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今回の参加の目的はクロスジョブの支援の中で見えてきていることを実践発表することですが、発表は2日目です。初日は基礎講座、特別講演、パネルディスカッションと盛り沢山でした。 基礎講座では「発達障害の基礎と職業問題」という内容でした。診断についてアメリカ精神医学会DSM-5による自閉症スペクトラム障害という捉え方(定型発達から自閉症までを凸凹の強弱で一続きである)でみていくことがこの講座でも言われておりました。多種多様な特性に応じ、十人十色の支援を考えていかないといけないということだと思っております。今回の講座では梅永先生のおっしゃる「ソフトスキル」「ハードスキル」まではあまり触れられていませんでしたが、そこに通ずる職業準備性の構築について教育の現場からの関わりが重要であると再認識しております。また、若年支援機関の利用者について、障害者職業総合センター研究報告によると若者コミュニケーション要支援者就職プログラム通称:若コミ、若者サポステでは発達障害の「疑い」「判断しかねる」までを含むと全体の約半数となっていました。就職と就労継続について一人では難しい方へのサポート及び連携強化の必要性が示唆され、クロスジョブ米子開設の意義にも通ずると感じました。 特別講演では株式会社ZAGZAG(ザグザグ)という岡山を中心としたドラッグストアでの取り組みを聞くことが出来ました。印象的だったのは、雇用率2.4%、身体、知的、精神、発達と全ての障害のある方を雇用していること、賛否両論あるかと思いますが聴覚障害のある方が接客をする際に「耳が聴こえません」と名札をつけて接客を行う事で地域の中でお客様も良い意味で巻き込めること、雇用率達成のみではなく、全てのスタッフが働きやすい職場へということで「配慮はしても遠慮はしません」と特性を生かしたサポートを心掛けていること、そしてなによりも企業内での「雇用管理の必要性」「障害特性の把握」「マッチングの議論」の場が店長会という店舗トップ同士の会議で話されていることです。以前はフォローが整っておらず、一般スタッフと同一レベルの要求水準、時間をかけたフォロー体制が整っていない、障害者雇用に対する優先順位の低さ、人事異動時のフォローがない、雇用したとしても身体障害が中心、精神障害や発達障害の方への障害理解や特性理解が出来ておらず、過度な配慮や遠慮でいてもいないくても良い人材となっていて、ご本人、スタッフともにストレスを抱える状態、また支援機関の存在や役割を知らず、ご本人が退職の意向を示した時に初めて悩んでいたことを知るといった状態だったとの事です。改善のきっかけはやはり店長会で、障害者雇用の在り方について議論がきっちりなされ、実践されているからだこそと思います。企業側の雇用管理については、9/11のクロスジョブ雇用フォーラムでも触れてきましたが、このようなことをしっかり考えた上で障害者雇用促進を考えておられる企業様といかに連携をとっていけるか、更にこのような企業様があることをより広く企業様にも知って頂く必要性を改めて感じました。 パネルディスカッションでは、機構の雇用開発課:稲田氏より平成27年6月現在の障害者雇用状況集計結果より雇用率に関わる全企業87,935社のうち「0人雇用企業」は27,614社、約3割となっており、課題意識を感じているとご報告がありました。これは逆に考えると開拓の余地がまだまだあるのではないかとも感じております。株式会社ザグザグ、大和ライフプラス株式会社、THK株式会社の3社の方々から障害者雇用に対する取り組みをお聞きしました。共通しているのは、企業内での雇用管理を考えていること、その上でご本人努力を求めていること、そして就労移行支援事業所、障害者就業・生活支援センター、支援学校等、各支援機関との継続した連携により「働き続ける」ことを考えていることでした。障害者雇用促進に貢献している企業内状況を知り、改めてこれなんだと感じました。THK株式会社の方が最後に感動する一言をおっしゃられておりました。「企業が出来ることとして、職場実習やトライアル雇用等を通じ、障がい者との触れ合う時間を多く作り、彼らを良く知り、障がいや、障がい者に対しての間違った偏見を排除し、彼らの優れた能力を知りその能力を活かせる仕事を見つけ出し、そして働く機会を作り、労働意欲旺盛で一生懸命な、彼らの社会参加、自立の手助けをする事が出来るのは、雇用をする立場の企業しかないと思います」と。 今までの就労支援を振り返りながら、明日の発表に向けて勢いのつく初日を終えることが出来ました。ありがとうございました。