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皆さま、こんにちは! 利用者日記やスタッフ日記など、毎回たくさんの「いいね!」をありがとうございます。インターネットの世界は直接皆様と顔を合わせることは出来ませんが、お一人おひとりのワンクリックがとても励みになっております。支援者一同、より一層魅力的な情報を発信できるよう日々精進して参りますので、今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。 さて! 今回はクロスジョブ阿倍野、パートナー企業のご訪問第5弾です! 記念すべき第5回目は、大阪市東住吉区にある【社会福祉法人大阪市障害者福祉・スポーツ協会 大阪市長居障がい者スポーツセンター ラウンジゆにてぃ】様をご紹介させて頂きます。 NPO法人クロスジョブからは阿倍野事業所だけでなく、堺と梅田事業所からも実習生の受け入れをして頂いており、毎回利用者の方々の頑張りを現場目線で評価して頂いています。 今回は年間約50名の実習生を受け入れられ、実習生と一緒にお仕事をして下さっているI様とS様に「働く上で大切なこと」や「利用者の皆様へのエール」を伺うことが出来ました。 お二人の仕事に対する熱い思いをお伝えさせて頂きます。 ◇実習生の印象は・・・? クロスジョブ(以下、CJ)≫ 毎回クロスジョブからの実習生を受け入れて下さり、本当にありがとうございます。 3事業所から企業実習に参加させて頂いていますが、クロスジョブ実習生の印象についてお聞かせ下さい。 S様≫ クロスジョブの実習生は得手不得手をしっかり整理してから実習に参加してくれます。その方の実習で取り組む課題だけでなく、今までの訓練経過や背景までを支援者が伝えてくれますので、実習中はとっても接しやすいですね。 実習で課題をたくさん見つけた人が「就職が決まりました!」と報告をして下さった時はとても嬉しくなります。 CJ≫ お褒めの言葉、ありがとうございます! 企業実習に参加する前は、利用者の方とスタッフで面談を重ね、参加する目的や目標を明確にしています。より実りある実習になる様、企業との連携は重視させて頂いているため、今後も「なぜ実習に行くのか」「実習で何を頑張るのか」確認をしっかりとおこなっていきたいと思います。 ◇厨房のお仕事。働く上で大切なことは・・・? CJ≫ 利用者の皆さんは様々な職種を希望されて訓練に励まれています。 厨房や調理のお仕事を希望される方もたくさんいらっしゃいますが、厨房で働く際に大切なことは何でしょうか。 S様≫ 欠席や遅刻をしないこと、大きな声で挨拶が出来ること、清潔であること、衛生管理が出来ることが挙げられます。例えば、爪を切ること、髭を剃ること、手洗いをしっかり行うことも清潔や衛生面の中に含まれますね。 厨房は何よりお客様第一の現場なので、「お客様からお金を頂いている」という意識を持って楽しく仕事をする気持ち、そして元気よく「いらっしゃいませ!」、「ありがとうございました。またお越しください!」と挨拶が出来ることはとても大切なことだと思います  I様≫ 自分の体調管理をしっかり行うことも大切なポイントです。体調が悪い、体が痛い、気持ちがしんどかったり、何らかの不調があると上司の指示を正確に聞くことができないかもしれません。とりわけ、風邪をひいた時は調理の仕事に携わることも難しくなるので、「しんどい時はしんどい」と自分から発信する力が必要になると思います。 もし、体調が優れない時に何の発信もなければ、現場のスタッフは実習生の体調を把握する事が出来ません。しんどい時に無理に頑張って余計に体調を崩しては、元の調子に戻るまで倍の時間がかかってしまうこともあるので、「その日の調子に応じた働き方」をするためにも皆さんの今日の状態を教えて頂きたいですね。 とりわけ、気持ちのしんどさは目に見えません。指導者は実習生に対し隔たりなく接する事しかできないので、皆さんの方から今日の体調を教えて頂く事が出来れば安心感があります。ご本人が自分の状態を伝えることが出来なければ支援者の方が代弁してあげて下さい。私たちとしては、実習生に自己管理をしながら楽しく働いて頂きたいです  CJ≫  お客様の口に入るものを扱う上での、衛生管理の点はとても重要ですね。ラウンジ実習に参加する前は、身だしなみをきちんと整える練習をして頂く事もアセスメントの視点として取り入れていきたいと思います。  また、「心の健康管理」の部分は目に見えない点であるため、クロスジョブスタッフも一番注意を払っているポイントです。これから利用者の方が働く現場は、I様やS様のように障害のある方との関わる機会が豊富な方ばかりではありません。そのため、I様からもお話があった「自分から状況を発信していくこと」は長く安定して働いていくためにとても重要な点だと認識しています。利用者の方が安心して「しんどい時にしんどい」と言える経験を社会に出る前に積み重ねて頂きたいと思いました。 ◇“楽しく働く”ってどんなこと・・・? CJ≫ Iさんのお話にもSさんのお話にも「楽しく仕事をする」というワードが出てきました。 