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こんにちは、堺の徳谷です。   先日、大阪市立住吉区民センターで行われた研修に参加させていただきましたので、ご報告いたします。   講師は 医療法人サヂカム会 三国丘病院 院長の 河口剛先生です。 内容はタイトルのとおりなのですが、大筋をかいつまむと…   ・「自閉スペクトラム症」とは 現在の症名に至った歴史的経緯、DSM‐5における判断基準、該当者の増加した理由(過剰診断、日本社会の変化)、そして発達障害者支援法の中でのASD・ADHD・LDの位置づけについて。   ・早期診断と成育段階ごとの援助 早期診断は学童期・乳幼児期について。援助は幼児期・学童期・思春期・青年・成人期について。各段階での当事者の特徴の変遷を追いながら、段々と社会と関わる中での障害が現れてくるのがとてもリアルに感じられました。その極め付けが結婚・育児段階での顕在化でした。   ・成人期自閉スペクトラム症の診断と告知 「発達歴を聞き取る」という手法の難しさ、診断・告知の意義(本人にとって良い効果の有る無しで告知の是非を決めるか)、診断後気を付けることとして本人の想いを聞き、全体を見ることの重要さについて。   ・隠れている自閉スペクトラム症 うつ病、統合失調症、児童期発症統合失調症(COS)、境界性人格障害、強迫性障害などなど…二次障害の必然性と、自閉スペクトラム症との鑑別、特性の把握について。   と、なると思います。 合間に症例を交えながら深刻になり過ぎない雰囲気でお話しいただきました。   思春期の段階で価値観の両価性や現実との乖離について悩む。 実感のできないことをいかに教えるか。 こだわりを趣味のこだわりへと移行させる。 「人のいうことをきく」ではなく「ルールを守る」として客観性をもたせる。 個性・特性は変わらないが、伸びていくことはできる。   等々、自閉スペクトラム症への「対応」も「理解」も、広義に捉えれば誰にでも当て嵌まることだと改めて感じましたし、先生も強く述べられていたと思います。まとめとして述べられた中での一つ「告知はすべきか迷うときが多い。今までの人生を悲観的にとらえ、過去のことにとらわれているときはしないほうがよいかもしれない。」という言葉に、私はそんなふうに考えたことがなかったことを気付かされました。何事も「自分を知る」ことから出発すると考えていた(就職活動も「自己研究」からですね)私にとって、本人が仕事面・生活面で特に問題も無いとはいえ「知りたい」という欲求を持つ方に対し…と固まっていた頭がほぐれたように感じます。「このときはこう」と決めてかかれる問題に我々は向き合っているわけではないのですよね…。   「暴露反応妨害法」や「ソーシャルストーリー」の活用など、知っていれば即実践に繋げることのできそうなノウハウについてもお話しいただきました。症例とセットで頭に残っているうちに復習しておきたいと思います。