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前回は、支援力のことを書きましたが、今回は支援者の気持ちのバランスについて少し触れたいと思います。
「良い支援をする人=対象者に寄り添える人」というのは定説ですが、
対象者に寄り添いすぎ全て受け止めてしまうと、いずれキャパオーバーになり、良い支援をするどころかこの仕事が続けられなくなってしまう場合もあります。所謂バーンアウトです。
かといって寄り添い加減を少なくすると、仕事は続けられるかもしれませんが、果たして良い支援者となりうるか。
つまり対人援助職に携わる私たちは、この仕事を長く続けていく為に、常にこの両者の境目を半ば無意識的に探りながら、「自分のメンタル」と「対象者の支援」をどこか気持ちの奥深くで天秤にかけているのかもしれません。
例えば、支援の中で辛辣な言葉を受ける場面があるとします。
それが一度や二度ではなく継続的に続く場合、もちろん支援の方法を変えたり、ご本人にその言動の意図を確認しこちらに非があれば謝るという状況もあります。
しかし、症状によってそういった言葉や行動が出てしまう場合もあります。自分で止めたくても止められないような状況。
ご本人も辛いですが、受け止める側も辛い。支援者としてご本人と向き合いつつ、一人の人間としても自分の気持ちと向き合いどうコントロールするか。
今回の会議では、こうした普段無意識化にあることを、実際に言葉に出して共有することが出来ました。
・ご本人もしたくてそういた言動をしている訳ではなく、症状がそうさせてしまっている。
一番辛いのはご本人自身だから、そこは支援者として受け止めるキャパを広げていくしかない。
もちろん時間はかかるし近道はない。
様々な経験を通して受け止め方、受け流し方のキャパやスキルを身に付けていく。
・先輩や同僚に相談したり話を聞いてもらうことでスッキリすることや解決できることもある。
・“一般企業で働くためにはこうあらねば”という視点が時に強くなりすぎている。
訓練の段階でその視点が強くなりすぎると、症状の回復段階や工夫を身に付けていく過程にそぐわないこともある。
・「なんでそんな言動に至ったのかな?」と深堀していく。
そうすることで、受け止めきれなかった言葉や行動に背景が付き、納得感や今後の支援の道筋に繋げられることがある。
様々な意見が出ましたが、最終的に自分自身のためにもなるし、結局は良い支援にも繋がるのかなと感じました。
良い支援ができる人には、良いバランスを保って長くこの仕事を続けてほしいと願います。
対人援助職は自身も治療や支援の一部として見なし、「自分」を上手く使います。
簡単に出来る事ではないですが、メンタルヘルスを整え必要な休息を取って、自分自身を上手くコントロールできるように、また時々会議でこんな話をしたいと思います。
また来年もよろしくお願いいたします。