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新型コロナウイルスの感染によって、世界中が混迷を深めているが、インターネットを介して各国の動向を見ることができ、国の在り方、国のリーダーの役割が、これほど人々の生活に大きな影響を与えることを国民一人一人が感じる機会に遭遇したことはなかったと感じている日々である。
東京オリンピック、中国習近平国家主席来日を前に、初動対応が欧米と比較して2カ月遅れ、「医療崩壊」の名のもとに、そもそも一貫してコストカットされて続けてきた医療現場の現実に目をふさぎ、「37.5度以上4日間自宅待機」を国民に強い、その結果生まれた悲惨な事例を前に、厚生労働大臣が、謝罪でなく国民の「誤解」であると発言、本当に悲しく、怒りと感じた福祉関係者は僕だけではないはずだ。
さらには、緊急事態宣言を発令し、自宅待機、補償なしの休業を強い、今度は、宣言解除を前に、「新しい生活様式」なるものを示し、ウイルスとの共生を言い始めている。アベノミックスによって広がった格差は、さらにこの数カ月で「底なしの状況」へと一気に拡大し、どれだけの国民が、この「新しい生活様式」に変われるのか、聞きたい。むしろ、こうした「新しい生活様式」では生きることができない方々をこの間の施策が生み出しているといわざる負えない。いつまで、国民の側に負担を押し続けるのか。
しかし、本日から、国の諮問委員会に、新たに経済専門家として参加された小林慶一郎氏(慶応大学教授、東京財団政策研研究所)は、「思考のパラダイムを変える必要がある、検査は何のためにするのか、社会の安定のためにやる、社会の安定のためとは消費者や企業が、市中においての感染リスクを低いんだと確信を得る、そのためにやる」とNHKのインタビューで明快に話されていた。さらに小林氏は、「今後2年今の自粛をつづけたとする経済損失は100兆円、一方医療従事者を10万人増やした場合は2兆円」、まさに、いつでも最寄りの病院にて検査が受けることができ、初期対応で収まる等の地域医療体制の強化こそが喫緊の課題である。
自粛によって、失業や廃業が拡がり、格差は底なしの拡大、感染者、そしてその家族への差別、県外者への差別、そして何より、私たちが支援させていただいている方々をより困難に追いやっていくものである。クロスジョブは、自粛の継続拡大でなく医療体制の整備を求めるものである。本日より政府の諮問委員会にかかわっていただいた小林氏のような経済専門家の方々の活躍に期待したい。クロスジョブも、来週から、スタッフの在宅勤務を終了し、感染防止対策をさらに強化しつつ、働き続けることができる地域社会を拡げていくために、利用者の皆様と共に、一層頑張っていきたい。