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チャレンジャーズの中村です。OB職場レポート第四弾をお届けします。株式会社ケーエキスプレスさまにお勤めのKさんとご上司のHさまにお話しをお伺いしました。まずはHさまのお話から。 2016年10月5日 カトープレジャーグループ(株式会社ケーエキスプレス) H様   10月5日(火)14:30頃、地下鉄堺筋線「日本橋」駅から徒歩約6分、堺筋の道頓堀川沿いに「カトープレジャーグループ(株式会社ケー・エキスプレス)」さまが運営するおうどん専門店「麺匠の心つくしつるとんたん 宗右衛門町店」さまがあります。  私、「つるとんたん」さまのおうどんをまだ食べた事がないのでこの機会に是非頂こうと思い、お約束の時間より早めにやってきました。落ち着いた雰囲気のある玄関です。 お昼時は過ぎていましたが店内はほぼ満席。事前にHPでチェックしていた『脂かすのおうどん』を注文しました。到着したおうどんを見て、まずは丼の大きさにビックリ。「デカッ」と心の中で声が出ました。そしておつゆを一口。出汁がよく効いてます。麺は太麺を選びましたが、讃岐うどんほど強すぎない程よいコシと、つるつるした喉ごし。脂かすの旨みとおつゆが合わさって美味しいおうどんでした。おつゆを全部飲み干しごちそうさまでした。 スタンダードなおうどんだけでなく、クリームや明太子のおうどんなど、他のうどんやさんでは見かけないメニューが沢山あってまた来ようと思いました。 約束の時間が近づいて来たので、裏口から製麺所へ。入るなりKさんとバッタリ。白い作業服にヘアーキャップ姿で、「今配達から戻ったところなんです」。そこでリーダーのHさまをお呼び頂きご挨拶をすませます。 Kさんのお仕事中の様子を撮影させて頂いた後、まずはHさまのお話をお伺いすることにしました。 ■おうどんへの『こだわり』中村(N)「カトープレジャーグループ様はホテル・リゾート・外食といったいろいろな業 態がございますが、『つるとんたん』は株式会社ケー・エキスプレスさまが運営なさっ ているのですね。」H「はい。私たちKPG(カトープレジャーグループ)はグループ企業で、『ケー・エキスプ レス』は、レストランや温泉施設を手掛けています。本日お越しいただいた宗右衛門 町店は、その中の関西部門で運営しています。」N「こちら、宗右衛門町のオフィスではうどんの製麺のみを行ってらっしゃるのですか」H「1階は、おうどんのお店で、5階ではうどん生地の管理・『つるとんたん』のギフト製品 の梱包・包装・出荷を行っています」 N「実は私、今さっき下のお店で脂かすのおうどんを頂いて来たんです」H「ありがとうございます!いかがでしたか」N「はい、おいしかったです」H「『つるとんたん』では粉や水はもちろん、打ち立て、切り立てにこだわっています。季 節や気候によって、その調整を細やかに行っています。」N「お店もおうどん屋さんとは思えないようなおしゃれな感じで、HPを拝見したんですが お店ごとに全然感じが違うんですね。よくあるチェーン店みたいに『どこのお店に行っ ても一緒』ではなくって、地域柄なども考えて作っておられるのかなと」H「季節ごとの限定メニューもお店ごとに違います。取締役総料理長を中心にメニュー開 発を行っています。全部が『お客様に喜んで頂けることってなんだろう?』というところ から考えています」 ■自慢なんです。みんな良い人ばかりでN「Kさんはこちらではどういったお仕事をなさっているんですか」H「彼は麺の管理部門を担当しており、もう長くてできることが増えています。急な欠勤が 出た際でもその穴埋めのために動いてくれています。ここで管理されているおうどんを 雨の日でも台車で配達に行くことがあるのですが、配達に行ける人も限られます。しっ かりした人、台車を押して行って事故が無いような人でないといけません。そこでKさん が安全に行ってくれます」N「先ほども『今配達の帰りなんです』と仰ってました。」H「ここの部署でも9名のユニティスタッフさん(障がいのある方)にお勤めいただいてい る中で、みんなそれぞれ違った能力を発揮してくださっています。