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2018 クロスジョブ障害者雇用促進フォーラム 企業訪問 第2弾  1.まず、Iさんにインタビューさせていただきました 森實:クロスジョブの訓練で役に立ったこと、訓練して良かったことはありますか? Iさん(以下、敬称略):クロスジョブでは自分から話しかけることがありませんでした。もともと人と話すことが苦手でしたが、訓練を通じて話せるようになりました。いつまでも苦手なままではいられないので、クロスジョブの訓練に通う中で必要だと気付きました。 森實:雇用開始時はネジなどの金具をピッキングする作業に従事されていましたが、現在のお仕事内容を教えていただけますか? I:働き始めてから極端に変わることはなく、現在もピッキング作業をしています。 森實:クロスジョブでの訓練中は暑さが苦手だったり体調管理が苦手だったりすることがありましたが、現在はいかがでしょうか? I:3年も経ったら慣れてくるものですね。暑さで多少ボーっとしますが、対策しないと倒れてしまうと思うので水分補給などで対策しています。 森實:クロスジョブでは人見知りであまりお話しをされなかったイメージですが、この会社に就職されてから随分と変わられたと感じます。 I:根本的なところは変わりませんが、多少は話すことができるようになりました。人によりますが、上司や同僚は話しやすいです。 森實:就職して良かったことはありますか? I:以前は派遣の仕事で不安定でしたが、今は決まった仕事に就けて不安定さがなくなりました。気持ちの面にも経済面にも余裕が出てきました。 森實:池田金属工業株式会社様に就職して良かったことはありますか? I:周りの方の助けがあることです。助けてもらいながら働けることが良かったところです。 森實:就職して働き続けられる中で困ったことや悩んだことはありましたか? I:相談しなきゃいけないほど困ったことはありませんでした。 森實:困る前に解決できていたのですね。 I:そうですね。 森實:Iさんにとって配慮して下さる上司や同僚、そして取り組みやすい仕事など環境が合っていたのですね。働く中で辞めたいと思うような苦しいことはなかったですか? I:そうですね、ありませんでした。辞めたいと思ったことはありません。 森實:ここまでお話ししていても、しんどくなることなく働き続けられているIさんは訓練されていた頃から随分変わられたなと思います。 I:自分でもスルスルと話せるようになっていると感じます。3年間で一番変わったところだと思います。 森實:お話しできるようになったきっかけはありましたか? I:今でも自分で説明することなど、苦手なところはありますね。 森實:お話しできるようになったのは、周りの方が話しやすいことが影響していたのでしょうか? I:そうですね。 森實:周りから話しかけてくれるのでしょうか、それとも自分から声を掛けやすい雰囲気があるのでしょうか? I:両方あると思います。 森實:やりがいはどのようなところにありますか? I:言葉にすることが難しいです。前職より(クロスジョブを利用する前の職場)働きやすいのはあります。 森實:働きやすいと感じるのはどのようなところでしょうか? I:自分に合う時間で働くことができているところです。 森實:お仕事は合っていると思いますか? I:はい。 森實:楽しいですか? I:楽しいという表現は違いますが、1週間終えたらやりきった感はあります。   森實:これから頑張りたいことはありますか? I:新しい仕事が増えてもやっていけたらと思います。 森實:積極的に新しいお仕事が増えても頑張りたいと思えているのですね。 森實:現在クロスジョブの訓練を取り組まれている方に伝えたいことはありますか? I:長く続けていたら慣れていくと思います。自分も1年ぐらいで変わってきたなと感じます。 森實:最初はしんどいことがあったとしても、続けていれば慣れていくということでしょうか。 I:はい、長く続けていれば慣れていくことを伝えたいです。 森實:最後に会社に求めることはありますか? I:特にないです。目の前のことを毎日頑張りたいです。 2.次に藤井様にインタビューさせて頂きました 加津間:Iさんを採用した決め手を教えて下さい。 藤井様(以下、敬称略):健常者と障害者の違いはないと思います。