時間帯などによっては多忙な時もあると思いますが、厨房の仕事の楽しさとは何でしょうか。 S様≫ 厨房の仕事は、忙しければ忙しいほど連帯感が生まれ、楽しさが出てきます。それぞれが自分の出来る役割をこなし、みんなで仕事をやり切った時はとても嬉しい気持ちになりますね。チームで仕事をしていくので、スポーツ的な感覚もあるかもしれません。その日の営業が終了した後、「今日は○万円売上げました!」と結果が出た時は従業員だけでなく、実習生の方も一緒になって喜んだりしています。実習生の方でも一日の売り上げを気にして下さる方は多いですよ。 「忙しい=仕事がしんどい」とマイナスなイメージに終わるのではなく、「忙しい中でも全員で仕事をやり切った!」と感じて頂く事が出来れば、実習に参加した方にとっての自信にも繋がるのではないでしょうか。厨房の仕事は食器拭きから調理補助まで業務のレベルは幅広いですが、互いが互いをフォローし合いながら仕事をしています。 CJ≫ ただ単に仕事のスキルを身に付けるだけでなく、働いた経験を通じて自信をつけたり、働く楽しさを見つけることが出来た方は、実習終了後とてもイキイキとした様子で次の訓練に取り組まれています。I様やS様のように仕事に対する熱い思いを持たれた方と一緒に働く経験を積めることは、実習に参加された利用者の方の良い刺激になっていると感じました。実際に長居スポーツセンターのラウンジ実習を終えたことで「厨房業務で仕事が出来る!」と自信をつけられた方が、製菓系の厨房業務の就職を実現された実績もあります。 ◇“働くため”だけの実習ではない。 CJ≫ 多くの実習生の受け入れをされている中で、障害のある方と働く際に意識をしていることはありますか。 S様≫ 人それぞれ特徴や個性があるなと感じます。ラウンジ実習は、施設でもなければ企業でもない。あくまで「中間的な立場」で実習生の皆さんのことを応援しています。 ラウンジは職場なので仕事のことに焦点をおいて実習生と接していますが、「働く」ことだけにとらわれず、ご本人達が「生きやすくなる為のエッセンス」を見つけてもらいたいと思っています。働く経験を通じて、少しでも自分の出来ることを見つけ、自分のことを自分で考える時間を作ってもらえたら良いですね。 具体的に自分のことを言葉として評価してくれる場所は少ないので、指導者が感じたことを言葉で表現して、実習生の方に伝えることを意識しています。 CJ≫  冒頭でS様にも評価を頂きましたが、職場実習に参加する前には利用者の皆さんに「自分の得手不得手」を整理して頂いています。自分の苦手な部分、弱い部分を知って、他者に話すことは人によればとても大変な作業になるかもしれません。しかし、素直に「○○は苦手ですが、△△なら力を発揮出来ます!」と発想転換を行うことが出来れば、仕事や生活全体がより楽しくなり、自信をつけることにも繋がるのではないかと思いました。  クロスジョブは就労支援を行う事業所ですが、S様がお話をされていた「生きやすくなる為のエッセンス」を見つけるお手伝いという観点も持ちながら、利用者の皆さんと接していくことが大切だと勉強させて頂きました。 ◇指導者の方から皆さんへ・・・。 CJ≫ 最後になりますが、クロスジョブで日々訓練に励んでいる利用者の方にメッセージがあればお願い致します。 S様≫ 「あなたの味方はたくさん居てますよ」という事をお伝えしたいです。 保護者の方や支援者、友人などみんなが力になってくれる事を知ってもらいたいです。あなたの頑張りは誰かが必ず見てくれています。自分の心を開いて、殻に籠らず、「自分の弱みを見せられる人」を作って下さい。あなたが動けば、周りも動きます。みんな強いわけではないので、お互いが協力し合って生きていければ良いなと思いますね。 【企業インタビューを終えて】  約1時間にわたりI様とS様にインタビューをさせて頂きましたが、お二人の仕事に対する熱さと実習生に対する温かい思いやりに触れた素敵な時間となりました。  インタビューの中に「楽しく働く」というワードが出てきましたが、この言葉に躍動感が溢れているのは、I様やS様が毎日真摯に、いきいきと仕事に励まれている方だからだと思います。私自身も利用者の方の『上司役』である以上、働くためのスキルだけでなく、仕事を通じて見えてくる楽しさや自分自身の可能性に気付いて頂けるような支援を行って参りたいと考える機会になりました。  「企業実習はハードルが高そう…」と不安に思われる利用者の方もいらっしゃるかもしれませんが、実習生の「チャレンジしよう」という気持ちを応援してくれる会社はたくさんあります。クロスジョブのスタッフは皆さんの「味方」であることを心の片隅にでもいいので、置いて頂ければ幸いです。  最後になりましたが、I様、S様、この度は大変お忙しい中貴重なお時間を頂き誠にありがとうございました。今後とも実習生の受け入れ等でお世話になりますが、宜しくお願い致します。 ★クロスジョブからの実習生の作業風景。黙々と頑張って下さっています!             (インタビュー:砂川・宇田川)