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こんにちは。砂川です。
10月に入ったのに半袖でも暑い日が続いています。
せっかく秋服を買ったのに出番が回ってきませんねぇ( ノД`)シクシク…。
さて、昨日はオンラインで研修を受けたのでご報告致します。
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・第190回国治研セミナー
「神経認知リハビリテーション~子供から高齢者まで~」
・講師:橋本圭司 先生(昭和大学医学部リハビリテーション医学講座准教授)
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福祉、医療の分野では、それぞれの専門家が自分の得意とする領域があり、その中で仕事を行っています。クロスジョブのスタッフも発達障害の方をメインに担当している職員、高次脳機能障害の方をメインに担当する職員など、専攻課程、職歴などによって強みが異なります。
また、現在の日本の状況として、診断名や障害が分かった時期などで関わる専門家が変わりますが、脳機能の障害を考える時はそれらの状況によって考えを分断するのではなく、連続的に捉えることが必要であるとのお話でした。
具体的には、神経発達症(発達障害)~神経認知障害(高次脳機能障害)~認知症を連続的に捉える「神経認知リハビリテーション」の考え方です。
それぞれの障害名を聞くと縁遠いものの様に思われるかもしれませんが、高次脳機能障害の行政診断にある「注意障害、記憶障害、遂行機能障害、社会的行動」の部分を見ると神経発達症(発達障害)や認知症と症状が同じであることが分かります。
支援方法も見通しを伝える、文字情報で伝えるなど共通することが多いのではないでしょうか。
私の祖父母の家にはいたるところにテプラで電気のスイッチの名前が貼りだされています。自閉症の構造化支援と同じやな~と思いながら見ていました。お薬の飲み忘れ防止のために使用されるお薬カレンダーも年齢を問わず使える“見える化”支援です。
また、興味深いことは、一つの器質から次の疾患のリスクに繋がっていくというものです。
例えば、ADHDの多動傾向がある人は交通事故にあう可能性が高くなり、そこから頭部外傷を受けると高次脳機能障害になる。また、認知症の危険因子には頭部外傷が含まれるため、高次脳機能障害の診断を受けた人は認知症になる可能性が高くなるというイメージです。
整理すると、(1)神経発達症がある(ちょっと傾向あるかな~も含む)⇒(2)脳卒中のリスクがある⇒(3)認知症のリスクがあるということ。
神経発達症の特性が見えにくかった人でも高次脳機能障害が加わることで元々の器質が色濃くなる(ストッパーになっていたものが外れる)こともある様です。
それぞれの専門フィールドだけで支援を行うと理解がしにくいことも、多職種他機関が連携をすることでその人の全体像を捉えた支援や新たな発見があるかもしれません。
橋本先生は神経認知リハビリテーションの考えを提唱されるとともに、その人がその人らしく生きていくことが必要だとお話されていました。障害、疾患事態を治すことが最優先されるのではなく、まずは予防を大切にしていくこと。それを実行していくための究極のゴールは「自分の脳の傾向に気付くこと」だそうです。
例えば、ADHDの特性があるのであればバイクは避けて車移動にし、少しでも事故のリスクを回避していく。脳卒中のリスクを下げるために健康的な食事をする、運動をするなど。飲酒は1日2~3杯にしましょうね、というお話でした。
脳に関する新しい考え方、捉え方に触れて、対人支援に携わる者として学びを止めてはいけないと思った週末でした。
砂川