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報告が遅くなりましたが、11月26日にNPO法人しごとなかま ゆずりは作業所(就労継続支援B型)に見学に行ってきました。
ゆずりは作業所は、クロスジョブ阿倍野の辻が関わっていることや、一度、弊社に見学に来られたことがある繋がりから、今回、見学に行かせていただきました。
◇ゆずりは作業所について
ゆずりは作業所は、2014年に作業療法士の加藤様が開設され、現在8名も作業療法士が在籍する就労継続支援B型の事業所となります。
▽仕事・作業内容
作業・仕事内容に関しては、革細工、手芸、ペーパークラフトや木工、封筒作り、農業、調理などが主に行われています。
ここに所長の加藤様のこだわりがあります。
普通のB型の事業所であれば、内職などの作業を行う中でどうやって工賃を稼ぐのか意識され、効率よく作業するため利用者の方がまとまって作業をすることが多いのですが、ゆずりは作業所ではそうではありません。工賃を稼ぐことは意識しておらず、各々が自分のペースで作業を行い、昼食時など少しずつ周囲と関わっていくこと。その中で少しずつ社会へ適応していくことを目指しています。現在の回復期リハビリテーション病院では入院期間が短くなり、生活の訓練は少なく、機能訓練に特化したリハビリばかりがおこなわれているのが現状です。そのため通われている利用者の方々には、生活習慣をつける事、作業を通じて周囲の人々との関わりや社会復帰を目指してもらうため、適切で意味のある作業を提供することを目的として、作業療法室のような空間を作ったのだそうです。
作業所の中には利用者の方々が作られた、手作りの棚やタイムカード入れや革細工のキーケースや小銭入れなどの手工芸品が所狭しと置かれています。
▽利用者さんの割合
通所されている利用者さんの割合に関しては、精神障害の方が多く、高次脳機能障害の方もここ最近は増えて来てはいますが、脳卒中や頭部外傷の方ではなく、アルコールや薬の中毒による高次脳機能障害の方が増加してきているそうです。
▽施設外就労について
作業所以外にも施設外就労先を2ヶ所持たれています。
1つ目は、「さんぽみちカフェ」です。ゆずりは作業所が所有する、事務所を改装し、こじんまりとしたカフェを経営されています。
そこでは、店舗での簡単な仕事や隣のスペースの内装をDIYで作成されています。
このカフェがある地域は、以前には商店街のように店舗が多かったそうですが、時代とともに閉鎖してしまい、寂しい環境になってしまっているそうです。
そこにカフェを作ることで少しでも活性化がされればと話されていました。
2つ目は、「カフェ・ナカニワ」です。お昼にはご近所のママさんが女子会を開くなど、本格的なカフェになっています。厨房やお客様対応、清掃業務など店舗業務を体験することができる施設外就労になっています。
是非、実習先に使って下さいと有難いお言葉もいただいています。
今後、マッチングする利用者さんがいれば、是非体験させていただきたいと思います。
▽就労について
利用者さんの中には、就労を目指して来られている方もいらっしゃいます。
作業所に通われる中で、生活リズムや耐久性の獲得など就業準備性を備えていきます。
ゆずりは作業所から、直接就職される方もおられます。就職した利用者様に関しては、定着支援はできませんが、訪問看護などのサービスを利用し、現在の状況を情報収集するなど工夫して関わられているそうです。特に毎週関わられることなので、情報がスピーディに届けられることも利点のようです。
今回、ゆずりは作業所を見学させていただき、加藤様の福祉に関する考えかたや障害を持った方々の事だけでなく、地域の現状を考えたうえでカフェの経営し、地域の発展も検討している姿が非常に参考になりました。
就労移行支援では、利用者さんの就職に向けて取り組むことはもちろんですが、地域の障害者と関わる、企業や就ポツや病院、就労継続支援B型の作業所などとの連携の大事さを学べたと思います。
ゆずりは作業所所長の加藤様には、事業所だけではなく、2か所ある就労移行施設の説明など、半日間にわたり丁寧に対応していただき、心より感謝申し上げます