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2011年1月に追突交通事故に遭いました。あれから10年、沢山のことがあり、やっと2021年の新年度から、短時間の仕事が出来ることになりました。    事故に遭ったばかりの頃の私には、社会の中で生きていく事がこんなにも難しくなってしまうとは、全く思いませんでした。全てを語る(書く)には、時間と尺が足りませんのでかなり省略しますが、頑張って短くまとめると、2011年1月の事故以来、それまでの人生で得てきたと認識していた事と人生設計の何もかもが大きく変わる事態となり、今に至ります。具体的に変化した事は、中途障がい者になり生活に困難がある事、今迄何も考えずに簡単に出来ていた事が難しくなった事、死生感、人生観、人間関係とそれに関連した感情、価値観、住む地域、自動車保険制度・行政の制度の在り方と、それに対する信頼度などです。    クロスジョブを利用してから就職までの日々を振り返ります。クロスジョブへ辿り着くまでの様々な...それはそれは様々な事が重なり、事業所やスタッフへ不信感を抱えた状態のまま、2020年5月の連休明けからのスタートでした。事故後の信じられない体験の数々から、本当にホームページに記載されている内容の支援をしてくれるのか,  事業所の本心は、利用者の就職なんてどうでも良くて利用料のみが目的ではないか,  障がいに無知なスタッフが関わり、嫌な思いが増えて不信感が強くなるだけではないだろうかなどの思いを抱えていました。通所し始めて間もない頃は、記録が事業所側の都合の良いように書き変えられていないかチェックしているという有り様でした。しかし、利用が始まると、個々に応じた毎日のプログラム予定を書面にて頂き、やるべき事が明確でした。また、プログラム毎にその日の担当スタッフとの振り返りがあり、記録も読ませてもらいました。更に約1週間毎に担当スタッフとの振り返りの時間があり、わからないところは丁寧な説明がありました。何の包み隠しもなくありのままが記録されており、プログラムの目的が明確で、今後の見通しについての口頭説明や書面化をして頂くなど、スタッフが就職に向けた日々の通所訓練に、誠実に対応して下さるのが解ってきたので、だんだんと不信感が薄れていきました。担当スタッフとの面談の中で、長期目標、それを達成する為の短期目標を決めていきました。経過とともに達成されると新しい目標へ変化していきます。一歩ずつ進んでいる感じがしました。訓練が進むにつれて、訓練の中で得た気付きを少しずつサポートブック(自身の得意・不得意、工夫や対策、配慮して頂きたい事などを整理したもの)にまとめていき自己理解を深めました。自身の等身大を知る事により、先方(会社)に伝える事が出来ます。また、障がいに合った適切な業務内容や就業時間の選択が可能になります。私の場合、就業時間は、通所訓練の活動時間で、脳も体も疲労度が強いので、現時点では短時間が合っていると判断しました。しかし、業務内容では、大きく2つの選択に迷っていました。1つ目は、資格を活かした仕事に挑戦したい気持ちと、2つ目は、持続可能な業務内容を探した方が良いかもしれない気持ちです。これを担当スタッフへ伝え、アドバイスを頂きながら同時に目指していきました。1日も早い就職を希望していた私は、割と早い時期から暇さえあれば求人情報を閲覧し、気になる求人があれば、すぐに担当スタッフへ報告・相談していきました。   そんなある日、気になる求人の業務内容に似ている企業実習の話が舞い込んできて、企業見学、実習予定と話が進みました。そして、同じ頃に資格を活かした業務の企業見学もありました。いきなり資格を活かした業務は難しいけれど、補助的な内容からの実習は受け入れ可能との話になりました。有難く、嬉しかったのですが、今の私には、実習前の学習の段階で、どう進めていけばいいのかが難しく、とても負担に感じました。現実を突きつけられ、能力が落ちてしまったこと、そして、今まで精一杯のリハビリを続けてきたけれど、現時点では、それが私の等身大である事を認めました。その当時は、予てより目指していた資格を活かした仕事が難しいと解り、悲しさなどのマイナスな感情もありましたが、今となっては、行動を起こしての結果なので悔いはありません。初めから資格を活かした仕事は難しいと決め付けず、選択肢に入れて企業見学の日程調整、同行、その後のフォローをして下さった担当スタッフに感謝しています。