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こんにちは。堺の徳谷です。 朝から強かった風が止んできて、少しの雨が降るのと同時に気温がグッと下がりました。 なんだか頭がボーっとしながら、このブログを書いています。   先日、通勤時にスマホでニュースサイトをサラサラと見ていると、「発達障害が先進国で多く、発展途上国では少ない」との見出しが。ポチっと記事を開くと、受診率・診断率の多少からだけでは、両者の有病率(という言葉が使われていました)の差を説明することは難しいのだとか。発症の要因に社会的環境が大きく影響しているのではないか、と括る、その記事は、2012年刊の『発達障害と呼ばないで』という新書の引用から大筋が出来上がっていました。色々な「?」が頭に浮かびましたが、多角的な視点から物事を見て考える、という点において、とても興味深い本だな、と思います。   社会ってなんでしょう?  『<自閉症学>のすすめ』の「社会学」の章においては…   ~極論すれば、「社会とは何か」という問いは、「近代社会とは何か」という近代人の問いであり、近代とそれ以降における私たち自らのあり方を批判的にみる立場である~     ~社会学では、様々な現象が社会的に構築されたと考える。したがって社会学は、脳の機能障害だと思われる自閉症についても、それがどのようにして社会的に構築されてきたのかについて関心をもつ。ただしそれは、自閉症の原因が社会だという考えではないし、社会が変われば自閉症がすっかりなくなるだろうという考えでもない。ただ、社会との相互作用を抜きにして、その社会に生きる自閉症者の生き様は論じられないと、社会学は考える~   なのだそうです。とてもフラットな文章だと感じます。   途中、わからない言葉や理解が追い付かない議論も、モチロン展開されます。飛ばして、「まとめ」だけ読みましょう。 それを許してくれる優しい「まとめ」が各章に用意されています。   本書では心理学~政治学まで、専門家の方々が、自身の研究分野への自閉症という視点のフィードバックを語るとともに、巻末の鼎談では読者に横断的な思考を求める挑戦を仕掛けています。我々支援者、特に就労支援においては、自閉症を医学モデル・社会モデルの両面から考える視点を保持する(障害を内的「インペアメント」・外的「ディスアビリティ」の要素から見つめ・整理すると言い換えられるでしょうか)ための筋トレ…ストレッチのような本ではないでしょうか。   この本を読んだからといって、急に賢くなったり、直ちに何かが変わるものではありません。研究者だって、実践レベルへの移行が一番難しいんじゃないでしょうか?ただ、だからこそ「訓練」という時間について、就労「移行」という期間について、また違う視点からの納得感を得られたような気もします。   難しい本ではありません。生物学や物理学が難しい、と感じたら違う章だけ読んだって大丈夫。 大学の講義選択と同じです。 お気軽に手に取って、読んでみてもらえたら嬉しいです。