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こんにちは!堺の立川です。
今日から12月。。。今年もあとわずかとなりましたね。来年のスケジュール帳を準備しないとな、と思いつつも腰の上がらない私です。
今回は、宮口幸治さんの著書、「ケーキの切れない非行少年たち」「どうしても頑張れない人たち」の読書報告です。
「ケーキの切れない」の方が発売されたときから、本屋さんで積まれているのをよく目にしており、興味を持っていたので、今回読む機会を作ることが出来て良かったです。
興味、というのは、「非行少年」って、私にとってよく分からない存在だったので、知りたいと思っていた、ということです。
実際に読んでみると…自分の思っていた以上に、非行少年という存在そのものが、複雑かつ社会問題で、自分とは切り離せない問題なのだと感じました。
様々な非行に走ってしまう少年の多くは、身体的な不自由さを持っていたり、認知機能の弱さがあったり…軽度知的障害や境界知能ではないかと思われる人々というところに、驚きます。
つい、自分の見えている・感じていることを基準に考えてしまうので、「なんで、こんなことしたら絶対にだめだと思うことをするのか?」「なんですぐ足が着くようなことをふるのか?」と、加害者のことをよく知らないままに批判して、怖がって、そのまま事件を流していました。
でも、加害者の人生は、世間が加害者とその出来事を忘れても続きますし、加害者が悪い人だった、で、片付けては決していけない問題です。
本の中でも指摘されていますが、そういった方々は、見た目ではご本人の困り感がわかりにくい方が多く、本当は支援が必要なのに、支援されていない方々であるというところ。
宮口さんは、彼らを見逃さないように、学校教育の中で気づいていくこと、トレーニングしていくことが大事だと書かれていました。
理想は、小さい頃から障害に気づいて、適切な教育や関わりを受けていくことですが…それがなかなか出来ていないのが現実の社会。支援からこぼれてしまった人たちが、少しでも早く支援に繋がるようにしていけたらなと思います。
「どうしても頑張れない人たち」の方では、「ケーキの切れない」を踏まえて、支援から零れてしまった少年たちのやる気をどう引き出すか?支援者はどう支援するのが望ましいか?という内容で、支援者としての関わり方や態度について学びとなりました。
特に印象的だったのは、「面倒だと思う人ほど支援が必要」だというところ。「面倒」と思われていたから、今まで十分な支援が受けられなかったわけですよね。
私も人間ですから、心無い言葉を向けられることは悲しいし、突然お相手の方の感情をぶつけられるとびっくりするし、不安、不快な気持ちになります。でも、そういったその方の表出を避けたり、拒むことは、支援者のあり方としては良くないなと感じます…客観的に、少し俯瞰して彼らを見てみて、どうしてそういう表出になったのかな?と、歩み寄ることが、彼らの理解に繋がるし、伴走する姿勢でもあるのかもしれないです。
クロスジョブでお仕事をさせて頂いているので、やはり自分が関わっている利用者さんと重ね合わせて読むこととなり、知的障害のある方の考え方や見え方を知る機会となって、とても勉強になりました。
まったく違うお仕事の方や、支援って何?という方が読んだらどう感じるのでしょうか。またレビューを読んでみようと思います。
知識として勉強になった、というだけでなく、改めて、自分の中の価値観でその人を決めつけず、一歩踏み出してなんで?と、他者の世界を知ろうとする努力が、その人にとっても、自分自身にとっても大切だと、本を読んで感じました。
人って、自分の理解の及ばないことに対して、なんとか自分の中で白黒はっきりさせたくて、自分の枠に当てはめてしまうのだと思います。わからないことって、なんだか怖いし、不安です。。。
だからこそ、知ることって本当に大切だと思います。知って、もしかしたらこうなのかも?と思うだけで、見える世界は全然違ってくるのではないでしょうか。知識は優しさだと思います。
少し話がふわっとしてしまいましたが(笑)、是非、色んな方に読んでもらいたいな、と思う2冊でした。私もクロスジョブの本棚と、堺のスタッフ吉峰さんからお借りしましたが、自分の手元に置いておこうと思っています。