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こちらからは、お初にお目にかかります。現在クロスジョブ米子を利用させて頂いております、二十代女性のSという者です。
先日面接を受けまして、正式に採用通知を受けました。ただ今回の再就職は、面接までの経緯があまりに気恥ずかしい内容となってしまったので、代わりに私の自己紹介と就職活動に至るまでの道のりについてご説明したいと思います。
あまり明るい話ではありませんが、ご拝読下さった皆様の今後の参考になればと思います。
私は四年ほど前に、心療内科の医師から『広汎性発達障害』の診断を受けました。それまで、人付き合いに対して若干苦手意識はありましたが、勉強やスポーツなど特に苦なくこなせていた私には、まさに寝耳に水といった話でした。
ただ、社会に出てからは些細なミスが大きなトラブルに発展すること。また、その責任の重さ。自身の無力さに精神的に参ってしまい、サービス業なのに『声が出なくなった』ことを切っ掛けに退職を決意しました。
そういった経緯から、私は退職に対して大きな不安を抱いていました。声は2,3日くらいで治りましたが、同じように二次障害で併発した『正視恐怖症』『不眠症』『生活習慣の乱れ』『休み癖』は、なかなか治すことが出来ませんでした。
そんななか、訓練として行われたことが『その日の一日の出来事を、生活習慣記録表につけること』でした。
つけてゆく中で、様々なことがわかりました。自分はロングスリーパーだと思っていたのですが、思っていたよりも寝ていない事。特に生活習慣が乱れやすい日の前日には、三時間弱の睡眠をとっていることなど。
どれも安易な気持ちからでしたが、結果的に自分の首を絞めていました。
ただ、原因が見つかったことで、改善案も自然と見つかり。
『半日で帰宅する日はお昼寝してしまう』⇒『午後も訓練を入れることで、起きている時間を増やす』
『安易な気持ちから、お昼寝してしまう』⇒『生活習慣記録表をつけることで、反省や改善したい気持ちを促す』『定時には寝るよう、自然と意識が働くようにさせる』
『うっかりお昼寝してしまった』⇒『人間は寝貯めが出来ないので、夜も最低三時間は就寝する』
『だるい、眠い、などの怠け心から休んでしまう』⇒『敵(夕べ眠っていないことからの眠気)を認識し、自分に厳しく接する』『自分が休むことで降りかかる周囲への迷惑について想像してみる』
などを心掛けることで、不眠症を改善するとともに、休み癖を徐々に克服するに至りました。
また不眠症について、不眠症の原因となる悩みと向き合ったり、アロマを炊いたりして、安眠を促しましたが。なにより効果があったことは『同じ障害を抱える友達・理解者を増やすこと』でした。
あるとき不眠症の原因である悩みについて、ぽろりと「〇〇を直すにはどうすればいいんだろ」と口走ったところ、それを聞いた友達は「むしろ、自分が知りたいくらいですよ!」とずばっと言い放ち、それを聞いた私は胸がすっと軽くなりました。
聞く人によっては「え?」と思うかもしれませんが。「共感してくれる」というのはとても有難いことで、これまで障害で呆れられてばかりだった自分にとっては、同じ悩みを抱えている人がいる、ということはとても嬉しい話でした。
最初は「馴染みたい」「楽しく訓練を受けたい」という気持ちから始めたコミュニティの参加でしたが。自信を回復し、再就職まで至ったのは私の力というより周囲の皆様の支えがあってこそだと思います。
再就職の就職活動においても、不採用続きで落ち込み気味だった私を支えてくれたのは、同じ障害を抱え、同じ目標を持っている同世代の皆さんとの交流があったからでした。
また、元々これまでの会社での経験から自己評価が低かった自分に、『長所』を見つける方法を提案してくれたのも、担当スタッフからでした。
こうして改めて文章に起こしてみて、私は退職から再就職まで、本当に多くの苦難や悩みを抱えていたのだと思います。ただ、振り返ってみるとそのひとつひとつを乗り越えることは決して苦しいことばかりではなく、むしろ達成感ややりがいのほうが多かったです。
いま、休み癖がなかなか直らない方、不眠症から満足に訓練所に通えない方。それでなくても、再就職までに大きな不安をいくつか抱えている方に、まず伝えたいことがあります。
どうか、その悩みを思い切って話してみてください。
案外取るに足らない悩みかもしれません。同じように悩み、苦しんでいる人がいるかもしれません。
ただ、一人で悩んでいても、あまり大きな得はありません。クロスジョブで学んだことはとても多かったですが、なにより一番に学べた財産は『周囲から助けをもらうことと、その価値』なのだと思いました。
最後に十か月という短い期間ではありますが。クロスジョブ米子を利用させていただき、ビジネスマナーから障害者の働き方まで、様々なことを教えていただいたクロスジョブ米子のスタッフ様と利用者様には感謝の言葉も見つかりません。
また、もっと長く通って、もっといろんな訓練を受けたかったという気持ちもあります。
利用期間は残り数週間となりましたが、それまでの短い時間の間。再就職に向かっての準備と訓練を精一杯行うと共に、就職後は一カ月、一年でも長く働きたいと思います。
それでは、失礼しました。