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~考えもしなかった新しい私~
私は人と関わるのが苦手です。他人がわからないので、人前だと相手について考え過ぎて疲れてしまい、気を張り詰めて安心できないのが「私」という人間でした。
クロスジョブに来たのは、大学卒業後の社会に対して分からない事だらけで、すぐに就職するには不安でいっぱいだったからです。社会ではどんな能力が必要なのか、ビジネスマナーとは、そもそも就職場所は見つかるのか。そんな疑問だらけの状態からスタートしました。
就職後に対して未知の恐怖を抱いていましたが、早く就職したいという思いはありました。クロスジョブに入所しているとはいえ、無職である事には変わりはない。長く居ればいるほど、人生への可能性が狭まり、何より親への負担がかかってしまう申し訳なさがありました。そのためクロスジョブでは、苦手である同じ作業を繰り返す軽作業でも何か得るものがあると信じて投げ出さないようにして、人との交流が苦手でも積極的に声掛けや質問をして、人をより理解しようとしてきました。ただ通うだけにならないように停滞は望まず、常に足りない部分を埋めて前進し、クロスジョブに来た事が無駄にならなかったと迷いなく伝えられるぐらいには頑張りました。
そんな学んだ中でまずは、「小さなことでも確認する事」の大事さを学びました。この書類はボールペンで書くものなのか、この10cmタイプのテープを使うのか、電話中はシュレッターを使っていいのかなど、事前に伝えられた注意事項になくても気づいたら質問するように意識しました。必ずしも人は全て教えてくれる訳ではありません。どこかに抜けがあり省略する事がある事を前提に考えて、確認を逃さないようにしていこうと思います。
他にも、メモの書き方も変わりました。当時は走り書きした後、整理しないのが主だったのですが、クロスジョブに来てからは自分なりに工夫して、一度メモした後は見やすい構成に変えてから、後からでも読みやすいメモを作成するようになりました。メモの整理で頭の中も整えられてより理解を深めやすくなりました。
色々な経験を経て、施設内で仕事をする上での基礎を学んでいきましたが、施設外にも訓練をするようになりました。施設内とは違い、現場で作業を行う事になるので働いている方達の空気を感じる事になりますし、従業員の迷惑になってしまわないように作業しなければなりません。ある清掃作業では店前でホースの水をかける工程がありましたが、周りには歩行者が通るので、歩行者に水をかけてしまう恐れが常にありました。施設外の作業は働かせて頂いている身である事を忘れないように、迷惑をかけず手助けになるために頑張りました。
そして、施設外就労の経験で外の空気にも慣れ始め、より現場の空気を感じられる実習の段階に入っていきました。この頃から私は「事務」を目指していたので、実習は全て事務関係でした。施設外就労では仲間である利用者と一緒に作業を行いましたが、実習ではそんな仲間はおらず自身だけの力が試されました。最初の実習では緊張し過ぎて体が凝り固まり、相手にも緊張を伝えてしまうほどで人見知りである事が全快に現れてしまいました。そんな緊張の中、今までにない環境に戸惑いましたが、クロスジョブで学んだ事をいつものようにする事で緊張しながらも仕事に励むことができました。「気になる事があれば質問し、アドバイスを受ければ感謝し、声掛けは必ず行う」これらの事を意識するだけでも仕事相手との対話は問題なく進められ、クロスジョブに来る前よりも人との関わりに対応できている事に気づき、成長できている事を実感できました。
実習を3つまで行い、最後の4つ目では雇用を前提とした実習を行いました。実習期間が2週間で多くの作業に触れられ、個人情報を扱うような事まで体験できました。パソコン作業もあり、クロスジョブで学んだExcelの知識が活かされる機会を得られ、十分に力を発揮する事ができたので、自身のスキルが活かされるのを嬉しく思いました。今までの実習以上に多くの作業を覚える必要がありましたが、クロスジョブで得たメモの方法を活用する事で覚えられたので、メモの大事さと自身にあったメモの書き方を見つける大事さを改めて感じる事ができました。ただし良くならない事もあり、声掛けでは、人見知りによって、毎回気合を入れる必要があり、緊張して噛んでしまう事があるので直していきたいです。そんな毎日を過ごして任された作業をこなしていき、無事2週間を乗り越える事ができました。実習終了後、疲労と開放感によって病気で寝込みましたが、よく頑張れた証だと思いました。そして面接まで行って就職まで決まり、クロスジョブでの卒業も決まりました。
クロスジョブでは多くの体験をして、私は「事務」の仕事を目指すようになりました。「事務」では手先の器用さを求められるのが自分に合っている事、軽作業のようにずっと同じモノを毎日作り続けるわけではなく、間に別の仕事が舞い込み「変化」を感じられる事、色々な作業に触れられるので、これからの未来、事務作業で得た多くスキルの中から大きな仕事に活かされる機会があるかもしれない事、これらの事が「事務」を目指す理由でした。
「事務」の仕事する中では、多くの仕事に触れることになるので人との対応力が求められてきます。人が苦手な私ではありますが、同時に、私はどこまで人と頑張れるだろうという好奇心もありました。数多くの仕事をこなしながら、人とうまく協力する自身を想像すると、どこかカッコよさを感じて、これが今の私の進む道なのだと思いました。きっとクロスジョブに来ることがなかったら事務を目指そうと思う「私」に出会わなかったと思います。今の「私」で社会にどこまで通じていけるのか、まだまだ不安はありますがクロスジョブで得た数ある自信を携えて社会を乗り越えて行こうと思います。