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明けましておめでとうございます。クロスジョブ堺の吉峰です。
昨年はお世話になりました。本年もよろしくお願い致します。
2022年初の読書報告は、「不自由な脳 高次脳機能障害当事者に必要な支援」です。
本書には、脳梗塞を発症して高次脳機能障害の診断を受けたルポライターの鈴木大介さんと、臨床心理士の山口加代子さんの対談を中心に、専門用語や症状の解説も随所に加えて書かれています。解説があるおかげでとても読みやすかったです。
鈴木さんが脳梗塞で倒れる前の生活から、脳梗塞で倒れた時、入院中、退院後までの出来事が詳細に書かれていました。どのお話の中でも、鈴木さんの感覚や感情が丁寧に語られていて、注意障害、感覚過敏、パニックになることなど、高次脳機能障害の症状がどれほどつらいか、ひしひしと感じました。鈴木さんが「脳の情報処理的・心理的急性期を新たに考えてほしい」と発言されているように、認知機能、運動機能の障害に対する支援だけでなく、ご本人の感情に寄り添った支援をすることは非常に重要だと感じました。
言葉がうまく出てこない方、本当は怒りたくないのに過剰な刺激に対する反応として怒りの感情が出てしまう方など、高次脳機能障害が生じた方は感情が言動、表情にそのまま出ることがあるそうです。当事者の感情に寄り添うには、ご本人の表出に頼るだけでなく、周囲の人間もご本人がどのように感じておられるのか想像する姿勢が大切だと思いました。