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こんにちは、堺の立川です。
3月になりましたね!この土日はなんだか春の陽気で、嬉しいような、もう少し寒くていいような、そんな気持ちで過ごしていましたが、今日は雨が降って足先が冷えています…早く春になってほしい…
さて、先日、岸和田の浪切ホールにて、「大空へはばたこう~自立への挑戦~」というドキュメンタリー映画の上映会と、「重度障害者が地域で普通に暮らすために」をテーマにしたシンポジウムがあり、砂川さんと徳谷さんと行ってきました!
映画の内容としては、入所施設で暮らしていた重度知的障害のある方々が、地域で自立して生活している姿を通し、入所施設の過去と現状を映したものになっています。(詳細はパンジーメディアさんのHPをご覧ください。)
15周年イベントに向けて地域を回っていると、「重度の人なので就労というかんじではない」「うちの子に就職は関係ない」というお声を耳にしていたこともあり…すごくタイムリーなテーマでした。
映画の中で、とても印象に残ったのは、「働くなんて無理」と思われていた方が、働いてみたらめちゃくちゃイキイキとした表情で作業をされていたシーン。
できないかもしれないけど、まずはやってみることや、できない・本人には難しいと決めていたのは、当事者以外の他者であることを、リアルに感じたシーンでした。
その後のシンポジウムは、兵庫県立大学環境人間学部教授の竹端寛先生のファシリテーションのもと、映画の監督を務められた小川道幸さん、プロデューサーである社会福祉法人創思苑理事長 林淑美さん、自立生活センターいこらー代表 東谷太さん、自立生活センターリアライズ当事者 永田勇次さんが登壇されました。
イベントには支援者・当事者・保護者と、色んな方が参加されていて、映画を見た感想も、立場によって様々です。
シンポジウムの中で質問タイムがあり、そこでひとりの保護者の方が手を挙げられました。
「障害児を育てるって本当に大変。入所施設をなくすのではなくて、選択肢のひとつとして、小さくてもいいから置いておいてほしい。」
映画自体のメッセージは「入所施設はなくなった方が良いのではないか」という色が強い中、この思いを話されたことは、すごく勇気のいることだったのではないかと思いました。でも、それだけ切実なお気持ちなのだろうと推察します。
そして、そのお言葉に対し、ファシリテーションの竹端先生が「別に精神病棟や入所施設でなくてもいい、という話。別の場所を地域の中で作っていくことが大事なのではないか」とお話ししてくださいました。
少し話が飛びますが、先日NHKのクローズアップ現代で、精神障害者の数が年々増加している反面、家族の中で解決しよう・しなければならないとなってしまい、医療や福祉に繋がらず、家族も疲弊してしまうケースが増えている、といった状況を取り上げていました。その中で、ベトナムでは精神障害の人への偏見が少なく、その理由は「そういう人がそばにいるから」であると語られていました。
映画でも取り上げられていましたが、スウェーデンでは入所施設は今すべてなくなっていて、障害者の地域移行が実現しているそうです。
発達の仕方が違う、特性が違う、その中で同じように教育を受けることは、高い水準を求められてしんどい子もいるんじゃないか。それなら、理解力や発達に応じてクラスや学校を分けたらいいんじゃないか。
でも、分けて欲しいと思っているのは誰なんでしょうか。
この間、15周年イベントをはじめ、今回の映画や色んな考えに触れて…「分けるのではなく、自分と違う人と助け合って過ごすことが大事なんじゃないか」と、思うようになりました。
もしかしたら、ひとを「分けた」ことで、私たちみんなが、いつのまにか、色んな人がいて当たり前であったことや、誰かを助けたり、逆に助けられたりする機会を、奪われていたのかもしれません。
それにしても、普段関わっている利用者さんの中にも、「やりやすいとか、そういうのはわからないです」「親がこっちの方が良いと言うので、これにします」など、話される方がいらっしゃいます。自分の気持ちを表現することがむすがしい方の意思決定って、どう見たらいいんだろう。地域移行って言うけど、映画に出てこられた障害者の方々の「入所施設から出たい」という思いはどう汲み取ったんだろう。
そこで、今回シンポジウムの質問タイムで聞いてみました。
教えていただいたことは以下3つです。
・経験すること。経験をして、ご本人が心地よいと思うことを、周りがどう知っていくか。
・失敗することも大事。失敗しても大丈夫であることを保証する。失敗は振り返ったら良い。
・どれだけ選択肢を出して、丁寧に説明するか。
また、当事者であられる永田さんから、「他の人は経験があるのかもしれないけれど、初めての人にはわからない。だから、これとこれがあって、こっちだったらこうなるけど、どう?という風に言って欲しい。」と教えていただきました。「僕たちは決められてきた、奪われてきた」と話してくださったこともすごく印象に残っています。
教えていただいたことは本当にその通りで、でも日々の支援の中で丁寧に実践できているか?と思うと自信を持って頷けないのが情けないです。
支援者が「こうだろう」と思ったとしても、あくまでも決めるのはご本人であり、我々がするべきことは情報提供と、ご本人が決めたことをどんな結果であろうと一緒に伴走することなのだと、学び直させていただきました。
入所施設ができた当時背景、そこで暮らしてきた人々、携わった人々、子どもを預けた親御さんたち…みんな、自分のため、誰かのために、「これが良い」と思っていたと思います。
ただ、時代が変わって、ほかにやり方ってないのかな?ないなら作ればいいんじゃない?という議論が交わされるようになって、良かったと思います。
先にも記載しましたが、誰にでも、挑戦して、成功も失敗もする機会があるって、めちゃくちゃ大事ですよね。失敗しても(この人は)大丈夫って思うことは信頼でもあると思いますし…そういう雰囲気が、世の中にもっと広まればいいなあ。
そういうことが、6月の15周年イベントの真髄だと私は理解しているので、たくさんの方に来ていただけるよう、明日からも地域まわりに励みます!
本当に、映画とシンポジウムを通して、感じること、考えること、学ぶことが多く、ブログを書いていると、あれもこれも…になってしまって、相変わらず読みにくい文章で恐縮ですが、ここまで読んでいただき、ありがとうございました(^_^)
映画はDVDもネットから購入できるようなので、気になる方はぜひ見てみてください◎