こうして、持続可能な業務内容を探す選択に絞られました。2020年9月1日から2週間、企業実習をさせていただきました。業務内容は、社内清掃です。特に無理なく実習が終わり、高評価を頂きました。面接へと進み、同年の10月1日からトライアル雇用へと進みました。労働環境について時間をかけて知りたかったので、出来る限り長めのトライアルを希望しました。1ヵ月が経過するごとに面談のお時間を頂きました。困った事がありましたが、クロスジョブへの日々の報告・連絡・相談と、企業の上司への報告・連絡・相談にて、働く環境や体制を調整して頂き、おかげさまで今は解決しています。とても働きやすい職場環境です。他の企業でも挑戦した方が良いのではないかと迷う日もありましたが、トライアル雇用のおかげで、特に心配していた労働環境を知ることが出来て、不安要因が払拭されました。会社と雇用継続の意向が一致したので、新年度からも働けるようになりました。今の私には勿体無い程の、この上ない素晴らしい企業に就職が叶ったと思っています。   10年経った今でも事故の後遺症は続いており治療が必要な体です。中途障がい者になっていますが後遺症認定は非該当となり、自腹で治療費を払わないといけません。体調が不安定になり易い課題などに注意しながら、新年度からの日々も、新たな目標へ向けて過ごしていきたいです。    トライアル雇用中に経験した、印象深い出来事と気付きをご紹介します。中途障がい者となり、様々な体験から、実習先でも見下されたり、偏見を受けるのではないかという予期不安がありました。トライアル雇用の序盤は、資格を活かした仕事が出来ない虚しさ、無力感もありました。そのような考えでいっぱいになっている時は、挨拶しても返事がない事がありました。でも、人生を楽しむ努力を続けてきた日々を思い出しました。以前、少しだけ読む機会があった仏教の本の一部分の教えを思い出しながら、掃き掃除をする時は『心の塵を掃いている』、拭き掃除をする時は『心の汚れを拭いて魂を磨いている』と思いながら仕事をさせて頂きました。目の前に仕事があることに感謝をしながら挨拶をしたある日、自然に心地良い挨拶が返ってきました。そこで気付きました。原因は私にあったのです。感謝を忘れている時は、表情も声も活気が無く相手に伝わらなかったのでしょう。その気付きから悩みが軽くなりました。中途障がい者というのも、所詮は人間が決めた概念であって、私の魂は何も障がいを受けていない。会社以外の場でも、障がいの有無で人間の価値は決まらないのだから、差別・偏見する人なんか相手にしなくていい。そんなことで足を止めるより、今の目標を達成することや、いかに人生を充実させるにはどうしたらいいかに集中しようと、心持ちに変化が起こりました。それから、話はさかのぼりますが、中途障がい者になった現実が耐え難く、苦痛で、重荷に感じていた私は、少しでもその苦しみが軽くならないだろうかと、"私の苦痛を解って欲しい"思いがとても強くありました。でも、この変化のおかげで、まず、今の状況をどのように解釈して生きるかは私の問題だし、どんなふうに伝えても解らない人には伝わらないのだから、求めることにエネルギーを費やすのは辞めようと、吹っ切れました。この気付きと心持ちの変化は、これからもきっと、生きる力の一つとなるでしょう。    通所し始めた頃は、不信感が強かったので、スタッフの皆様にとっては、関わり難い利用者だったと思います。今迄、所長を始めスタッフ皆様、気さくにお話してくださった利用者の皆様方、有難うございます。何より、クロスジョブ阿倍野・所長の熱いパッションのおかげで不信感という氷の塊が溶けていったように思います。    コロナ禍の真っ只中に、企業見学、実習、就職へと繋がった事に感謝しています。もっと早く訓練を始めたかったと焦っていた日々もありましたが、この上ない素晴らしい企業に就職が叶ったと思えた事で、絶妙なタイミングでの利用開始だったのだとプラスに受け止められました。最大限の努力を以てしても何一つ好転しなかったあの頃、絶望して、『こんなに生きることが大変で辛くなるなら、あの事故で死んでいたら良かったのに...』と嘆いた日も沢山ありました。事故後の様々な困難を1つ乗り越えた今、確信しているのは、嫌な出来事も、心持ちでマイナスにもプラスにも成る事です。プラスの心持ちに変えるきっかけとなった数々の出会いに "ありがとう" の気持ちでいっぱいです。