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■読書報告(第9回)『脳が壊れた』
今回は鈴木大介さんの『脳が壊れた』を読了しましたので、その感想を記載していきます。鈴木大介さんは元々ルポライターをされている記者の方で、41歳になって突如脳梗塞を発症されて、その時の経験を本著に記述されています。なので、この本は鈴木さんが脳梗塞を発症し、その影響で高次脳機能障害を持つことになって、障害と向き合い生活を確立するまでの内容となっています。障害を持つこととなった後の気持ちの移り変わりや、出来ていた自分から出来ない自分に変わってしまったことへの心の葛藤なども詳細に描いてくださっているので大変勉強になりました。
この方の高次脳機能障害は➀感情失禁➁構音障害➂左側の半側空間無視➃右側への注意の偏りであった。これらの症状に様々な方法で対応していっていましたが、そのどれもに“人”が関わっていました。例えば、症状の改善行動に助言をしてくれた病院の理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などの専門知識を持った“人”です。また、家族では奥さんや義理の母親、知人では趣味のバイクチームのメンバーや編集社などの仕事上の関わりがある人などでした。本著でも、10章の「生きていくうえでの応援団を考える」という章で、その話が書かれています。本当に辛い時に頼れるのは自分の弱さを見せている人たちだけだと書かれていました。この本を通して、自分は利用者さんにとって「弱さを見せられるような支援者(スタッフ)になっていきたい」と思いました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
■参考文献
鈴木 大介(2016)『脳が壊れた』新潮社