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9月29日(日)に開催する「2019年度クロスジョブ雇用促進フォーラム」企画として、3年勤続の皆様の職場をご訪問させて頂いています。今回は株式会社LIXILビバ スーパービバホーム大阪ドームシティ店で勤務されているIさん、そして店次長の鈴木様にインタビューを行いました。
Iさんは、事務所で商品仕分け業務を中心に任されています。具体的には商品まとめ買いのための小分け作業、仕切り盤拭き、POP作成を行っているそうです。
【企業インタビュー】
◇本人について◇
Q.最初一緒に働くとなったとき、どのように引継ぎをされたのですか?
A.採用された時は前任の次長だったため、その方より特性などの引継ぎがありました。また、支援センターの方が定期的に来て頂いているので、その時に情報共有はしております。
Q.訓練では表情のかたさや声の小ささが課題になっていましたが、当初はどうでしたか?
A.確かに声は小さかったです。最初は売場のPOPを作成し貼る作業と品出しもやってもらっていたんですが、声の小ささと表情のかたさもありお客様とトラブルがありました。
このまま続けてお客様に怒鳴られたりすることで本人がしんどくなるという事を考慮して、事務所で今までとは違う作業をしてもらうことに業務を変更しました。その中でも退勤する時に必ず業務内容を報告するということは、最初から変わらず現在もして頂いています。
Q.業務が変わったということですが、仕事の幅は広がっていますか?
A.はい、以前に比べると広がっています。バックヤードでパック詰めや、小袋にわける作業、シール貼りなどをやってもらっています。慣れた部署に関しては、内線対応もされています。また、仕切り板の掃除をしていただいており、必ず必要な仕事だけど売場の方が忙しくてできない部分が多いので、やってもらっていて非常に助かっています。汚い仕切り板だとお客様も気持ちが良くないと思うので。
Q.売場と本人のことを考えて業務内容を変えて頂いたのですが、業務を変えてから本人の変化はありましたか?
A.本当は売場に出たかったのかな?と思います。売場に出ていれば時間が早く過ぎていくけれど、事務作業は時間が長く感じてしまうところがあるので。作業が長くなると飽きた様子が見られることはあります。実際に、量が多くて同じ仕事だと飽きることがありました。終わりや進み具合が明確な方が本人にとっては良いみたいです。うまくおわったら嬉しそうに帰られる時があります。企業としては本人の気持ちと業務の切り出しは難しいなと思います。
Q.訓練時では報告・連絡・相談は苦手な部分だったのですが、現在はできていますか?
A.報告に関しては、別の人から指示をもらって行った作業に関してもしてくれています。それは訓練の時にもされていたと思うのでこちらから言わなくてもやってくれています。困っていることだとか、そういう相談はあまりないです。でも手隙になった場合の相談はあります。
Q.周囲の方との関わりはどのようにとられているのでしょうか?
A.正直なところ、あまりないです。声をかけられたりして話すことはありますが、自分から発信することはほとんどないですね。
Q.障がい者手帳をお持ちの方と働いて、周囲の方にも変化があったと思いますが良い面で変わったことはありますか?
A.職場では関わる方のみ特性について多めに見てね、と伝えています。周囲の方は素直に受け止めてくれています。障がいを理解してくれる方もおり、指示出しや声かけをしてくれています。
Q.会社として配慮していることはありますか?
A.会話はなるべくするようにしています。また、次長が3人いるので仕事を常に出していくようにしています。仕事がない時は不安になると思うので、手隙の時間がないようにしています。
Q.障がいをお持ちの方と一緒に働く上で心がけていることはありますか?
A.本人から発信があまりないので、様子を見てどこまで理解しているかの確認は必ずしています。わからないままだと作業が止まってしまいますし、本人も出来ないことに落ち込んでしまうといけないので。教えて、理解できるときっちり作業はできます。他の方が手が回らない細かい作業を進めていただけるので、助かっています。
Q.一生懸命働かれていますが、今後ステップアップとして本人に求めることはありますか?
A.会話の部分です。黙って作業をすすめてしまう事があり、周囲とのずれがでてしまうときが多少あります。自分から少し発信できると彼女としてもステップアップできると思います。
作業の覚えは良いと思います。私自身もここまでできるんだ、と新たな発見もあります。
◇企業について◇
Q.今後障がい者を採用するにあたって、考えられていることはありますか?
