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2018 クロスジョブ雇用促進フォーラム 企業訪問第21弾
クロスジョブから現在2名就職されている、YSB株式会社にインタビューに伺いました。
工場が台風21号の事後処理でお忙しいところ、製造部係長 村田成一様にご対応頂きました。
1、雇用のきっかけについて
クロスジョブスタッフ(以下、CJと表記): クロスジョブから就職されたお1人目の方は、御社で初めての障害者雇用だったのでしょうか?
村田様(以下、敬称略、Mと表記): まずYSB株式会社ですが、防災機器大手メーカーのヤマトプロテック大阪工場にて、製造部門を請負っています。障害者雇用について、YSBとしては初めてです。2012年の合併でYSB株式会社となって従業員数が増えました。それで雇用率の話が出て、当時のYSB副社長が、元々ヤマトプロテックのほうでつながりがあった就業・生活支援センターと連絡を取りました。その後、私が引き継いで試行錯誤しているうちにクロスジョブとつながりました。
当初、女性の雇用は考えていなかったので、うちの仕事の中で何が出来るだろうと思いましたが、とにかく会わないと始まらないと思い、実習、雇用に至りました。
2、業務の切り出しについて
CJ:業務の切り出しは大分考えていただいたのですか?
M:外注作業を工場作業に戻すという話があがった時だったので、その中から業務を洗い出しました。外注をやめたので品目が増えましたが、同じ品目がずっと続くわけではないので、組合せでは悩みました。
3、現場での取り組み
CJ:今、雇用いただいているお二人とも、環境やツールの作成などでご配慮いただいていますが、受け入れるにあたって考えられていた点はありますか?
M:如何に怪我をさせないか、ですね。通勤ではトラックが通る大きな道を渡ったり、作業場にもリフトが行きかっていたりするので、端を通るように、走らないようにはくり返し伝えました。それでもどこまで伝わっているかが分からないので、しばらくは後ろ姿を見送って確認したりもしました。
作業で気をつけた点ですが、うちの商品は人の命や財産を守るためのものなので、国の検定に受かって初めて商品になります。そこでのミスは許されないので、部品不足などを如何に防ぐかというのは、やりながらずっと考えて来た点です。早め早めに治具を用意して対処してきたつもりです。
CJ:当初は部品が多く入れ忘れもありましたが、早いうちからシートを作って継続的に声かけをして下さっていることで本人さんたちも意識が続いているように思います。
M:どんな作業でも、健常者でも初めの頃は入れ忘れが起こりやすいのです。忘れたらこうなる、と伝えるのは苦労しましたし、今でも課題です。
CJ:入れ忘れたら次の人が困る、など、色々な方法で伝えていただけていたように思います。
CJ:周りの方々への理解、周知はどのようにされましたか?
M:そういう方が作業されるという程度です。1人2人、理解いただけた方がおられたのが上手く行った要因かもしれません。
CJ:キーパーソンの方は特に、どうしたら上手くいくかを考えながら、ご本人の特性にそって接して下さっています。人選などで工夫された点はありましたか?
M:現場の責任者は、例え障害があっても現場を上手く回してなんぼ、という意識があったと思います。こちらから敢えて、面倒見てあげて、とは言っていないので、普通の作業者を雇った感じです。みんな普通に話しかけていましたし、特別というのはなかったです。
CJ:ナチュラルな受け入れだったのですね。
生産性について、周囲の声はありませんでしたか?
M:ないです。元々、この時間にいくつ仕上げる、というのもありませんでした。やっているうちに数はついてきますから。
やりがいを持ってもらわないと雇用した面白みがないですね。親御さんから、楽しく行っていますと言われたら嬉しいですし。障害者雇用、という風にはあまり捉えていません。健常者と違うのはもちろん分かっていますが、身構えはありません。
CJ:ご本人の様子がいつもと違うようなときもあったかと思いますが、そんな時はどう対応されましたか?
M:そういうこともあるのだなと、いい経験やと思って、刺激しにくい環境にしたり、本人の様子を見て、短時間に戻したりしました。現場の空気を考えてすぐに動きましたが、特に障害がある方だからと意識してやったわけではありません。
こちらにも雇用した責任もあるので、それは会社がやるべき問題だと思いました。
4、今後の展望について
M:今は環境的に難しいですが、いずれ時間があれば何かを作って欲しいです。物作りは楽しいと思ってもらわないとこちらも雇用した甲斐がないですから。
誰でも、手先が器用だとか、何か得意なところがあります。日々接しないと、そういう良いところを見逃してしまうので、まめに声をかけるようにはしています。
◆インタビューを終えて
村田さまのお話の中で強く感じたのは、障害者雇用へのハードルの低さでした。
健常者との違いを押さえられた上で、身構えることなく一緒に働き、何かあった際にも会社の問題として対処する、その自然な雇用関係がとても魅力的でした。
やりがいをもって欲しい、物作りの楽しさを知ってほしい。その様なお気持ちを持って雇用してくださるということが大変嬉しかったです。
《インタビューにお答え下さった方》
・YSB株式会社 製造部 係長 村田 成一 様
《インタビュアー》
・クロスジョブ 鳳 角家
・クロスジョブ 阿倍野 長谷
・クロスジョブ 阿倍野 杉原