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堺事業所の山本です。
今回は、書籍 「働く」ために必要なこと を読みました。
この書籍では、
・会社に定着できない若者たちの事例
・「困った」若者たちを抱える会社の事例
の紹介がされています。
また、社会に適応するために
・自立するとはどういうことか
・自分の特性を理解することがどう社会適応につながるのか
についても、解説されています。
読んでみて自分の中で思ったこと、印象に残ったことについて報告します。
〇学校では学ばない 社会人の「これが当たり前」
この本を読んで最初に驚いたのが、社会人として働くためのルールについてです。
就職して行き詰った若者たちの事例では、
・気に入った人とだけ仕事をすればいい。仲良くない人とは付き合わない
・会社の方針でも間違っていると思ったら、守らなくてもいい。
・礼儀が守れない、基本的な社会常識やマナーを知らないまま働いている
・自分の権利は主張するけれども、責任や義務については重要視しない
といったように、他人と協調的に働くことができない状態が挙げられていました。
確かに、高校でも大学でも就職活動対策はしてきたものの、「働く」ということについて考える機会は皆無でした。
単に与えられた仕事をこなす…といったようなイメージしかなく、大学時は私もぼんやりと就職活動をしていた中の一人でした。
もっと「働く」とはどういうことかを意識したうえで、就職活動をしていたらまた違ったのだろうか…と考えさせられました。
私たちが訓練で担当する利用者さんたちの中でも、このような一見「当たり前」のルールを知らない方も多くいらっしゃいます。
企業に就職して困られることがないように。
社会人としてどうあるべきか、というのを利用者さんに訓練で伝えていけるように心がけ、自分自身の振る舞いについても見直していこうと思います。
〇「人とつながる」ことこそが自立する、社会に順応する手段
一般的に、仕事を続けていくには、コミュニケーション能力や専門知識、学力、パソコンスキルなどなど、ハード面での能力が重要視されがちです。
ただ、それらのスキルは、この本に出てくる学生たちも持っていて、高学歴と言われる大学出身の人も見られたほどでした。
では、何が足りていないのか。なぜ仕事に定着できないのか。
先述したような、社会に適応できないことを防ぐために大事なのが「人とつながる」力であると、本では述べられています。
「人との信頼関係」「人脈」など、人間関係を築いていくことこそが重要だとされているのです。
私自身も幼少期から、「芸は身を助ける」といったように親に言われながら、習い事をし、嫌いな勉強をそこそこし…というように生きてきましたので、どうしても自分自身の持っている能力を広げることを前提として考えてしまう傾向がありました。
仕事を続けるのにはもちろん、そのような能力も不要なわけではありません。
ただ、
・仕事は「一人」ではできない
・基本は他人と一緒に仕事をしなければならない
・他人と一緒に仕事を成功させる
ということを考えると、人との関わりなしで仕事をすることは不可能だという筆者の主張に気づかされました。
逆に考えてみると、ある程度手先が不器用でも、仕事を処理するスキルを十分に備えていなくても、周囲の人たちとのかかわりを大切にしていれば、仕事はできる。
クロスジョブでも重要視されている人とかかわる力「ソフトスキル」。
利用者さんたちとの訓練で大事にしている理由が分かった気がしました。
〇まとめ
この本ではまだまだ勉強になることが載っていて、特に4章の「自分の特性を理解すること」は興味深いものでした。
うまくいかない若者たちの実際の場面を、その本人の「行動」「考え方」を分析することで、うまくいきにくい原因が解説されていました。
この辺は、まだ障害特性に詳しくない私では、なかなか理解が難しいところです。
ただ、訓練と勉強を重ねて、理解できるようになろうと思います。
今回印象に残った、
・社会人として働くためのルール、常識の大切さ
・人とつながること、人とのかかわりを大切にすること
の2点が仕事をすることにおいて欠かせないことを忘れずに日々の訓練、自分の働き方に反映させていきたいです