https://crossjob.or.jp/map/
https://crossjob.or.jp/link
こんにちは!堺事業所の立川です。
10月も半分が過ぎましたね。急に寒くなって、冬がちらちらと姿を現してきましたね。
今回は、札幌事業所の柏谷さんが司会をされていた(お疲れ様でした!)、「北海道 高次脳機能障害リハビリテーション講習会 『新解釈 不自由な脳の解き明かし』」に参加しましたので、報告や感想を書いていきたいと思います。
まず、臨床心理士の山口加代子先生から、高次脳機能障害の障害特性や、現状の課題について講義頂きました。
脳のどのような機能にどんな障害が起きるのかを教えていただいたのですが、
注意障害や左空間半側無視の症状において、「ご本人はちゃんとやっている(ちゃんと見ている)のに、注意を受けることになる」、易疲労で「脳がフリーズしている状態が、ぼーっとしているように見える」、破局反応で「それまでできていたことができなくなり、声掛けがパニックになる」といった具体的な困り感も併せてお話しいただいたことが印象的でした。
また、高次脳機能障害の症状が、病院では出にくいことや、診断に至らず見逃されてしまうケースが多いことも驚きです。
ただでさえ、脳にダメージを受けるほどのご病気や事故といった出来事でショッキングなお気持ちだと思うのに、退院した後に、受傷前と同じように頭が働かないなんて…自分なら、もう何が何だか、現実に気持ちが追いつかないだろうな、と思いながら、お話を聞いておりました。
鈴木大介さんは、堺の先輩スタッフ徳谷さんが、いつも「面白いよ」とオススメして下さる方です。当事者の方からお話しを伺える貴重な機会でした。
鈴木さんのお話しでは、山口先生のお話しに加えて、「破局反応が起きた時に、家族や支援者を拒否してしまうこと」「ネガティブな感情に固着してしまうこと」「作業が中断されると、それまで何をしていたか・これから何をするのかがわからなくなり、いちからやりなおさないといけなくなる。それが苛立ちや怒りに繋がる」「こんな自分は嫌だ、という自罰感情が生まれ、やってはいけないことをした自分を消したいと思う」…
こういった、「注意障害や記憶障害、実行機能障害によって、今までできていたことができない自分への苛立ち→妨害する他者への苛立ち→こんな自分はダメだ」といった悪循環が起きていると教えていただきました。
鈴木さんのすごいところは、「自分が一緒に仕事する人だったら、困るなって思う」「健常の人から見たらさぼってるだろと思われる」と、障害のあるご自身の目線から一歩引いた目線でお話しされていたところです。だからこそすり合わせが難しい、ともお話しされていて、私も一緒に唸ってしまいました。
お二人の対談もとても興味深かったのですが、とにかく、『ご本人の障害による症状が、他者には一目で理解されにくい』ことが、ご本人の生きづらさになっている、ということを、講演を通してずっとお話しいただいていたと思います。
私もお恥ずかしながら、クロスジョブでお仕事を始める際に初めて知った障害でした。
ご本人は勿論、ご家族や周りの方々も、受傷前のその人を知っているからこそ、「できないことへの苛立ち」が生まれる…
障害受容って、言葉に出すのは簡単ですけども、実際はとっても苦しいことだと思います。
今回の学びを挙げたらもうたくさんあるのですが…やはり、障害特性も含めたその方ご自身を知ることが本当に大事!
気持ちに寄り添う…って何だかめちゃくちゃ偉そうなんですけど…その方が、もしかしたら不安や苛立ちの中におられるのかもしれない、という可能性を頭に置いてくのと置かないことでは、全然違うと思うのです。
最後の方に、鈴木先生が質疑応答で「障害が重くても就職できる人もいる。障害が重いから仕事ができない、とは言って欲しくない」とお話しされていたこと…改めて私たち支援者の使命だと感じました。
高次脳機能障害は、ひとりでは絶対に整理ができないとお話しされていたことも、今自分が関わっている皆様への責任感を強く覚えます。
障害を受け入れられず苦しい思いをされている方、周囲に理解されずもどかしさを感じておられる方…ご本人の現状を知り、その方がどうしたら安心して社会で、地域で生活していけるのか?を、一緒に考えていけるよう、もっともっと知識を深めていきたいです。
今回の研修の報告は以上です。
このような学びの機会を設けて頂き、とても勉強になりました!ありがとうございました!
先週はこちらの研修だけでなく、あと2つ研修に参加させて頂いていたのと、9月末に参加した雇用フォーラムの報告もまだ出来ていないので…今週は立川の研修報告ブログ更新祭り開催予定です。頑張ります。お付き合いいただけると嬉しいです!
それにしても、脳って不思議でいっぱいですね。毎日フル稼働してい脳を、ちゃんと休ませないとな、と思いました。