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こんにちは。堺の徳谷です。   連休初日には映画を観ることを習慣にしています。昨年は度々チョイスをシクじり、連休中の気分がズブズブになったり塞ぎっぱなしになったりしていましたが…。今回は『秋刀魚の味』という映画を観ました。   何の予備知識も無く「小津安二郎だから、静かな小品的な映画なんだろうな」という気持ちで観始めたのですが(そのとおりだったんですが)、色々と考えさせられました。「娘を嫁に出す」ことを「サッサと片づけちゃわないと」と言いながら、真剣に事を進めていくオジサン達。意に沿わないことには「イヤよ。わたしイヤよ。」と言う娘。なんだかなぁ…という主人公の心境と、戦後復興の中で敗戦を受け止め直している空気感が入り混じる、なんとも言えない雰囲気…。   今の時代だと不適切な話の運び、癇に障る・引っかかることも多いと思うのですが、それはそれとして。愛と人情に満ちた?じんわりくる映画でした。おススメです。愛や人情的な表現も、その受け止め方も、時代や国や所属するコミュニティ…自分が依って立つバックグラウンド次第で変わることって面白いです。   『ケアするまちのデザイン』 デザイン=建物を作る から デザイン=人がつながるしくみを作る へ。 そんなコミュニティデザインが、地域活性化やまちづくりと結びつき始めています。身近なところだと、あべのハルカスが建設中から「コミュニティデザイン」の取り組みを行っていました。各フロアに敢えて「空白地帯」を作っておいて、そこでワークショップや思いついたことをできるようにしておく。先導役は、著者の山崎亮さん。当時は夕方の情報番組なんかにも出ていたような。    「まちの人」と「まちという空間」がケアという視点と結びついてきた以下の4事例を紹介するのが本書です。   ・高齢者総合ケアセンターこぶし園 新潟県長岡市 ・創寄りとチーム永願寺 滋賀県東近江市 ・地域包括ケア幸手モデル 埼玉県幸手市 ・Share金沢 石川県金沢市   高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもと(厚労省)に取り組まれている 地域包括ケアシステムを、どう捉えるか。本書に登場する各地域の医療・福祉関係者は「自分だったらどう暮らしたいか」という目線を第一に、高齢者だけでなく障害・生活困窮も含めた…というか、町で暮らしていたら当然目に入るものに線引きをしないスタンスをとっているように感じます。地域包括的な視点でケアの仕組みを考える、というような。   その手段として、医療だけ・福祉だけ、というふうに抱え込まない支援の大切さが語られています。それぞれの専門性を活かしつつ、それぞれの専門外の領域に滲み出して行くことで…互いに顔の見える関係になることで、地域が見えるように。   書いていると堅苦しくなってしまいましたが、ある程度の旨味というか楽しさが無いと、こんな取り組みは持続できません。「あんときゃ大変だったべー」「今も大変だべさー」と笑い合うようなお祭り感が本書には詰まっています。   ※引用 昨日も、ある老健で話を聞いていたら、奥さんが亡くなって独りになった男性が「ふれあいカフェをやるんだ」と言ってたんです。「1人でやるんですか?」って聞いたら、昔飲みに行ってたスナックのママが手伝いに来てくれるんですって。   いいですよね、楽しそう。読んでると何かを始めたくなる本です。 クロスジョブ堺の本棚に加えますので、ぜひ手に取ってみてください。