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■読書報告(第12回)『なるほど高次脳機能障害~誰にもおきる見えない障害~』  こんにちは!クロスジョブ堺の谷口です。 今回は高次脳機能障害の書籍を読みましたので、報告させていただきます。 ■印象に残った点  現在、高次脳機能障害の方を担当しているため、この本を手に取りました。 この本の中で特に印象に残った点が3点あります。1点は回復がゆっくりでも変わり続けること、2点目は障害を自覚する・受け入れるまでに数年の月日が必要であること、3点目は高次脳機能障害のリハビリの原則についてです。    1点目は事例のところで発症から10年以上経過していても、メモなど代用品を活用して本人の遂行機能が向上しているとのことでした。10年というとかなりの年数ですが、それでも少しずつ改善しているのは凄いと思いました。本人に合う形で代用品を活用した結果なのだと思います。    2点目も事例のページに書いてありました。その方は、発症してから2年経過し、身体障害者手帳は取得したものの「認めたくない気持ち。使うもんか」と思っていた方でした。初めてバスで手帳を使ったことで、料金が半額になることを知り、福祉制度を理解し活用しようと思ったそうです。制度を活用するまでもかなり悩んだようでした。そこから、仕事に行きながら生活の中で使える様々な対処法を身に着けて行ったそうです。また、周囲に障害のことを伝えるようになったそうです。    3点目は、高次脳機能障害のリハビリの原則です。これはピラミッドで紹介されていました。高次脳機能のリハビリは①呼吸・循環②感覚・覚醒③運動・姿勢④摂食・嚥下⑤体力・忍耐力をリハビリし、その後に高次脳機能(⑥抑制⑦意欲・発動性⑧注意・集中⑨情報獲得⑩記憶⑪遂行(実行)機能⑫現実感⑬見当識)のリハビリに入っていくそうです。また、高次脳機能のリハビリを行う際も、⑥~⑬の順番でリハビリを行うそうです。リハビリに順番があることを初めて知りました。それから、それぞれの機能が相互に関係し合って調和させることで、残った力で障がいを補い(代替)、「潜在」する力を生かし、新しいやり方を「習慣化」させることがポイントとのことでした。   ■感想(今後の支援に活かす)  以上の3点を今後の支援に活かすという視点で感想を書いていきます。  1点目は、本人に合う形で代用品を活用することで、出来ることが増えてメモの数が少なくなったり、家族のサポートも少なくても出来るになってきていることがあると書いていました。クロスジョブの訓練の中で、本人に合った代用品を利用者さんと一緒に見つけることはできると思います。あくまでも本人に合った代用品を見つけていきたいと思います。    2点目は、本人が障害を認められるようになった経緯を知ることが重要だと感じました。また、認められていないのであれば、なぜ認めたくないのかを教えていただくことも重要だと思います。認められるようになるきっかけは人それぞれだと思います。その経緯を振り返ることも、利用者さんを知るために必要だと思いました。    3点目は、高次脳機能障害のリハビリの原則です。身体機能をリハビリしてから高次脳機能の部分にアプローチしていくことを知りました。高次脳機能の部分も順序性があり、それぞれの機能が関わりあって代替、潜在、習慣化の機能を果たすのだと知りました。高次脳機能の⑥~⑬の機能の得意・不得意を訓練の中で確認していきたいと思います。また、クロスジョブの先輩スタッフから⑥~⑬の機能は⑥から⑬に上がっていくものではなく、作業によって行ったり来たりをするものだと教えて貰いました。その視点も持ちながら利用者さんの得意・不得意を一緒に整理していきたいと思います。