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こんにちは。堺の徳谷です。 ステイホーム、いかがお過ごしですか?   僕は家で漫画ばかり読んで…普段とそんなに変わりません。 なかでも、『大奥』がよかったです! ウイルス性の病で若い男性がどんどん亡くなってしまう中、徳川家光の時代から将軍職を女性が務めるようになり…ここから男女逆転の大奥が誕生したという設定。女性が当主を務めることが武家・商家・農民といった社会全般に広まっていき…。15代将軍まで時代が移る中で、ワクチン開発成功~再びの男女逆転~開国・尊王攘夷と、大きな社会変動の中で一生懸命に考えて生き続ける人たちから目が離せませんでした。「完結してから買おう!」と決めていた『大奥』が、連載10年以上をかけて、コロナ禍の今年に完結したということも、凄く感慨深いです。同じ作者の『きのう何食べた?』(副菜を何かもう1品つくりたい、というときに便利。おススメです)を読みながら料理したりして、この連休を過ごしています。   さて、読書報告です。 『不自由な脳』 鈴木大介・山口加代子 高次脳機能障害の当事者である鈴木さんと、臨床心理士である山口さんの対談本です。 鈴木さんは受傷~回復までの過程を本にされており(『脳が壊れた』は受傷10か月後の出版!)、身体機能・認知機能の回復と環境調整については何度繰り返し書かかれても新たな発見があります。「あの時のアレは、実はこんな効果もあったのかも?」という視点がリアルタイムで更新・出版される熱量というか、そこに色々な分野の支援者が関わることによるダイナミズムというか…。本書での新たな視点は、鈴木さんが名付けたところの 心理的急性期 です。   病院のリハ室では問題なく過ごせるようになって退院した矢先に、ラーメンの味で号泣・夕日の美しさに号泣・スーパーの情報の多さにパニック・感情が抑えられずに人を傷つけてしまい自己嫌悪…鈴木さんの本には必ず登場するエピソードですが、本書では、それを感じるパーソナリティが残っていること、その心理を大切にすることが、特に重要視して語られています。   たとえば「病前に出来ていたことが出来ない」ということに対する心理的な落ち込みは、情報過多によるパニックというような脳機能の作用とは別個です。現象への対処や身体・認知機能の回復も大切ですが、その人の内面的な動きとその背景を知ること・想像することの両輪があること、その上で支援が行われることがベスト…と、概念としてわかっているつもりでも、難しいです。   ~現状言われている脳外科的な急性期に加えて、脳の情報統合機能が復活し、破局的なパニックの頻度が減り、感情のコントロールが一定まで回復するまでといった「脳の情報処理力的・心理的な急性期」を新たに考えてほしい~(本文より)   楽しい、つらいと感じるその人のパーソナリティ・心理を、なぜ僕は想像できない…あるいは、経験から多少は出来るけれど、ついつい他のことを優先してしまうのだろう…。と、立ち止まっている暇もなく、考えるための情報が、当事者の方々からも沢山発信されている時代にもなっています。それは本当にありがたいことなのだと、読後に一層感じられるようになったことが、今回の読書の一番の気づきだったのだと思います。   ありがたく、面白い時代に生きていると考えて(『大奥』でも、和宮さんがそう言ってました)連休明けに臨みたいと思います。