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こんにちは。堺の立川です。   更新が遅くなりましたが、今回は、「知ってみよう!ひきこもりとの関わり ~当事者と作業療法士の立場から~」の研修に参加しましたので、報告させて頂きます。   そもそも、「ひきこもり」という言葉…なんとなくニュースなどで耳にしますが、正直、ぼんやりとしかわかっていなかった!と、研修を受けてまず感じたところです。 家から出られなくなった人?家の中でもコミュニケーションが取れなくなった人?…ぼんやりと、そんなイメージでしたが、実際にはどんな背景があるのか、どんな支援が必要なのかを、学ぶ機会となりました。   まず、引きこもりの当事者として、下田つきゆびさんのお話しをお伺いしました。 下田さんは、中学2年生から3年間、ひきこもりだったようです。ご家庭の環境は、安全・安心できる環境であったとは決して言えないような状況でした…。 最終的に、ご家族はご両親が離婚され、お母様と下田さんとの2人暮らしになられましたが、生きづらさが拭えず、精神科受診に至られました。 初めて精神科受診された際、薬を処方されただけで、話を聞いてもらえなかったというご経験と、その逆で、話を聞いてくれる先生に出会い、「味方でいてくれる人、話を聞いてくれる人がいる」と思えたというご経験をされ、その先生から、ADHDと強迫性障害の診断を受けておられます。   次に、真下いずみさんより、作業療法士の立場から、ひきこもりの現状・行政の支援機関・ケース事例をお話し頂きました。 ひきこもりには、統合失調症などの精神疾患、発達障害が背景原因になっていることも多いようですが、手帳をお持ちでいない方が8割なのだそうです。医療からドロップアウトしているケースも多いとのお話があり、支援に繋がりにくいことがうかがえます。 後に、参加者をグループに分けたディスカッションがあったのですが、私が参加していたグループでは、作業療法士の方が「どのようにしてひきこもりの方を探し出すのか」ということを課題に挙げられていたことからも、支援に繋がらず、生きづらさを抱えている方がたくさんいらっしゃるのだと感じます。   下田さん、真下さんのお二人のお話しから、ひきこもりの方々への理解が深まりました。 ・ひきこもりは病気ではなく、状態であり、自分を不快で危険な状況から守るための適切な行動である。 ・「ここにいても良い」と思える、安心できる居場所があると良い。 →家庭でも職場でもない場所があることが望ましい。(下田さんの場合は、お母様と、精神科の先生が安心できる場所となり、「つきゆび倶楽部」の発行などの活動が、社会との繋がり・居場所となったとのこと) 真下さんのケース事例でも、緘黙症状だった方が、ご本人の得意な手芸を通じて活動の場・社会との接点を持ち、就労に至られたと伺いました。   ひきこもりと発達障害や精神障害が相関していて、就労が社会活動のひとつである以上、直接的ではないかもしれませんが、延長線上に私も関わっているのだと感じます。地域と繋がっていないひきこもりの方こそ、「支援が届いていない方」ですよね。 ディスカッションに参加された方々は作業療法士の方が多かったのですが、司会の方が、「医療の枠だけでなんとかすることではない」と話されていたことが印象に残っています。自分たちの分野の枠を超えて、地域全体で関わり合うことの大切さを、改めて感じた研修でした。