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こんにちは、堺の徳谷です。 コロナウイルスの影響で外に出れずにストレスフル…でもありません。 相変わらずですが、僕は本を読んで毎日を過ごしています。   NHKで放送されている 100分 de 名著 という番組をご存知でしょうか? この3月まで、僕は知りませんでした。   難解な1冊の名著を、25分×4回、つまり100分で読み解いていきます。 との番組解説とはうってかわって…   3月は毎回 アーサー・C・クラーク のSF小説を1冊ずつ…計4冊を紹介するというスペシャル月間だったのです!  しかもゲストにはSF作家の 瀬名秀明 さん。瀬名さんについて語りだすとキリがないので控えますが、僕が今の仕事に興味を持つキッカケを与えてくれたのは、間違いなく瀬名さんの小説・ノンフィクションの本たちです。   瀬名さんの提示したキーワードが「センスのよい好奇心」。 自他ともに認める生粋のエゴイストであったクラーク。彼が描く人類の宇宙進出が「征服的」な目標から「社会的」な未来像へと変化していったことを、瀬名さんは強調します。   ・未知の異星人との交流から人類の未来像を描く初期作品 ・宇宙開発のために多様な文化を持つ人類同士の葛藤を描き、遠い星系の異文化人として来訪する異星人との交流へと辿り着く晩年の作品   この変化は、クラークとその読者に留まらなかった現象…クラークが科学啓発・未来予測の第一人者として世界的な影響力を持つ人物であったたと同時に「作家」であったために…であり、とても「人間らしい」変化・成長とも呼べるものなのだと僕は思います。   センスのよい好奇心 について瀬名さんはテキスト・TV番組内でこのように言っています。   科学者・技術者(そして作家)は、未来に対して楽観的であって構わない。しかしつねに謙虚であらなければならない。―ということだと僕は思います。これがバランスであり、すなわちセンスです。   科学と芸術と哲学というものが、世の中にはたぶんあって…その3つがうまくバランスがとれた状態のときが「センスのよい好奇心」なのじゃないかと思います。科学だけに偏りすぎても、たとえば、思いやりとかを置き去りにしているかもしれない。   瀬名さんは新作『ポロック生命体』でAI(人工知能)を題材とし、「人間らしさ」の代名詞ともいえる芸術や読書力・感情移入力・共感力の分野にAIが進出した社会を描いています。(ポロックとはアメリカの抽象画家ジャクソン・ポロックから)。   僕たちがAIには負けないと思いたい、「思いやり」や「意識」の領域にも、いずれAIは踏み込んでくる。 そんな、「僕たちとは何なのか、という命題と強制的に向き合わされる瞬間」を、僕は少し楽しみにも思っています。   宇宙飛行士になるのが夢だった子供の頃の僕にとっても、瀬名秀明ファンの今の僕にとっても、3月はとても幸せな1カ月となりました。