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2025年3月17日、堺市東文化会館で開催された「第19回堺脳損傷協会 研修会」に参加し、村木厚子先生による「高次脳機能障害と福祉について」の講演を拝聴しました。福祉行政の最前線で長年ご活躍されてきたご経験をもとに、制度や支援のあり方だけでなく、人としてどう関わるかを考えさせられる内容でした。
講演の中で特に印象に残ったのは、「人は支えられる時と支える時を揺れ動いている」という言葉です。支援する側とされる側という線引きは、実はとてもあいまいであり、誰もが立場を変えながら生きているという考え方に深く共感しました。この視点は、支援者としての姿勢に柔軟さと謙虚さをもたらしてくれると感じました。
また、村木先生がご自身の冤罪事件について語られた場面も印象的でした。2009年に起きた郵便不正事件の際の出来事を、重さを含みつつも、時に笑いを交えてユーモアたっぷりに語られる姿に、当時のご経験に真正面から向き合い、それを乗り越えてきた強さを感じました。その語り口からは、苦しい経験さえも誰かへのメッセージに変える力が伝わってきました。
さらに、「病は市に出せ」という言葉とともに紹介された、自殺者数が日本一少ない市の話も非常に印象に残りました。人とつながり、気持ちを外に出せる地域社会のあり方が、生きる力を支えているという実例に、支援の現場に携わる者として大きな学びを得ました。
今回の講演を通して、制度の理解を深めるだけでなく、人とのつながりや共感の力がどれほど支援の質を高めるかを再確認しました。今後も「希望を届ける支援者」であることを目指し、一人ひとりと丁寧に向き合っていきたいと思います。