSを通じて誰しも知っていることです。でも、「自身の正義感の手放しかた」についてここまで深く思考された本を、僕は他には知りません。
読んだからといって実践出来る訳ではないし…読んだ僕自身も今いちピンと来ていないのですが…幸い本は手元にずっと残るので小さいモヤモヤを抱えるたびに手に取ろうと思います。