Kさんだけに限らず、 誰しも苦手な分野、得意な分野があると思いますが、Kさんには得意なことを中心に なんでも挑戦していただき、もっと成長していただけることを願っています」N「こちらの部署は総勢何名いらっしゃるのですか」H「24名で、その内9名がユニティスタッフさんです」H「ここは『珍しい』ってよくいわれます」N「『珍しい』というのは?」H「『誰が健常者で誰が障がいのある方か全くわからない』ってよく言われます。」N「確かに皆さん黙々と作業されていたら分からないですね」H「自慢なんです。みんな良い人ばかりで。私はほとんど見守るだけになっていま す(笑)」 N「9人いらっしゃる中で、何か特別な配慮はなさっているのですか」H「はい。特性が違いますので『これを任せるとこの方がしんどくなる』とか『ご来店され るお客様をお待たせしてしまう可能性がある』という作業は分担を変えるなどして工夫 しています。後はシフトのことで『出勤し辛かったら休んでください』とか。『人によっ て注意の仕方を変える』などはあります」N「個別に面談はされていますか」H「はい、定期的にしています。その場で注意できることがほとんどですが、できれば、何 か起こる5分前に声掛けできるように心がけています。ですが、私自身も未熟な面があり ますので、つい短時間でお伝えしようとしてしまい、受け入れてもらえず、結局話し合い が続く時もあります。でも、お互い良くしていきたい、という気持ちの表れだと思ってい ます。」 N「Kさんの場合はどんな仕事が出来る・出来ないというのはありますか」H「一通り何でもできますが、ひとつの作業を最後までやり切るのがあまり得意じゃないの で、補助役にまわることが多いです。途中で手が止まって考え事をしてしまったりしま す。そういう時は『大丈夫?このまま作業できますか?』と声掛けします。そうすると 『あぁ大丈夫です』とか『僕あれやってきます』と自分から違う仕事を選んだりしても らっています。Kさんは、基本的にはなんでもできますが、力仕事が苦手のようです」N「丸太にした生地って結構重たいですよね。6㎏って言うとペットボトル3本分ですも んね」H「そうなんです(笑)」 N「Kさんの勤怠はいかがですか」H「Kさんは欠勤は無いですね」N「こちらの製麺管理部門でのKさんの評価はどうでしょう」H「なんでもできるし、挑戦していただけます。でも苦手分野も存在します。Kさんの一生 懸命と他のスタッフの仕事量が釣り合わず、意見が上がるときがありますが、『今、Kさ んは目一杯の作業をしてくれてますよ』と理解していただくようにしています。」 N「ただ、色んなことはできるという事ですね。やっぱり、一つの業務だけという方もい らっしゃるのですね」H「ええ、人によって、作業の幅を調整するようにしています」 ■『できる・できない』よりも『やる』N「今後も障がいのある方の雇用は続けて行かれますか」H「はい、『ユニティ』というのがその為のチームです」N「定着率はどれくらいですか」H「私がここに着任して3年になるんですが、お辞めになられたのは一人だけです。やはり 仕事ですから『辞めたい』と思う時もあるでしょうし、『急に来たくなくなった』という ことも時々あるようで、みんなそれを乗り越えて続けてくださっています」N「Kさんは今年私どものNPOで『3年勤続表彰』をさせて頂いたんですが、3年くらい続 いている方はどれくらいいらっしゃいますか」H「こちらは今度の10月で3年になる方が3人いらっしゃいます。他の皆さんも大体1年 以上はいらっしゃいます」N「皆さん続いているのはどうしてだと思われますか」H「私たちが皆さんにお願いしている内容は『作業』に終わらず『仕事』になっているから だと思います。『できる・できない』よりも『やる』っていうところが大事だと思いま す。障がい者であろうとなかろうと『ここでの目の前の仕事を一生懸命やる』と。 『一生懸命』というキーワードがいつの間にか、ここの目標というか空気になっている と感じます」N「なるほど。ありがとうございました」 その2 ご本人、Kさんに続く