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こんにちは、砂川です。 久しぶりのブログ投稿になってしまいました。   ここ数か月の堺事業所は新規利用者の方が増え、少し賑やかな様子になっています。コロナ禍で労働市場が厳しい中、就職者の方もコンスタントに出ている状況ですので利用者の皆さんの頑張りに頭が下がる思いです。 年内に就職を目指されている方もたくさんいらっしゃいますので、引き続きスタッフ一丸となってサポートさせて頂きます。どうぞよろしくお願い致します。   久しぶりに読書報告を書きたいと思う本に出会ったので投稿します。 今回読んだのは【82年生まれ、キム・ジヨン】です。本書は韓国に住む33歳の女性の生い立ちを振り返ることで、主人公が生育過程において感じた女性としての息苦しさ、葛藤を描いた作品で、現在は映画も公開されています。   主人公は大学を卒業し、夢ややりがいをもって就職をした会社で、難しい案件もこなしながら自身のキャリアを積み重ねています。生活費を得るためだけでなく、自分の仕事に誇りを持って働く姿は、私自身の労働観にも通ずるところがあり、イキイキと仕事に向き合う彼女から元気をもらうことが出来ました。 それと同時に、結婚をして、仕事をしながらどのタイミングで子供を作っていくのか、子供をもつことで自分のキャリアが止まったり、夢を諦めなければいけないという恐怖感を主人公と一緒に感じることで、女性として生まれてきただけで社会に出て、生きていくハードルがこんなにも高くなるのかとため息交じりにページを進めていました。   私自身、大学を出てすぐに入籍をしましたが、クロスジョブの仕事が楽しく、クロスジョブの仕事以上に夢中になれることがなかったので、子供を持つという選択はしていません。 しかし、世間様からすると結婚をして子供がいない夫婦はまだまだマイノリティのようで、可哀そうな目で見られることもありますし、「仕事は誰でも代わりがきくから早く子供を作った方がいい」と言われた時は、相手の人が悪気をもって発言している訳ではないと理解しつつも自分が生きている価値って何なんだろとやるせなくなりました。 ちょっとコンサバな服で出勤した時は「今日は参観日でもあるの?」なんて声をかけられて、その時は絶句を通り越して聞かなかったフリをしましたが悔しい気持ちでいっぱいでした。(子供がいないことが悔しいのではありません)。   出来事の1つ1つはたいしたことではないし、相手の人はそんな会話をしたことも覚えていないと思いますが、本を読みながら他の女性たちも色んな思いに蓋をしながら生きたりしているのかな、でもそんなこと誰も声をあげて言わないよな、みんなどう考えているんだろうとグルグル思いを巡らせていました。   ただこれは、私が女性として生まれてきたから感じるしんどさで、男性には男性の悩みがあって、障害のある人、病気の人、親の介護をしている人など、仕事だけでなく生活面の悩みも色んなものがあるんだろうと思います。仕事をしている時は、多くの人が暗黙の了解でプライベートの自分を切りはなして、やるべきことに向き合っていますが、これからの時代、その働き方で人が幸せになるのかはとても疑問です。   会社で働く自分もプライベートの自分も、全てが自分を作り上げている要素ですから、そんなものをお互いに知ったり、支えあったりする社会になればいいなと思いますし、まずはクロスジョブが日本の働くモデルになっていきたいなと感じた夜でした。   【キム・ジヨン】の物語は何の希望もなく話が終わるので、それもまたリアルです。     【参考文献】 チョ・ナムジュ;82年生まれ、キム・ジヨン,筑摩書房(2018)