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 今回は「パートナー企業へのご訪問」第2回という事で、クロスジョブ利用者が日頃、職場実習をさせて頂いているA企業へご訪問し、「①働くとは ②実習生を受け入れることについて ③クロスジョブに対して」 と3つの項目についてインタビューをさせて頂きました。諸般の事情により企業名と担当者名をご公表出来ない事をご了承下さい。    クロスジョブ:障害者が「働く」ということについて貴社のご意見をお聞かせ頂けますか。 A企業: ノーマライゼーションの基になり、日常のノーマルなライフサイクルの一環で、幼少期から老年期までの中で就労という期間があって、子育て後や介護などをしながら働くというスタイルと同様に「障害があっても働く」という多様性の一つになれば良いと感じています。そして「やりがい、生きがい」を感じて年齢相応を生きることが大切であり、社会に出て働く事自体が福祉や納税に繋がると思います。  「雇用する側」として考えた時には、「Aさんを採用する時は100%の力を発揮してくれると信じて雇用する、Aさんは100%の力を出す努力をして100%の力を出す事が対価や雇用になる」と思います。 「障害者と一緒に働く」という視点では「自分の働きたいという意志があって働いている事が大前提である」と思います。また、「本人が100%力を出せる状態で出勤し、必要な配慮は企業が行い、その他は自助努力が必要で、それにより給料が貰えるという事で、周囲がモチベートして働ける状態は働ける状態が整っていない」と思います。  クロスジョブ:「実習生受け入れ企業」として思う事をお聞かせいただきたいのですが・・・。 A企業: 実習生受け入れで気をつけている点は、「本人の安全に気を配っている事、実習を実りあるものにする為に本人と支援者へのフィードバックをする事、本人が何を目的として実習に臨んでいるのかを常に忘れない事、あくまで実習場所の提供であって弊社への就職が出来るとか他企業を紹介するような事はしない事」などに気をつけています。 クロスジョブ:実習に臨むにあたって、大事なことはなんでしょうか。 A企業: まずは「本人が何を学びたいのか」という事を明確に持って実習に臨んで欲しいと思います。その気持ちに対してフィードバックを実施していきます。 クロスジョブ:本人の就職への意欲や期待に関してA企業実習前と実習後での変化の現れは、そのフィードバックにあるんですね。いつもありがとうございます。フィードバックによって利用者の方も実習前後で大きく変化しています。 例えば・・・ ・働くことの大変さ(体力がいる) ・通勤も仕事のうち ・8時間働く事が仕事だと気づいた点 ・挨拶やビジネスマナーの大切さ ・報告、連絡、相談、確認などの重要性 ・苦手な部分や新たな課題に気づけた点 ・良いところを評価され、働くことへの自信に繋がった点 ・検品作業は正確にできるが、検品条件の目安をもとに自己判断力を養う必要がある点 →自己判断力が求められる     などがありますが、それが就職に大きく繋がっています。  クロスジョブ:実習生受け入れをして良かったと感じる事はありますか。 A企業: 「良かったなぁ」とは毎日感じられるし、弊社としては業務の一環であるので感情移入はしないけど必ず初心に返る事ができ、働く事の意義を考えさせられる事が良いですね。本人や支援者と連携する事で障害に対して理解を深められる事や互いにwin‐winの関係を築ける事もとても良いことだと感じています。 クロスジョブ:今後のクロスジョブに向けてアドバイスを頂けますか。 A企業: 実習生の受け入れを通じて弊社の従業員が学ぶという目的も含まれているので、「障害や関わり方」などについてもっと教えて頂きたいです。 実習生受け入れは、実習にきた本人の就労に繋がる一助となる事が目標である為、クロスジョブからの実習生のように実習前から実習後にかけての目的が明確になっている事は有り難いです。その一方で、実習生を送り出すまでの過程などを他機関とも共有して、福祉の横の繋がりや連携を強化して欲しいと思います。それと並行して就労定着支援を継続して実施していける様な体制の構築があれば良いと思います。 クロスジョブ:横の繋がりや連携を強化していく事は、事業所見学や研修会などを通じて今後も力を入れていきたいと思います。就労定着に関しては、今まで以上にジョブコーチ利用やフォローアップを通じて体制強化を進めていきたいと思います。お忙しい中、貴重なご意見を頂き、本当にありがとうございます。 今後も利用者と共に実習に行く準備を整え、実習の目的を明確に持ち、企業実習に臨んでいきたいと思います。実習性と支援者である私達に企業実習の大切さをフィードバックして頂ければ有り難いです。今後もより一層の連携を宜しくお願いします。  ■インタビューを終えて・・・ このインタビューを通じて、企業での職場実習の在り方はもちろんの事、日々の就労支援の中で「働くとは」という事や「社会に出る」という事をどのように利用者と共有して共に実践していくのか、また就職がゴールではなくスタートという認識で長く働く為にどのような関わりを持っていくのかを改めて考える機会となりました。 フィードバックによって「企業で働くために自分がどこを頑張るのかを気づく」ことを持ち、その後の就職活動に大きく影響してくると感じています。  平成24年4月~平成26年1月末まででA企業へ実習に行かれた方64名中、36名が就職内定となっています。A企業での実習を通じて約56%の方が就職に繋がっています。