https://crossjob.or.jp/map/
https://crossjob.or.jp/link
2018 クロスジョブ障害者雇用促進フォーラム 企業訪問 第7弾
~インタビューさせていただきました~
インタビュイー:店長 松井様(M)、3年継続表彰者 K様(K)
インタビュア:クロスジョブスタッフ(S)
以下、称略して(M)(K)(S)として表記いたします。
■お仕事内容を教えてください
K:掃除がメインで、データ入力業務(お客様が一時間に何人きてどれくらい買い物したか)
を少ししています。
M:データ入力をKさんにやっていただいて、分析に役立てています。
S:仕事の幅はどのように増やしていかれたのですか?
M:Kさんがパソコンに興味があるということで、業務の幅を広げていけたらと思い、作業をしてもらっています。
S:そういった業務は働いている中でKさんとの会話の中で出てくるものですか?それとも何かお話をされるきっかけがあったのでしょうか?
M:毎月ミーティングで支援機関を含め本人と面談をしています。Kさんは細かいところが少し苦手ですけど、パソコン強いと聞いたのでならやってもらおうとなりました。
S:支援機関と密に連絡をとっていただいて、面談といった形を取っているのですね。月一回で面談をされているのですか?
M:はい。(忙しい期間でも2ヶ月に1回)
S:Kさんはその面談をどのように活用されていますか?
K:病状として調子の変化もあります。そのため、記録したり病院で伝えるために使えるようにしています。
■継続の秘訣や、意識してきた事は?
K:メリハリをつけるところですかね。仕事は仕事だし、プライベートはプライベートって。
M:Kさんとは二年ぐらい(異動があるため)ですが、Kさんから皆とコミュニケーションを取ってくれているのがいいな、という風に思います。
自分の考えや、皆から言われた事を素直にやっているところが、いいのではないかと僕自身は思います。
■配慮している点や、手帳をお持ちの方へ気をつけている部分などはありますか?
M:今は、お掃除を頑張ってもらっていて、僕らもそれをサポートするといった形にしているので、障害者だからというのはなく、適材適所という考えが基にあります。
苦手なところは別のスタッフが対応することはありますが、特に障害者だからという事は考えていないですね。
K:こっちもあまりそういう風には感じていないです。
S:Kさんだから配慮している部分はありますか?
M:伝え方のところで、メモを取らずにいると、忘れてしまう。それと、集中しちゃって視野が狭くなるときがあるので、そういう時は声かけをしています。
特にKさんだからということではないかもしれないですけどね。体の調子が今日悪いかなとか、という時は声かけしていますし、皆もしてくれているようです。
S:身体の体調によって動きに波があることもあったかと思いますが、お仕事をされる上で困った事などはありますか?
K:調子の波があるかな、とは思います。今の時期は脱水などで余計に対処できる用意とかは自分でしたりして仕事に来ています。
S:お仕事に影響は?
M:体を動かす作業なので、僕らから見ていると、今日大丈夫?と思うことやパフォーマンスが落ちている時はあります。それが、給料を支払うに値しないか、というとそうじゃないです。そこは、できるだけ頑張ってやってほしいと言うのはありますけど、体調が悪くても最低限はクリアできていると思います。ぎりぎりですけどね(笑)
K:(笑)
S:一緒に働かれている方から見て、しんどそうだなと感じるのですか?それとも、Kさんがしんどい事をお伝えするのでしょうか?
M:Kさんはあまり自分からは言わないですね。
K:自分でも、ちょっとしんどいなと思うときは先に対処はしたいので。
M:僕から聞くと、「今日、実はしんどいです」みたいなケースが多いです。ちょっとしんどいという時も、お聞きするとその事は言ってくれます。
毎日記録はつけているので、しんどさがある日は3分の1ぐらいですかね。
■長く働かれて、周りの方の反応などは何かありますか?
K:特に意識した事はなかったです。あまりそんなに無いような気もします。
M:僕も障害者の方と働く事があまりなかったので、イメージのベースはKさんになっているのですが、やっぱり難しいですよね?長く働く事って。
S:若い方達が2~3年おきに転職したりしている中で、3年以上、自分の体調を見極めながら働かれているというのは、本当にすごいことなのかなと捉えています。Kさんのように、それが当たり前っていう方ももちろんいらっしゃいます。
M:Kさんも普通にお仕事っていう風にとらえていて、Kさんにとって来ることが大変な事だというのも僕らに感じさせない、Kさんの頑張りがあるのかなと思っています。
K:仕事に来て、やることをやって、そういう認識でしかやってないです。
M:Kさんは、心が強いところがあるので。他の方が真似できるかと言うとそうではないかもしれないです。それがすごくいいところですね。
S:先ほどのお話の中で、これまで障害の方と働かれた経験があまりないとのことですが、以前のイメージと今のイメージは違いますか?
M:努力したらなおるとか改善されるという訳ではなく、それを受け入れてどういう風にコミュニケーションを取っていけばいいのか?を考えていくという所に、最初は戸惑いを感じました。
S:そこをどのように対応されたのですか?
