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今日はリバプール病院脳損傷リハビリテーションユニット(=LBIRU)の見学に行ってきました。オーストラリア(NSW州)では毎年、頭部外傷者が1000人発生し、現在、シドニー州では77000人(65歳以下)の脳損傷者が生活されているそうです。その中でも子供の脳損傷者が多く、70%は男性である統計が出ているそうです。午前中は回復期のリハビリ、地域支援、短期利用施設、職業訓練プログラムと説明を受け、ディスカッション&見学をしてきました。回復期リハでは、入院された方に対してアセスメントを行い、患者のニーズに沿って、PT、OT,神経心理学、SWがチームとなり支援をされています。1カ月ごとに目標の達成度を確認し、次にどこまでの目標を設定するのかを話し合い、本人と共に何が重要なのか、ゴールを見据えた支援を行い、ゴールは達成するだけでなく、スキルとして般化できるかどうかがポイントと考えられています。また、チームにはケースマネジメントをするプログラムコーディネーターを置き、ゴール達成までのマネジメントを行い、その方に合った支援がきちんとなされているのかどうかを確認する役割を担っていました。午後からは、Head2workの見学をさせていただきました。ここは、職業プログラムを提供する場ですが、ここで認知訓練等をしていくのはでなく、職業適性の見極め、職業支援(職場復帰の為の支援、新規就労への支援、自動車運転訓練など)を行う場となっています。オーストラリアでの就労については障害者雇用ではなく、復職ニーズの80%はもとの職場、職種に戻られるため、新規就労での就職というよりも復職がメインになっており、日本でいう障害者雇用は、オーストラリアでは作業所の位置付けになり、もとの馴染んだ仕事に戻ることがその方にとっての働きやすい環境であり、長く働けるポイントだとのことです。日本のように休職期間の定めがないことや、企業のオーナーや職場が受け入れることに対しての理解、職場でリハビリを行える(実践)ことが風土としてあること、復職の第一段階で、自分がその職場で就きたい仕事を選べ、これなら戻れる!という自信を持ってもらいリハビリをスタートすることができることになります。周りの同僚も職場で一緒に関わってくれること、復職の際も開示をするかどうかは本人の障害状況によって変わってくること、復職の際にはジョブコーチは介入せず、復職をして支援のクローズ時(3ヶ月目)で場との共有を行っていることなど日本との違いがありました。Head2Workを利用して新規就労をされる方が60%おり、その就労の際はジョブコーチのサポートも標準として支援に入るようになっていること、ただし、フォローアップとして長期的フォローはされていないが、何かあれば本人から連絡から入ること、就労して支援就労時の9ヶ月目には、ほぼ定着しているとのことでした。しかしそれ以降は追い切れていないのが現状の様です。復職に関して、日本との医療制度の違いもありますが、企業の受け入れが国による風土の違いだけでは終わらせたくない課題だと感じた研修でした。