言ったことをやってくれるので、仕事ができるなと感じました。 加津間:Iさんに対して配慮されている点はありますか? 藤井:後ろから声を掛けられるとびっくりするため、最初の頃は気を付けていました。 加津間:Iさんのお話の中で「話しやすい雰囲気がある」とお聞きしましたが、そのような雰囲気作りを心掛けておられるのでしょうか? 藤井:もともと周りの仲間が良かったのだと思います。3ヶ月ごとの面談では、挨拶を頑張ってやってみようと目標を立てて取り組むことを決めました。今は皆にできています。挨拶が話しやすい雰囲気作りのきっかけになっていると感じます。 加津間:生産性を上げるために工夫されていることを教えて下さい。 藤井:小箱の出荷と袋に入れたバラの出荷がありますが、バラの出荷は時間がかかるので、あらかじめ100個に詰めておき、すぐに取り出せるようにしています。Iさんにはこれを事前に作っていただいています。 加津間:できる業務が増えているとお聞きしましたが、業務を増やすタイミングはどのように決めていますか? 藤井:面談で確認しています。その都度、業務指示を行うスタッフよりIさんに指導していただき、無理なく進めるようにしています。 加津間:採用直後と現在とで、Iさんが変わったと感じられるところはありますか? 藤井:最初は勤務時間が17時まででした。今は大きな取引のあるお客様への出荷の用意を前日の夕方までに行わないといけないため、18時まで働いてくれています。 先程Iさんへの質問でやりがいについて話しがありましたが、当社では毎日理念などを記載した冊子の読み合わせをしており、自然とそこに書かれている内容から『お客様のため』ということを意識されているのだと思います。そのため、お客様のために勤務時間を伸ばして頑張られていて『やりきった感』も持てているのではないかと思います。 加津間:今後Iさんに期待することはありますか? 藤井:今は与えられた業務をそつなくこなしてくれているので、新しい業務にもチャレンジしていただきたいです。 加津間:できる業務が増えていくことは、モチベーションにも繋がってくるのではないかと思います。 藤井:Iさんはこうしてほしいとお願いすることはやって下さっています。 加津間:スキルアップできる環境が整っていることが働き続けるための秘訣になっているのでしょうか? I:私の場合はそうだと思います。 藤井:仕事よりも人間関係の方が大事のように思います。周りのメンバーがアドバイスやフォローしてくれることが、働き続けられていることに大きく繋がっているのだと思います。 加津間:先程Iさんは特に困ったことはないとお話しされていましたが、相談しやすくするための工夫はありますか? 藤井:週報を書いていただいており、その中で発信してもらえるので相談にこないなと感じる部分はないです。 加津間:今後、支援機関に求めることはありますか? 藤井:特にないです。訓練を終えて働きに来てくれている人が素晴らしいので大きく困ることはなく、ちょっとしたことしか支援機関には相談していません。   ~インタビューを終えて~ Iさんのお話の中で、Iさんが「自分でもスルスルと話せるようになっていると感じます」と笑顔でお話して下さったことが、とても印象的でした。上司や同僚とのコミュニケーションを通じて、働きながら更に自信をつけてこられたのだと感じました。また、Iさんから「できる業務が増えていくことは、働くモチベーションに繋がっている」とお聞きすることができました。これはIさんが働き続けるための秘訣であると考えました。 藤井様のお話では、定期的にある面談でご本人と目標設定を行いながら、ご本人の状況に合わせて成長できる環境を整えられていることを知ることができました。また、藤井様の「周りのメンバーがアドバイスやフォローしてくれることが、働き続けられていることに大きく繋がっていると思う」というご意見は、Iさんだけでなく、全ての従業員の働きやすさに繋がることであると考えました。 最後になりましたが、ご多用の中インタビューのご対応をいただきましたIさん、藤井様、本当にありがとうございました。 ≪インタビューにご参加いただいた皆様≫ ◇インタビュー対象者 池田金属工業株式会社 勤務 I さん 池田金属工業株式会社 経営管理部 物流チーム リーダー 藤井 信康 様 ◇インタビュアー クロスジョブ梅田 森實、加津間