A.以前は関東の方で合同面接を行いました。人数が多いとマッチングする方がよく分かるんです。話し言葉とか、表情とかで売場に適する人、バックヤードに適する人というのがはっきりしますね。後はコミュニケーションが必要になってくるので、その部分に不安がない方の採用を考えています。
【本人インタビュー】
Q.勤務時間は?
A:3年間変わらず、10時~16時で働いています。お昼休憩は13時~14時の1時間です。
Q.通勤時間はどれくらい?
本:電車は30分ぐらい。家出てからは50分くらいです。
Q.業務内容は?
A:事務所で午前・午後も指示をされたものをやっています。例えば、商品を3つまとめる作業やシールを貼る作業をしています。補充は他のスタッフが行います。
Q.業務内容の変動はありますか?
A:毎日、今日何しますかと聞いてやっています。そのときに指示を受けたものを行います。自分が1時間でできる作業よりも多く頼まれたときはちょっと厳しいですと伝えるようにしています。
Q.仕事内容はどうやって覚えていますか?
A:日にちが空いて、同じ仕事を頼まれることもあるので、忘れないようにメモを書いています。
Q.仕事は慣れましたか?
A:小分けなどの仕事はたくさんやっているので、少しずつ慣れました。前は、一つのことに集中するとかできなかったり、補充するのも体力がなかったりしたけど、今は少しずつ慣れてきてできるかなと感じています。
Q.好きな仕事・苦手な仕事はありますか?
A:好きな作業は、細かな作業です。苦手な作業や説明を聞いてわからないところはその場で質問するようにしています。
Q.最初に行っていた接客業はどうでしたか?
A:今、どこになにがあるというのを覚えるのが苦手だったので、接客業は難しかったです。
Q.リクシルビバに決めた理由は何ですか?
A:残業があまりないこと。あとは、勤務時間が決まっていて、家から通いやすいこと。水曜日と日曜日が休みで、受診の時は休みを火曜日に変更もできるところが良かったです。
Q.Iさん自身、頑張ってきたことはありますか?また、3年間で変わったことは?
A:わからないところは相談するようにしたり、何回か練習して言えるようになってきました。以前苦手だったところも頑張ってきている。クロスジョブでこういうところがダメだって言われたことをこっちに来てから頑張るようにしました。
Q.ストレスの発散方法は?
A:最初はできなかったけど、今はできてきていると思います。あまり考えこまないようにしています。
Q.趣味はありますか?
A:マンガとか小説を家で読んでいます。
Q.仕事で楽しみにしていることは?また、3年間続けられている理由?
A:自分の今いっている病院のお金を払えるようになったのは、以前からの夢でもありました。
Q.今後、やりたいことやできるようになりたいことは?
A:今やっている作業でも覚えにくい事があるので、メモをして覚えるようにしていきたいです。どこどこにいくつずつ入れるというものが多いけど、見返さないと数を間違えてしまう。何度か見返しているので、時間がかかります。
Q.クロスジョブの訓練の中でやっておいてよかったと思うこと?
A:担当スタッフに集中して続けることが苦手と指摘受け、施設外就労(スポーツジムでのバックヤード業務)の訓練を始めたことです。集中できるようになったというのが、こっちに来て助かったと思うところ。
Q.相談できる人はいますか?
A:職場では言いにくいことは就業・生活支援センターの方に言っています。最初は月に1回来てくれていました。今は4,5カ月に1回です。その時に次長も含めて面談しています。
◇インタビューを終えて◇
インタビューの中で、鈴木様より「本人の様子を見て」という言葉を多くお聞かせいただきました。雇用管理をする上で本人と業務の調整はすごく難しい部分だと思います。仕事がなくならないような指示出しや、モチベーションを保つための声かけがご本人にとって働きやすい環境を作って下さっていると感じました。また、ご本人はクロスジョブで努力してきたことを働いてからも行ったり、クロスジョブで出来なかったことを企業に勤めてから取り組んだりしているとお話されていました。働く前の準備と働いてからの努力が‘一般企業’で‘働き続けられた’理由であり、ご本人の意欲的な部分は大切な要素だと改めて感じました。
今回はご多忙の中インタビューに応じてくださった鈴木様、Iさんには大変勉強させて頂きました。貴重なお時間を頂き、ありがとうございました。
《インタビューにご協力頂いた皆様》
・スーパービバホーム大阪ドームシティー店 店次長 鈴木様
スーパービバホーム大阪ドームシティー店 I 様(ご本人)
《インタビュアー》
クロスジョブ阿倍野:村上
クロスジョブ阿倍野:岡田