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こんにちは、堺の徳谷です。   読書の秋…なのに夜と朝方しか涼しくない、という気候を経験するのは初めてです。 さて、読書報告が溜まっています。   『壊れた脳と生きる 高次脳機能障害「名もなき苦しみ」の理解と支援』 鈴木大介さん、鈴木匡子さん…ダブル鈴木さんが講師となり東京大学で開かれた市民向けの連続講座の内容をもとにした、いわゆる対談本です。ダブル鈴木さんなので、人名表記が「大介さん」「きょう子先生」となっています。誠に失礼ながら、このブログもその表記に倣います。   大介さんが当事者としての視点から話され、きょう子先生が医療者・支援者としての感じ方・驚きを述べられます。そこから医療者としての解説と、当時者の各段階・場面における「現実的にはこうだよね」「もっと、こうできればいいんじゃないか」を話し合う…帯に倣うと「語りつくす」。本当におこがましいのですが、きょう子先生の知見を受けた後の大介さんの語り方が、これまでの著書と全然違うように感じました。こんなにパッパッ!と思考を切り替えて「当事者・支援者・発信者」の視点・立場からお話し出来るのはスゴイことだ…と圧倒されます。   あとがきから引用します   大介さん ここで知っていただきたいのは、知識の充実とは別に「想像力の充実でアプローチする支援職」のほうが、当事者にとってありがたく感じる場面が往々にしてあるということです。   きょう子先生 大介さんの「高次脳機能障害の症状説明のための冊子は他者目線で書かれている」という指摘も目からうろこでした。  本書が完成するまでに2年かかったことには予期せぬ副産物がありました。その間大介さんとのやりとりを続けることで、図らずも2年間の高次脳機能障害の回復を目の当たりにすることになったのです。   大介さんは、想像力ベースの支援へのチャレンジは誰でも明日からでも始められる、と支援者(ご家族や職場やピアサポーターまで、当事者に関わる全ての人を含みます)を鼓舞します。発達障害特性を持つ奥様を始め、これまで取材してきたすべての人のことを、まだまだ自分は想像仕切れていない、と大介さん自身に向けられた言葉であるようにも、僕は感じます。   一方で、きょう子先生のように日々現場で当事者の方々に接されている人でも、まだまだ目からうろこをこぼされるのです。僕なんか言わずもがな。目からうろこがこぼれていない日が続くことのほうが危険なんですよね。   最近、僕が目からうろこがこぼれた経験は…   ある相談支援機関の方から「自治会の役など、特性によって難しい地域的な仕事が回ってきたら、周囲から手伝ってもらったり、出来そうな役に回してもらうなどの配慮をしてもらった事例もある。そのときは相談支援から民生委員さんを通じて協力を得られた」というお話を伺いました。   考えてみれば当たり前のことなのに。 大介さんが、執筆は出来ても自治会の仕事(工程は少ないけど、初めての手作業)が全然できなくて泣きながら手伝ってもらった、と書かれているのを読んでも、集金係やまとめ役の会長職なども同様だと思ってもみませんでした。家族・職場だけでなく地域へのカミングアウトの場面すら…。まだまだ開眼が必要ですね。   ・脳全体のうち高次脳機能を司る部位は全体の8割。 ・軽度の神経症から認知症など、ほぼ全ては高次脳機能の損傷に起因 ・違いや差はあれど発達障害や自閉症と共通することが多い   なんだ、じゃあ自分もいずれ必ず通る道じゃないか、と僕なんかは単純に考えます。「情けは人のためならず(人のためにしたことは巡り巡って自分を助けることにもなる)」と、鬼滅の刃でも言っていましたね。   その気になれば何からでも学べることはあるんだ!と炭治郎のように自分を鼓舞しつつ、明日からも頑張ります。