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こんにちは、砂川です。
ブログ更新がすっかりご無沙汰になっておりました。まだ7月に入ったばかりというのに暑い・・・。暑すぎます。昨日からさすがに自宅のクーラーを解禁しました。もう少し粘る予定でしたが根負けです。
最近面白い本を読んだのでご紹介。
【こころの科学 No.216-特別企画;「大人の愛着障害」】です。
現場で支援させて頂く時間が長くなると、発達特性の観点だけでは利用者の方のことを理解しにくいと感じることがあります。その際、幼少期の出来事や親御さんとの関りなど生育歴をお尋ねすることでどんな愛着形成をしてきたか、ということに着目することが必要であると考えています。
この大事だな~と思っていたことを川崎医科大学の村上伸治先生が整理をされていました。
診察では、うつなどの精神障害を訴え、薬物療法や通常の精神療法を行うもなかなか改善が見られないケースが多くあるとのこと。
ただ単に表面化されている精神疾患のみを診るのではなく、精神疾患の基本構造として下部層から順に、(1)発達特性⇒(2)愛着障害⇒(3)精神疾患の3段階構成で考えることが必要ではないかと訴えられています。
愛着形成については出生後の体験に左右され、その過程の中で躓きや失調が生じることを愛着障害と言いますが、虐待・ネグレクトなど不適切な療育以外からも生じるものであり、不安の表出が苦手なASD者は愛着の問題を抱えやすい人たちであると書かれています。
訓練の中では「何かあれば報告・連絡・相談をしてください」とお伝えしますが、ホウレンソウが苦手な方は多いですね。相手に気を遣いすぎる方、こんなこと伝えてもいいのかなと感じる方、自分だけ休憩を申し出てもいいのかなと思う方。また、極端に自己肯定感が低くかったり、上手に支援の手を握れない方もいらっしゃいます。
私の目からは繊細過ぎるほど繊細にうつりますが、この様な気持ちになる背景には今までの人との繋がり方、甘え方・経験が影響していないでしょうか。何かやりづらいな、生きにくいなと感じている方がいらっしゃれば、愛着というキーワードを手掛かりに加えて、整理していくことも必要だと感じました。
発達障害と愛着障害の違いについて書かれている文献もあります。しかし、違いという切り口では理解が難しくなるかもしれません。人と繋がらずに生きてきた人はいませんから、脳機能の問題だけ/育ち方の問題だけでは語れないことが沢山あると思います。この両者をスペクトラムの概念で考えてみるとどうでしょうか。
簡単ですが久しぶりの読書報告でした。良かったら皆さんも読んでみてください。
■参考文献
こころの科学216-p.10-16「臨床現場における成人期の愛着障害」,村上伸治
こころの科学216-p.17-22「愛着障害、発達障害、複雑性PTSDをどう考えるか」,滝川一廣
砂川