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■『ひとりの人』としてチームの一員にN「Tさんの感じる、お店の『働きやすいところ』ってどういう所ですか」T「僕も含めてスタッフみんなが和気あいあいとしてて、協力し合ってっていう感じで、 その協力の輪の中に僕も入っているっていうところです」N「お店には障がいのある方がTさん一人ですけど、皆の輪に入れないっていうのは 無くて、『一つのチームとしてお仕事をしてる』っていう実感があるんですね」T「はい、それはもう凄くあります。『障がい者』『健常者』って分けるんじゃなくて、 『ひとりの人』として接してもらってる感じがするので、とても助かっています」N「言いにくい事かも知れないんですけど、『働きにくさ』を感じたことはありますか」T「…それはないですね」 N「Tさんの個人的なことをお伺いします」 N「先ほど少しお聞きましたが、クロスジョブに通うまでは何をなさっていましたか」T「職種は異なる部分もあるんですけど、括りとしては(建設)現場の仕事を5年ほど していました」N「何を作っておられましたか」T「マンションの建設現場で鉄筋屋として働いたり、電気屋として電気の据え付けを したりしてました」N「じゃあ足場とか電気工事士の資格をお持ちなんですか」T「クレーンの玉掛けの資格は持ってます」 N「クロスジョブでの訓練でTさんが『これは今のお仕事の役に立ったな』というの は何ですか」T「ビル清掃の訓練です。清掃自体も役に立ってるんですけど、ビルに来られる方に 挨拶することも教わったので、それは今のお仕事でお客様にしっかり挨拶するって いうのに繋がってるのかなと思います」N「苦手な訓練はありましたか」T「漢字、計算…かな拾いとか」N「かな拾い僕も苦手でした(笑)」T「ああいう座って黙々とするのはちょっと…」N「『た』の数を数えなさいとかねぇ(笑)」T「(笑)そうですね」N「お給料の使い道は何ですか」T「1人暮らしをしてるので、やっぱり家賃と生活費です。後今着てる服もそうなんですけ ど、会社で着る服がお店の商品と決まっていて、その洋服代です」N「それは『これを着てください』っていうのはあるんですか」T「それはないです。売り場に並んでいるその季節のものを選んでいます」N「前のシーズンのものはダメなんですか」T「はい。なので去年のものはダメですし、今は春物が立ち上がっているので冬物も ダメです」N「寒くても店内では春物を…」T「はい(笑)」N「でも服屋さんはそうですよね。季節は冬でも店内は春物ですもんね。じゃあ早めに 店内ではTシャツになるんですよね。」T「そうですね。5月くらいには店内では半袖のTシャツです」 N「お弁当は前の日に作ってるんですか」T「はい、前日に作って冷蔵庫に入れてます」N「それは晩ご飯の残りをお弁当にする感じですか」T「1人暮らしで(晩ご飯を)作ったら余るのでそれを入れたり…」N「カレーとか作ったら余りますもんねぇ。で、それをお弁当にしたり…」T「(笑)そうですね」N「ホタテは月にどれくらい使うんですか」T「(笑)それは数えたこと無いです。100グラムの茹でたやつを買ってきて 2回に分けて使う感じです」N「晩ご飯に食べて、お弁当に入れて、みたいな」T「晩ご飯にホタテは食べないです(笑)お弁当専用です」 N「休みの日は何をしていますか」T「晴れてたら洗濯物を干したり、銀行行ったり、主婦みたいな(笑)」N「趣味はありますか」T「余暇は溜まっていたものを発散するものだと思っているので、友達と 遊んだり、サバゲー行ったり…」N「サバゲー好きなんですか」T「好きな友達がいて、泉州の方にフィールドがあるので」N「迷彩服を着て…」T「レンタルのものを着てます」N「他はどんな遊びをしますか」T「…特に無いので探してる感じですかね」N「一人暮らしで家事してたら中々時間がねぇ」T「そうなんです。通院もあるので…」N「それはどれ位の頻度で行ってるんですか」T「えっと…3ヶ月に1回です。癲癇があるのでその薬をもらいに行ったり、 脳波の検査をしてます」N「今も発作があるんですか」T「今は3年起きてない状態です」N「薬を飲んでると抑えられる…」T「そうですね、服薬で大丈夫ですね」N「服薬以外で、ドクターから『これは気をつけて下さい』とかって言われてる ことはあるんですか」T「特には無いんですけど、お酒は控えられてます。『一滴も飲んだらダメ』という わけではないんですけど、深酒はしないようにしてます」 ■就職を諦めないでくださいN「今、クロスジョブで訓練を受けておられる皆様に一言メッセージをお願いします」T「僕は就職に至るまで利用期間の2年を丸々使い切ったくらいで、20社以上履歴書 を送って全て書類選考で落ちて、やっと初めて面接をしてもらったのが今の会社で…。 もうホントに『就職諦めようかな』とか、『クロスジョブで就職するのはもう諦めようか な、自力で探そうかな』とか思ったんですけど、就職活動してる間だけじゃなくてその後 のサポートも受けられるので、『クロスジョブから就職して良かった』と思ってます。 心が折れかけて就ポツ(※障がい者就労・生活支援センターのこと)に頼ろうかなとも 思ったんですけど、その時はクロスジョブに籍を置いていたので『ここ一本で頑張って みよう』と思って、その結果が今に繋がっているので、『諦めないでください』っていう のがメッセージです。」N「ではチャレンジャーズの皆さまにも一言メッセージをお願いします。」T「今までは障がい者として優しく扱われてきたのが、職場になると社会の風にさらされ るというか、厳しくなると思うので、そういった悩みを同じ当事者同士で分かち合って、 これからもどんどん長く勤めていって欲しいと思います」N「今日はすごく良いお話をありがとうございました」  質問に丁寧に答えて下さるTさんでした。TさんはSNSに『明日のお弁当』を投稿していますが、『もう飽きた』と言いながらほぼ毎日ホタテを使っています(笑)ホタテの食べ過ぎで痛風にならないかが心配です。  『高次脳機能障がい』は『見えない障がい』と言われることもある外見からはわかりにくい障がいです。 また、『高次脳機能障がい』と一括りに表現されますが、記憶障がい・注意障がい・遂行機能障がい・社会的行動障がいなど様々な症状が人によって出たり出なかったり、程度に差があったりします。その為に理解を得られずに家庭や就職活動で苦労することが沢山あります。  「決まった時間に起きて」「身支度をして」「遅刻せずに出社する」「お弁当を作る」「家賃や光熱費の支払いをする」など、Tさんが日々こなしているこれらの「一見普通の」ことが、高次脳機能障がいのある人にとっていかに大変なことか、これは当事者でなければ中々分からないことです。 幾多の困難と付き合っていきながら、長く働き続けて下さることを応援しています。