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お疲れ様です。
梅田事業所の家門です。
今回は、11月27日に島根県松江市にある太助珈琲屋に訪問してきたので、すこしそのお話をしたいと思います。
ここをオープンされた太助さんは、大学生の頃に海外へ留学中、バイク事故にあい、高次脳機能障害の後遺症が残りました。
日本に戻り、治療とリハビリをしていましたが、今の日本の制度では回復期のリハビリ病院での入院中のリハビリは最大6か月ですが、そこまで入院する人は稀で、大抵3か月以内に退院を余儀なくされます。年齢やまだまだ改善の途中であったことからリハビリを継続できないかと、様々な病院や施設を探し、リハビリを継続されたそうです。
リハビリの中で転機になった出来事として、訪れた同級生が仕事の都合で鍛えられた体を見て、「自分もこういう体になりたい」と思い、今まで拒否的であったリハビリに対し積極的に取り組めるようになったそうです。
こういった出来事は、非常に重要なポイントだと思います。
作業療法士の中では、何年も前から「意味のある作業」として、当事者の方が大事にしている作業について、ともに検討しリハビリの目標として取り組むことの重要性を考え、リハビリを実施しています。私も、前職の回復期リハビリ病院で作業療法士として働いている頃は、常に患者さんが大事にしている作業は何か、何を目的にリハビリをして、社会復帰を目指されているのかを意識して面談や様々な質問紙などを利用し聞きだしていました。
「子供にご飯を作ってあげたいから料理がしたい」「働いて、少しでも家にお金を入れることが自分の役割だから、早く働けるようになりたい」「趣味である、釣りを出来るようになりたい」など、人それぞれの大事にしている作業や目的があり、それらをできるようにプログラムを組み立てていました。そういった、当事者が大事にしている作業を聞き出し、同じ目的を持って進めることは、リハビリをしていく上で、高いモチベーションを保て、症状の回復も早かったです。
実際の研究でも、ただ漫然と作業を繰り返しているだけだと脳はあまり賦活されず「意味のある作業」を持ち、リハビリすることで前頭葉が賦活されるといわれています。
この部分に関しては、就労移行で働いている中で、今現在悩んでいる部分でもあります。
「就職をする」、果たしてこれは本当に担当している方の意味のある作業なのか?
モチベーションを保ち続けるのに有効な目標なのか?支援しながら疑問に感じています。
私は、高次脳機能障害のある方を担当させていただいていますが、大抵の方は「働いてお金を稼がないと生活ができない。だから就職をしたいです」と言われます。実際に働く際も「家から通いやすい、障害があってもできる仕事、生活できるだけ給料がもらえる会社」として就職活動をすることも多いです。
「生活のため」⇨「就職」も絶対に必要だとは思いますが、「こういうことがしたい」⇨「就職」をどう考えて支援していくのかは太助さんの話を聞かせていただき、意識して取り組みたいなと思いました。
今回、太助さんのようにしたいこと、目的を持って出来る作業や仕事を検討していくことの大事さを改めて感じました。
発症してから、生活基盤を整える、大学を卒業する、旅行に出かける、珈琲屋をオープンするなど、かなり大変な思いをしながら自分自身のやりたいことを目指して取り組まれた内容を聞かせていただき、とても勉強になりました。
貴重な機会をいただきありがとうございました。