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こんにちは、堺の徳谷です。
とてもいい天気の中、今日は在宅勤務です。
『ソーシャルワーカーという仕事』宮本節子:著
~ソーシャルワーカーは、社会の中の居場所を見失った人を、支え育てて、暮らしてゆく環境を整える仕事。困っている事情、家族関係や社会関係は多岐にわたるので、具体的な行動はさまざまですが、でも大切なことはひとつです~
※裏表紙より引用
著者が現場でソーシャルワーカーとして働かれていた1970~80年代の社会の状況・福祉の思想・風潮は、現在とは全く違いました。社会的に困窮している方々への偏見、「社会的な貧困」ということ自体への理解が乏しい環境の中、時には職務の領域・範囲を越えて新たな手法を手探りで行ってきた4つのケースが取り上げられています。
貫かれているのは、支援は「施す」ものではなく受ける側が「利用する」もの。
主体となるのは利用者であるということ。
その人の人生を尊重し、支援者は豊かな想像力でもって相対する。一歩引いてみると当たり前のことなのですが、日本という社会の環境や地域性、家庭の状況、ご本人の想い…十人十色の「当たり前」を形成する背景を想像するには、感性や職業意識だけでなく柔軟な知性と体系的な知識も必要ですよね。制度や施策として整いきっていない領域に新しい道を開くときにも同様です。
僕が今の仕事に就いてビックリしたことは、福祉の窓口・社会的資源の多さ、1人の人を支援する人間の多さでした。そして、それを知った途端に日常で目にする光景の意味が違ってきました。移動支援、作業所や支援学校の送迎車、バザー、グループホーム、病院…そして、その各所に今ではソーシャルワーカーが配置されている、あるいはソーシャルワークを行う人が居ることも。
著者は最後に与謝蕪村の詩を引用しています。
岡に咲く花いばらを「見つけ」「思いをはせる」ように、目の前の人を好きになるための努力に、まず取り組む仕事だと。これは、この仕事に就いた矢先に、先輩から教えられたことでもありました。
あんまり内容紹介になっていませんが…読後に自分の身の周り・地域に目が向く1冊でもあります。なにより、とても面白かったです。