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2018 クロスジョブ障害者雇用促進フォーラム 企業訪問  第4弾   9月30日(日)に開催する「2018年度クロスジョブ雇用促進フォーラム」企画として、3年勤続の皆様の職場をご訪問させて頂いています。今回は大同化工機工業株式会社で勤務されている丸亀さん、そして企業の皆様にインタビューを行いました。 丸亀さんは製造部門での組み立て、袋詰めなどのお仕事をされています。 働き続けるために必要な事は何のか、ご本人、そして企業の方にお話をうかがいました。   ◆企業様へのインタビュー Q,採用の決め手はなんでしょうか? 向様「採用する前に一度実習をしていただきました。その時の働きぶりを見て、できる方だと判断しました。またそれ以外にも、支援の方が付いて支援してくれていること、ご両親ともお会いし、しっかり話をした上で採用を決めました。」   Q,丸亀さんの最初の印象と今の印象の違いはありますか? 坂口様「最初は気持ちの変化が激しかったんですが、最近は安定しており、落ち着いています。初めと違って1つの仕事を任すのではなく、ある程度複数の作業をこなしています。そこは成長を感じるところです。どういう接し方をしたらいいのか悩む時もあり、そんな時はクロスジョブに相談していましたが、丸亀さんと関わっていくうちに、気にしなくていいようになりました。責任持ってやってくれていると感じます。人として成長していると感じます。」   Q,現在の業務内容はどのようなものですか? 坂口様「袋詰めやドライバーを使用した製造作業です。事務的な印鑑を押す作業も苦なくしてくれています。言い方はあまりよくないですが、一般の方となんら変わりはないです。」   Q,本人に合わせた指示を出しているのですか? 坂口様「はい。初めから色々な作業をしてもらっていたわけではなく、段階を追って、様々な仕事ができるように指示を出しています。」   Q,3年間の中で困ったことや大変なことはありましたか? 坂口様「一度仕事中にてんかんの発作で倒れたことがありました。意識がなく、どういう対応をしたらいいのか分からなかったです。そういった経験が今までもなかったので困りました。その時は支援機関の方に連絡を取り、対応させてもらいました。そこから1年間、発作は起こっていません。身体も強くなっていると思います。発作が起きた時に倒れないように、丸亀さん用に作成した椅子を現在も使っています。」   Q,配慮していることは? 坂口様「複数の情報が行き交う場面は苦手だと聞いているので、合同の朝礼等、長時間行うときは外してもらうようにして、後から要点をお伝えしています。現場にも溶け込んでいますよ。複数の指示が苦手なので、その点は現在も継続して配慮しています。自立して仕事に来ているので必要以上に構わないように、一般の方と同じように接しています。新しいことの習得能力も高いですよ。」   Q,丸亀さんの成長を温かく見守ってくれていますが、今後の期待は? 坂口様「今のまま継続してもらいたいと思っています。スキルの向上ができれば、よりいいですね。丸亀くん以外の方も受け入れていきたい思っています。」 辻浦様「一般どうこうではなく、人間として当たり前のことができていないことに、丸亀さんから気付かされたこともありました。ありがたいと思います。」 坂口様「彼は、はっきり言ってくれるので分かりやすいです。素直ですね。」   Q,障害者雇用への想いは? 向様「躊躇っていても何も始まりません。もちろん、きれいごとだけでなく、雇用していくことは大変なことも多いです。でも雇ってみないと何も始まらないと常に思っています。親は先にいなくなってしまうので、仕事をして自立できるように、力になりたいと思います。」   ◆丸亀さんへのインタビュー Q,訓練で役に立ったことは何ですか? 丸亀さん「パーツでしていたことが役に立っていると思います。袋詰めが今の仕事もあります。」   Q,訓練で苦手だったことは何ですか? 丸亀さん「社会生活のグループワークや面談が苦手でした。」   Q,通勤時間は? 丸亀さん「およそ1時間くらいです。もう慣れました。渋滞に巻き込まれたり、事故があると困ります。」   Q,働いてよかったことは? 丸亀さん「全体会の参加は苦手です。」 坂口様「入社当初はなかったのですが、2年前から経営報告会が始まりました。ホテルで約300人が集まります。」   Q,やりやすい作業はどんな作業ですか? 丸亀さん「シーラーの作業です。」   Q,大変な作業はどんな作業ですか? 丸亀さん「全部同じです。」 坂口様「同じくらい一生懸命やっているから、全て大変なんだと思います。」   Q,お給料は何に使っているのですか? 丸亀さん「主に外出するときの交通費です。カードを買いに行ったり、月に1回卓球に行ったり、和歌山に行ったりします。」   Q,これから頑張りたいことは何ですか? 丸亀さん「変わらずです。」   ◆インタビューを終えて 今回、お話を伺い、社員の方がとても温かい目で見守っていただいていることを感じました。就職した始めの頃と違って、今は仕事ができるようになり、自立して働くことができているそうですが、会社では働きやすいように具体的な配慮をしてくださっています。例えば、大人数での話し合いや会話することが苦手なので、大人数でする朝礼は参加しないでよいことにしてくださっています。また、「あまり話しかけられたくない方なので、挨拶程度にして見守ってます」と距離感も考えてくださっていました。自立するに従って、接し方が変わってきたそうで、今は障害を持たれている方としてより、他の方と同じように一社員として見てくださっているとのことでした。仕事に定着できてくると支援者だけでなく、上司の方との関係性も変わってくるということも学びになりました。 作業中の様子も拝見させていただきましたが、とても手際よく、電動ドライバーでネジを止めておられました。始めの頃に比べてずいぶん速いスピードで作業ができるようになったとのことです。様子を拝見し、伺ったお話の通り、落ち着いて作業されていて、職場環境や作業内容がご本人にしっかりと合っているお仕事だと感じました。マッチングの大切さを感じることができとても有意義でした。 向様、辻浦様、坂口様、お忙しい中ご対応いただきありがとうございました。     ≪インタビューにご参加いただいた皆様≫ ◇インタビュー対象者 大同化工機工業株式会社 勤務 丸亀 博之 様(就職者) 大同化工機工業株式会社 総務経理部 課長 向 雄一 様 大同化工機工業株式会社 製造部 次長 坂口 巌 様 大同化工機工業株式会社 工場長 辻浦 勇治 様 ◇インタビュアー クロスジョブ鳳 角家、ハムリン クロスジョブ堺 今村