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クロスジョブ堺の山本です。 先日6月26日に、研修「高次脳機能障害の就労支援」を受講しました。 その中で新しく知ったこと、学んだことについてご報告します。   〇高次脳機能障害とは 「自閉症」「ADHD」「学習障害」「トゥレット症候群」などなど、障害の種類についてはなんとなく知っているつもりの自分ではありましたが、クロスジョブに入職するまで「高次脳機能障害」の存在を知りませんでした。   高次脳機能障害とは、交通事故や脳卒中などの病気によって脳の血管を損傷したため、「注意」「記憶」「感情」「判断」など、脳機能の一部に障害が起きた状態のことです。 ・【低次】…生きるために最低限必要な脳の機能、「生命維持」「呼吸」「体温調節」「運動」「見る」「聞く」などの脳機能 ・【高次】…「注意」「記憶」「感情」「判断」「言語」「コミュニケーション」など、社会生活を円滑に送るための脳機能 というふうに分けられます。 それだけではなく、脳の血管損傷で身体のマヒも伴うことがあり、身体障害とも向き合っていく人が多いことでも知られています。 高次脳機能障害になるきっかけはあくまで「事故」や「病気」などの後天的な事象です。 そのため、病院での入院生活、リハビリからすべてがスタートするので、社会復帰や就職の手前の段階になって、 ・自分が日常生活を満足に送ることができるか分からない ・自分が「何ができて何ができないのか」が分からないこと といったことに悩まされ、社会復帰への大きなハードルになります。   〇見た目で「パッと」は分かりづらい、そしてとにかく多い脳機能障害の数 自閉症やADHDといったような障害の方であれば、独特な雰囲気を持っている人も中にはいますので、 「あっ、きっとこの人、何らかの障害を持っているんだな」 というイメージが付きやすいと思います。 ただ、高次脳機能障害の方々で、身体にマヒを持っているという点以外で考えてみると、一般には分かりにくい障害なのではないか、と感じました。 高次脳機能障害の症状は代表的なもので以下のようなものだそうです。 ・注意障害(すぐに飽きるなど) ・遂行機能障害(1日の予定を立てられないなど) ・記憶障害(数日前の出来事を思い出せない) ・失語症(言葉がうまく話せない、理解できない) ・行動と感情の障害、社会的行動障害(うつ、幻覚、興奮、意欲や情緒の障害など)   これら以外にもみられる脳機能の障害はたくさんあるそうです。 失語症の症状を持っていない方々であれば、一緒に仕事をしたり、生活をしたりとその人とある程度の時間を過ごさない限り、「高次脳機能障害」の症状に気づくのは難しいな、と感じました。 ある程度日常会話は自然にできてしまい、短時間話しただけであれば障害を持っていない人と変わりがないと思ってしまうのではないかという印象を受けました。 そのため、高次脳機能障害の人が抱えているしんどさにはなかなか気づかない。 これだけの症状と戦っているのに、どれだけ大変なことか想像がつきにくいのではないかな、と思いました。     〇高次脳機能障害の方への就労支援で求められることとは 私も訓練で高次脳機能障害の方を担当することがありますが、当事者の方々が ・ご本人にとってしんどいことがたくさんある ・壁を乗り越えるためにいつも努力している という状態を知らずに訓練をしていたのもあります。 ご本人にとって「できたこと」がどれだけ価値のあるものなのか。 簡単な行動、動作一つでも、他の人がすることとは容易さがちがうのだと理解しないといけないな、と思いました。 常日頃から頑張る状態を続けられている高次脳の人たちと訓練でご一緒する際には、 ・「自分でもできた」「やれるんだ」と訓練で思ってもらえることが大事  「できていらっしゃるじゃないですか!」と褒める機会を多くする、自信を付けてもらう ・行動や動作、訓練で難しい場面が出てきたら、工夫してその人にあったツールを使ってもらう ex)図解つきの手順書、日めくり式のメモなど ・しんどいとき、うまくいかないとき、思ったことはご本人から逐一伺うこと  「どう思いましたか」「どんな気持ちですか」というのは記録に客観的に残すこと といったようなことが私の訓練には今まで足りていなかったのだな、と思いました。   〇まとめ 高次脳の人たちが抱えるしんどさ、生きづらさにまで想像を向け、精いっぱい頑張っていることに対して、全力で支援者は後押ししてあげないといけないのだな、と感じました。 ご本人の意思も尊重したうえで、訓練でできることを増やしていくお手伝いをする。 できたときには、「あなたはできるんだ」とたくさん肯定してあげること。 これらを意識しながら、今後のパソコン訓練に取り組んでいきたいと思います。