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■読書報告(第10回)『宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれるあなたの知らないあなたの強み』 ◎FFS理論とは…。  FFS(Five Factor&Stress)理論(開発者:小林惠智博士)は、ストレス理論をベースに研究されたものです。人によってストレッサー(ストレスになる刺激)は異なります。例えば、同じ広さの部屋にいても、「広々として心地良い」と感じる人もいれば、「広すぎて不安」とストレスに感じる人もいます。つまり、環境や刺激に対する感じ方や捉え方は人それぞれ違います。その感じ方、捉え方の特性を5つの因子としと計量化したものが、FFS理論です。  FFS診断を受けるメリットは、質問に答えると5つの因子とストレス状態が数値化されます。それらの数値から、個性に影響を与えている因子を特定することができます。自己理解が深まるのはもちろん、他者との違いも明らかになり、すれ違いの原因究明やよりよいコミュニケーションの取り方の指南に役立てることができます。   ◎自分の因子の内容からどう思ったか  本著の簡易診断では、私は第一因子が拡散性、第二因子が受容性、第三因子が弁別性でした。拡散性は、飛び出していこうとする力です。活発で行動力があり、直情的で面白いことなら周囲を気にせずどんどん取り組むので、「挑戦的だ」と評価されます。一方、飽きっぽいため周りを振り回すタイプでもあります。第二因子の受容性は、無条件に受け入れる力です。優しくて面倒見がよく、柔軟性があるのが特徴です。無理難題も聞けるので、経験値が高いと頼もしい存在ですが、周りの要望を全部受け入れてしまい、キャパオーバーになることもあります。第三因子の弁別性は、白黒はっきりさせる力です。合理的で計算的であることも特徴です。ドライで、常にどうすれば合理的なのかを考えて行動します。物事を都合よく割り切ることができる一方で、感情があまり介入しないため機械的で冷たく見られる印象もあります。  以上の内容から、私はこれら3因子の特性は的を得ていると感じました。私が転職する際に「医療機関以外にも働ける領域はある」と考えることができたのは、拡散性の因子があったからだと思います。今まで大学院の研究内容などを決めるときも「このテーマは面白そう」という動機で決めてきた様に思います。 受容性の因子に関しては、この仕事を選んだこともそうですが、元々は教師を目指していたこともあり、面倒見の良さや柔軟性はあるように実感しました。一方でキャパオーバーになることも、訓練時に複数人を担当している時に軽作業の入出荷が被ってしまい、私自身がキャパオーバーになる場面もありました。 弁別性の因子に関しては、客観的事実に基づいて判断する面があるので実感がありましす。また、私自身何かの説明を受ける際には、どうしてそうなるのか、何故そのようにするのかの根拠を示してもらえると分かりやすいということもこの因子によるものと考えます。   ◎支援の中でこれらの因子がどのように影響しているかを考える  まず、思い出したのは利用者さんとの面談の中で、利用者さんがこう思うという考え方を素直に受け入れることが出来ているのは、第二因子の受容性によるものと思いました。傾聴しありのままを受け入れることができていると考えます。一方で、受容しすぎるために「どうしてそう思うのか?なぜそう考えたのか?」という疑問が出てきにくかったのではないかと思います。  利用者さんへの質問も自分の興味や関心に基づいて聞いてしまうこともあるため、この部分は拡散性による影響ではないかと思いました。さらに、面談時に話が長くなることがあるのは、弁別性の客観的事実に基づくことが影響しているのではないかと思います。客観的な内容を自分が話すことで結果的に話が長くなっているのかもしれません。    以上のように、自己覚知を客観的にできる内容になっています。さらに、チーム作りや新人教育などにも応用できる理論と思いました。 最後までお読みいただきありがとうございました。   ■参考文献 古野 俊幸(2020)『宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる あなたの知らないあなたの強み』日経BP