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12月7日に参加しました研修について、ご報告させていただきます。 今回の研修では、川崎医療福祉大学の諏訪 敏明 様より「TEACCHのコミュニケーション指導」についてお話いただきました。   TEACCHでは自閉スペクトラム症(ASD)の方へ向けたトレーニングプログラムの実施やその研究をおこなっていますが、今回はとりわけ「コミュニケーション指導」に焦点を当ててお話いただきました。   私たちが「コミュニケーション」と聞いたとき、「言葉のやりとり」を思い浮かべることが多いのではないでしょうか? 日常社会の中では、それだけ「言語コミュニケーション」が必要不可欠で、重きを置かれている部分だと思います。 しかし、ASDの方にとっては、一概に「言語」=「コミュニケーション」ではないことを知っておかないと、ASDの方へ向けたコミュニケーション支援は成り立たないことを今回の話を受けて改めて実感させられました。 以下、簡単にではありますが、ポイントだと感じた点についてまとめたいと思います。   ①ASDの方が言葉をしゃべっていても、コミュニケーションとして言語を使っていなければ、コミュニケーションは成立しない。 →コミュニケーション=「伝え合う」という相手を意識したやりとり。伝える相手がいない場合や、一方的に言語を用いている場合はコミュニケーションとして成り立っていない。   ②ASDの方へコミュニケーションを学習してもらう際には、ASDの「強み」を使って教える。 →ASDの強みは「視覚的に理解して記憶する」「興味関心を取り入れる」「ルーティン(繰り返し)の記憶」の3つ。とくに、自発的なコミュニケーションを身につけてもらう際には、本人が興味や関心を持つこと(または好きなこと・役に立つこと)を取り入れて支援する。   ③ASDの方からの自発的なコミュニケーションに着目する。 →受け身のコミュニケーション(こちらから指示する、促す等)ではなく、本人発信のコミュニケーションがどんな風に、どんな場面で、どういう目的の時に起きやすいのかを知る。その情報をもとに、本人にとって「わかりやすい」「学びやすい」状況やツールを設定することが大切。   ④明示されていない事柄(会話のルール、社会で求められるマナー等)については、明示的に伝える。 →ASDの方にとって相手の状況を察したり、場面ごとの使い分けをすることは難しい。例えば、「話す前に相手の顔を見る」や「話が終わったらありがとうと言う」など、タイミング・行動・言葉を明確に伝える。   普段、ASDの方と関わって「どうしてその行動に至ったのだろう?」「どんな気持ちを表現したいんだろう?」と思うことは良くあります。 しかし、それを知るには言語的な思考の視点だけではいけないなと感じました。 また、ASDの方にとって、言語的なコミュニケーションのみでは混乱を招いたり、不快に感じたり、理解に戸惑うことを改めて知り、今まで私自身も言語に頼った考え方を押し付けてしまっていたのではないかな?と反省する点も多くありました。 今回教えていただいたTEACCHのコミュニケーション支援を、実践の支援の中にも取り入れていきたいと思います。 貴重な機会をいただき、ありがとうございました。