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2015年4月から、クロスジョブ堺の卒業生Uさんがお勤めされている企業様です。
今回は、店長さんから、障害者雇用についてのお話を伺いました。
◆Uさん就職までの流れ
一般求人に応募をしても良いか問い合わせ。
見学→打ち合わせ→2週間の実習→面接→雇用、の流れになりました。
店長のT様は、2016年3月より難波店に配属されましたので、店長さんが来られたときにはUさんはすでにお勤めをされていました。
◆Uさんの業務内容
開店前の準備、清掃。
開店後はカート回収や設備整理。販促物の作成、園芸コーナーの水やりや手入れなど、幅広い業務に携わっておられます。
◆店長さんへのインタビュー
荒木(以下、A))配属される店舗で、障害者の方がいらっしゃるとわかったときは、どんなお気持ちでしたか?
T店長様(以下、T))前にいた店舗にもいらっしゃったので、特に何も思わなかったです。自分が就職をしたときにすでに障害をもっている方がおられたので、それが普通のことだと思っているところもありますね。
A)お勤めされている障害者の方について、どのような印象をお持ちですか?
T)与えられた仕事をきっちりしてくださっていると思います。他の人にもいい影響を与えていると思う。前の店舗では、10年以上勤められている人もいらっしゃった。本人さんの「働きたい」という意欲がとても大切だと感じています。Uさんも、きっちりと仕事をしてくれて手を抜くことはないですし、助かっています。
A)働き続けるために、ご本人の意欲が大切ということを伺いましたが、企業として、配慮や工夫をされていることはありますか?
T)正社員は配慮をしていると思うが、実際に一緒に仕事をしている従業員はあまり意識はしていないと思います。特別にUさんにだけ配慮をしているのではなく、チームとして、お互いがフォローしあいながら仕事を回している状況です。正社員や上司が、現場のスタッフの得意苦手を把握し、向いているところに配置する。現場はお互いが苦手なところをフォローしあいながら得意な作業に従事する。会社の人数が多いからできることかもしれませんが…。役割分担ですね。
A)チームの一員としてみんなで業務を遂行されているんですね。自然とその体制がとれるのが素晴らしいことだと感じました。でも、現場からは不満などの声はあがったりしませんか?
T)障害があるから、という理由の不満は挙がらないですね。従業員が80名いると色んな人がいるので確かに相談もありますが、なぜそうなっているのかを説明し、どう対応したらいいかを一緒に考えるようにしています。一人の人間として、相手から学ぶ姿勢は大切だと思います。障害の有無に関わらず、相手は自分にないものを持っていることが多いですからね。会社では、従業員は「同じ目標を目指す仲間」です。個人の能力よりも、同じ方向を向いてみんなで進めることを大事にしています。
A)みんなで同じ方向を向い目標達成を目指す、というのは企業として自然な考え方であるように感じます。ご本人さんにとっても、そのチームの一員として任せてもらえることが何よりのモチベーションになったり自己肯定感に繋がっているんですね。
A)今後、Uさんに期待することはありますか?
T)働き続けてもらいたいと思っています。人の入れ替わりというのは企業にとっては痛手になります。今いる人材で、安定して仕事に取り組めるのが1番。Uさんは、疲れたときにも、発信はしてくれているように感じますが、ストレスのコントロールをしつつ、打ち解けられる人を増やせたらいいのかな、と思っています。
A)今後、障害者雇用をしようか検討をされている事業所の方に何かメッセージがあればいただけますか?
T)人が多いとサポートしやすく、少ないと1人に多くのことを求めてしまうというのは確かにあると思います。ですが、慣れれば障害があってもきちんと仕事ができます。「一緒にする」→「一人でさせてみる」→「見守る」の流れを、長い目で見て取り組んでいけたら良いのではないかと思います。
A)その流れはご本人さんにとっても安心につながると思います。
T)極端な話、「本人を活かせるかどうかは企業次第」というところですし、その人にあった仕事を提供できるかは上司の責任ではないかとも思っています。
A)ありがとうございました。今たくさんのお話を伺い、企業としては「みんなと同じ方向を向いて目標を達成すること」を求めつつ、現場では「チームの一員として得意な分野で力を発揮し、苦手はお互いにフォローしあう関係性」を大切にされていることが伝わってきました。Uさんも、そのような環境が整っているからこそ、安心して1年半お仕事を続けてこられたのだと思います。私も、ご本人さんの今後の活躍を期待しています。
◆インタビューを振り返って・・・
合理的配慮、というキーワードを出したとき、「合理的配慮って何ですか?」という言葉が返ってきました。私は、「“合理的配慮”として意識はしなくても自然にご本人さんを受け入れ、チームの一員として期待をかけてもらえているのだ」と感じ、その返答がとても嬉しかったです。合理的って?配慮って?と難しく考えずに、ただ、ご本人さんの持つ力を認め、仕事を任せ、現場でサポートしあう、という店長さんの考え方にとても感銘を受けました。
人それぞれに必要な配慮の内容は違えど、ご本人さんにとっては「認めてもらえる」という安心感が一番成長に繋がっているように思います。支援でお仕事の様子を見せていただくと、店長さんだけでなく、従業員の方がみなさん笑顔で「Uさん」と声を掛けてくださったり、「ありがとう」「助かった」と伝えてくださいます。その笑顔があるからこそ、ご本人さんも自然体でお仕事に向き合えるのだと思います。
今後もUさんのご活躍に期待をしつつ、よりよいお付き合いをさせていただけたらと思います。貴重なお話を、ありがとうございました。