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こんにちは、堺の徳谷です。
全4回の自閉症eサービス。今日は3回目の振り返りです。
■構造化のアイデア
構造化について知れば知るほど『見える化』という本を思い出します。
ちょっと引用します。
人間にとって「視覚」というのは、行動を起こすトリガー(引き金)となる最も重要な「入り口」なのである。~中略~人間が行動を起こすのは、決してコミュニケーションを通じてだけではない。~中略~事実が顕在化し、問題が明らかになれば、誰かに言われなくても必要な対策を講じるという自律的・能動的な特性を持っているのである。~中略~しかし、一般的な情報共有は相手が「見よう」という意思を持っていることが前提になっていることに気を付けなければならない。「見える化」の基本は、相手の意思に関わらず、さまざまな事実や問題が「目に飛び込んでくる」状態を作り出すことである。
16年前に出版された、いわゆるビジネスパーソン向けの一般書です。
構造化と見える化は共通することも多いと思うのですが、見える化はあくまで全体的な効率アップ・枠組みのノウハウ紹介です。構造化は個別的な支援の根幹。見える化⇒構造化と、止揚していくことが大事かな、と考えています。
さて、構造化において大事なことは…
・前回・前々回の講座でも繰り返し述べられていた「その人」を知り・評価した上での支援となっているかどうか。
・ご本人の興味・関心の傾向や、不安や負担を感じやすい環境・リラックスできる要因など、ご本人の意思に沿った支援が出来ているかどうか。
・ご本人の意思と支援者・周りの人々(ご家族・企業様を含む)が摺り合わさり、同じ目線を持ち、同じ目標・ステップを共有できるものになっているかどうか。
今回の講座では就労よりも実生活・学習場面での例が多く取り上げられていましたが、いずれも、ご本人の世界観がより濃く表出しているように感じました。働くためにも必要なことを、ご本人・ご家族は沢山経験してこられているのだと、当たり前のことに今更思い至ります。
ご本人の意思を知る(「知る」という言葉自体がおこがましいのかもしれませんが)ためには、あらゆる場面での情報共有とアセスメント、評価⇒支援の繰り返しです。
再び『見える化』のあとがきから引用すると…
たとえば、道端に咲く一輪の花を見て「綺麗だな」と感じる。でも、普通の人はその花を正しく模写することはできない。絵心があるかどうかを議論する前に、そもそも対象物そのものがきちんとは見えていないのだ。~中略~しかし、普段の生活はそれでも全く困らない。細かいところまで見えないからこそ、生活が成り立っているという側面もある。もし、細かいところまで全部見えていたら、余計なことまで気になって、人間らしい落ち着いた生活はできなくなるだろう。
「絵心があるかどうかを議論する前に」という視点を持ち、ご本人が見やすい・見たいと思うことは何なのかを考え続けることを、上記の引用にプラスして肝に銘じておきたいと思います。