M:店舗内で1週間に1回のミーティングで話をして、第3者や僕を加えて話をして、コミュニケーションも取れるようになったのかなと思います。
S:ハートフルのスタッフだけではなく、店長や他の店舗の働かれる方々の意見なども取り入れてこられたんですね。
■これから働かれる方に対してアドバイスをいただきたいです。
K:最初は緊張すると思うのですけど、慣れていけば少しずつできると思います。
疲れたりする事はあると思います。でも、細かいところとかは忘れておいた方が・・・(笑)余計そういう所は、ストレスになったりすると思います。
M:気にしないという所が難しかったりするのですけどね。
■企業様目線から、これから働かれる方々にこういう所も意識してもらえれば一緒にやっていきやすい、というアドバイスがあれば、教えてください。
M:私はこういう人だっていう特徴っていう所を、教えていただければと思います。
こういう障害があって・・・、というのが実際紙に書かれてあっても、それがどうい風に仕事に影響するのか?が分からないので、このぐらいがこの人の標準だ、というのは実際に一緒に働かないと分からないと思います。
Kさんは、今回は3年で表彰頂くことになりましたが、これから5年、10年と働いていく上で、限界があるところと可能性があるところを一緒に考えて行けたらいいなと思います。それを考えて、次のステップに進むためのトレーニングが提供できているかというと、そういった時間も設けにくい部分がありますね。
お店としてはとても助かってはいるのですが。ステップアップの部分では、ご本人が本心で語れなかったりするので、そういう所を支援機関に代弁していただいたり、説明してもらえば、僕らも出来ることは何かなと考える事ができるので、そういうのがあったら嬉しいなと思います。
S:私たちも働く上で未来のビジョンがあるから頑張りたいというのと、上司の方もこうなってくれたら嬉しいというのもありますね。Kさんは将来的にどんなビジョンを持っていますか?
K:他の人と同じようにしたいと思っています。
M:それがどういうことかって具体的に言うと?
K:接客ですね。
M:現在は『接客』となるとまだ難しいかなと考えています。他の方で訓練して出来るようになる方が結構いらっしゃるのですか?
S:「担当の人呼びます」との案内や店舗の人に教えていただいたりして接客している人もいます。慣れてくれば、商品を覚えていらっしゃって、それをご案内されるという方もいらっしゃいます。
M:そうやって教えていただくと、接客って案内でもいいのだ、それはクリアできているなと思えますので、こういう話も聞かせてくれればありがたいです。
S:接客っていうのも色々な種類があって、「いらっしゃいませ」と言うのが接客だったり、笑顔で会釈するのが接客だったり、基準も店舗にあると思うので、そういったラインにKさんも近づければ、双方共に良い結果がでるかもしれないですね。
■お仕事を続ける中で、Kさんが自信を持たれている部分とか、これは出来ると感じることは何ですか?
K:毎日やっているので、汚れが何処にたまりやすいか、汚れてるか汚れてないかの見分けとかは出来るようになってきたのじゃないかなと思います。
■障害者雇用を踏みとどまっている企業様に、障害のある方と働くとはこういう事です、というアドバイスを教えて頂いてもよろしいですか?
また、Kさんからは、長く働いてこられた結果を踏まえて、こうしてくれたから良かった、こうして欲しいということがあれば教えてください。
K:こうして欲しいというのが、今はパッと思いつかないのですけど、障害者手帳を持っていないけど、難病の医療証で雇用してもらえたのが良かったかなという風には思います。
(Kさんは難病の医療証はお持ちですが、障害者手帳は対象外のためお持ちではありません)
S:手帳の有無に関係なく、障害を持っていても一緒に働きたいということで採用の通知をいただきましたね
K:そう思ったら難病の人なんかもやっぱり、そういう門戸があるというのも知ってもらえたらいいのかなという風に思います。
M:Kさんもそうですし、接する事で勉強になることがある。一緒にやることで皆が優しくなれたらというのはありますし、自分の人生においてプラスだと思います。当店の場合は、Kさんの人柄によるところもあるかもしれません。
■スタッフ感想
【出原】
障害だから、ではなく、「Kさんだから」と言ってくれることは、働く上でそういう風に見てくれるのは嬉しい事だと思いました。また、常に笑顔でこういう風に上司の方と話し合えるという環境もすごく少ないと思いますし、とても楽しく聞かせていただきました。
「いや~、特にこれといってなにもしてないですよね」と言いつつ、ご本人と顔を見合わせて笑い合い相談しながら返答いただける様子をみていると 普段からのこのコミュニケーションが仕事に反映され、ご本人も安心して働きるづけられる要因の一つかなと感じました。
もちろんいろいろな見解があり、その人にあった接し方はあるかとは思いますが、その中でも こうやって「ふつう」に笑い合える関係はとてもすてきだと思います。 「ふつう」「当たり前」就職の現場では使われやすい言葉かもしれませんが、本人・企業・支援側それぞれが考える内容はちがうと思うので それぞれがもとめるものを丁寧に聞き取っていけたらと思いました。
【皆木】
今回のインタビューを通して、周りの皆様の温かいサポートやご本人の人柄、そしてインタビュー中でもお見受けした、笑顔で話し合える関係など、その一つ一つが長く働き続けられる環境を作り上げているように思いました。
また、ステップアップの部分でのお話をしていただいた際には、ご本人が本心では語りにくいことを踏まえて、支援機関との連携を通してこれからのことについても深く考えてくださっていると感じました。この方はこのような障害をお持ちの方、と紙に書いている情報だけでなく、その人自身の個性、長所、苦手な事をお伝えしていくのが、私達支援者の役目であることを再確認させていただきました。
≪インタビューにご参加いただいた皆様≫
◇インタビュー対象者
株式会社 良品計画 無印良品ららぽーと和泉店 店長 松井様 3年継続表彰 K様
◇インタビュアー
クロスジョブ阿倍野 出原、クロスジョブ堺 皆木
なお、前年度もインタビューさせていただきました
クロスジョブ阿部野トップページ新着情報より、2017年8月30日 “雇用促進フォーラム 企業インタビュー2017 株式会社良品計画 無印良品 様”の記事も併せてご覧くださいませ。