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こんにちは。 堺の徳谷です。   自宅の近所の家に、鳩が巣を作りました。僕が出勤するときも、母鳥(お父ちゃんと交代していたとしても、僕には気づけないんですが)が白い卵を1つ温めています。たまに父鳥(お母ちゃんと交代していたとしても…)が巣材の小枝を持ってきます。初めて見ました。鳩の卵って大きいんですね。   今回も鈴木大介さんの本のご紹介です。 前回ご紹介した『不自由な脳』の中で、鈴木さんはこんなことを仰っています。   「実感としては、四年たって色々な表現を使いましたが、一番適切なのは高次脳機能障害は中途障害である自閉症です。自閉に一番近いと感じます。~中略~たぶんそれ以外にもたくさん症状があるけれど、一番苦しさの出るポイントが自閉に近いということですね。情報の取りすぎによる、選択できないことによるパニックや、パニックになった後の対処ができないことなど」   鈴木さんは病前、非行少年や家出少女と呼ばれる人々に焦点をあてて『ギャングース・ファイル 家のない少年たち』『最貧困女子』などのルポを執筆しています。その過程で、取材対象者に自閉症スペクトラムや発達障害などの傾向がある方々が含まれていることを感じ取っていました…そのうえで…   『脳コワさん支援ガイド』では、発達障害、自閉症、高次脳機能障害など、その診断名に関わらず困り感を抱える人のことを脳コワさんと仮称し、自身の経験をもとに支援してほしいこと・周りに想像してほしいことをまとめておられます。   『発達系女子とモラハラ男』では、易疲労・ワーキングメモリ・注意障害 主にこの3つを柱として、ご自身の高次脳機能障害と奥さんの発達障害との共通項と、お互いの違いを整理しなおしています。夫婦関係の整理と同時進行していくところが笑えて泣けます。前著の『されど愛しきお妻様』といい、本当にすごく大好き。   病前の仕事で当事者の世界観をある程度想像してきていたからこそ、鈴木さんの文章には「甘く考えていて申し訳なかった!」という自戒・自責の念が凝縮されています。本章の合間のコラムまでビッチリ!!と文字で埋め尽くす熱量…頻繁に挿入される突き抜けたギャグ…鈴木さんらしさが病前より確実にパワーアップしていることも笑えるし泣けます。嬉しくて。   僕たちが仕事としている支援の場面だけでなく、口論や諍い・すれ違いなど人間関係では「なんでこんなことになるんだ」という「なんで」が見えないことが多々あります。お互いの「どうしてもできないこと・協力が必要なこと」が見えなくて、見えたとしても今度は「どう協力し合ったらいいのか」が見えない。そんなとき、お互いが対話に臨むための基礎が鈴木さんの本にはギュッ!と詰まっているように感じます。   好転と暗転が常に紙一重だという、当たり前のことにも目を向けさせられます。まず知らなきゃ、想像もできないんですよね。   堺の本棚に加えますので、ぜひ手に取ってご覧ください。