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演題名:
クロスジョブが取り組む高次脳機能障害のある方の就労支援
抄録本文:
【はじめに】
当法人は就労移行支援事業所として開所当初より高次脳機能障害のある
方の就労支援を行い、阿倍野事業所においては、開所当時の定員の25%から倍の50%
が高次脳機能障害の方の利用である。生産労働人口減少への対応が喫緊の課題の中、
障害者雇用率制度の障害者の範囲が障害者手帳所持者以外も含めることを検討するな
ど、障害が社会的障壁として捉えられてきている。働き盛りで高次脳機能障害となっ
た方が継続就労をしにくい社会、高次脳機能障害になりうる労働環境にも訴えかけな
ければならない時代である。改めて取り組みを振り返り今後を検討したい。
【取り組みと現状】
利用開始時より本人の気づきそのものが就職活動であると捉え、事業所内
訓練での知識的気づき、職場体験実習での体験的気づき、本格的な就職活動期での予
測的気づきに繋がる関わりと同時に、企業側に出張講座などを行い、高次脳機能障害
を知って頂く機会を得ている。復職困難で新規就労を目指す方はもちろん、休職期間
中での利用により復職を目指す方も増えている。復職支援が増加傾向にある中、札幌
事業所では復職での障害福祉サービス受給者証が交付されない。
【考察と今後】
本人の気づきの促しと同時に取り巻く周囲への気づきの促しが必須と考える。予測的気づ
きに達していなくても適応的に過ごせている方も多い(長野2012)中、就労の有無は
個人に起因しない要因に影響を受ける可能性が示唆されている(丸石ら2008)ことを
追求する必要がある。地域連携の中でどのような方が一般就職を目指していけるのか
という質問を受けるが、明確な回答を見出せていない。唯一、就職に対しての本人の
気づきと、周囲の理解や協力が得られるのかということである。就労準備性から見え
てきていることの精査とともに、各地域事情を知りながら就労継続要素や労働環境要
因の模索を行い、社会的障壁の具現化と障害者雇用を真に考えることを追求したい。
上記で採択されたら、11月28日、29日に仙台で発表です。