今回ご紹介させていただくのは、鴻池運輸株式会社 堺西営業所です。「2019年クロスジョブ雇用促進フォーラム・3年勤続表彰」の企画として、インタビューに伺いました。こちらではクロスジョブ堺から就職された豊田さんが勤務されています。鴻池運輸株式会社 堺西営業所は南海本線「石津川」駅下車、徒歩10分のところにあります。今回は、豊田さんが採用されてから関わってくださっている星野様と豊田さんご本人にお話を伺いました。     ■現在の業務内容について ＣＪ）現在、どのようなお仕事を担当されていますか？ 豊田さん）紙巻作業を担当しています。コイル*を出荷する際に巻き付ける梱包紙の紙巻作業です。コイルに巻きやすいように、サイズごとに管理して準備します。 ＊コイル・・・重さ20tにもなる巨大なトイレットペーパー状の鋼帯 星野様）部署異動してからサイズや紙の種類が変わりました。紙の種類はそこまで多くはないですが、サイズが多いです。 豊田さん）10種類以上はあると思います。   ＣＪ）１日の流れを教えてください。 豊田さん）8時30分から仕事が始まって、9時30分から15分の休憩があります。休憩が終わったら、11時30分まで作業をします。そこからお昼休憩を45分とって、14時30分になったら再度15分休憩です。その後は16時45分まで作業をします。   ■お仕事について ①時間管理 ＣＪ）以前、時間管理が難しい状況がありましたね。そのあたりは、今はどうですか？ 豊田さん）前よりはできるようになっているように思います。 星野さん）そうですね、以前に比べると良くなっていると思います。   ②体調管理 ＣＪ）今もかなり暑い環境だと思いますが、体調管理はどうされていますか？ 星野さん）出口に近い場所での作業とはいえ、暑い環境だと思います。 豊田さん）休憩や水分補給をこまめに取ったり、スポットクーラーになるべくあたるようにしています。   ■3年の歩み ①業務について ＣＪ）3年間、色々なことがあったと思いますが今思い返してみて、早かったですか？ 豊田さん）早かったですね。 ＣＪ）働く上で訓練との違いを感じたことや、3年続けてみて「この仕事を選んで良かった」「この職場で良かった」と思うことはありますか？ 豊田さん）自分のペースでできるので、仕事内容は自分に合っていると思います。 環境面で夏は暑く、冬は寒い現場ですがそれは我慢して毎日やっています。 ＣＪ）確かに、大変な環境ですよね。環境以外で、例えばお仕事の内容など、大変だったことはありますか？ 豊田さん）平日、毎日出勤して紙を巻いていますが、ラインは毎日動いているので連休明けなどは紙がかなり減っています。できるだけ多く紙を巻こうと思うのですが、それが大変でした。 星野様）現場は毎日稼働しているので、どうしても休み明けは減ってしまっています。休み明けから急に巻く本数が多くなるのでそれは大変だと思います。 ＣＪ）例えば、お休み前は多く巻くということはされますか？ 豊田さん）休みがあらかじめ分かっている状況であれば事前に対処しています。 ＣＪ）どの紙を、どれくらい多く巻いておくのかという見極めはすごく難しい作業のように思います。苦労されたこともあったのではないですか？ 豊田さん）連休がある時は多めに巻こうという意識はあります。どれくらい巻けばいいのかは種類がたくさんあるので、すべてに対応することは難しいですが、休みに入る2～3日前から多めに巻くようには意識しています。 星野様）現場に相談することもあると思いますし、現場から頼まれることもあると思います。後は、入れているラックが減っていれば彼自身で判断できます。もちろん、状況によってはラインの方から指示が出ることもあります。   ②対人関係について ＣＪ）この3年の間、時には一緒に働く方との関わり方に悩んだこともありましたね。 豊田さん）自分の中で、ある程度気持ちの折り合いがつけられるようになったように思います。 星野様）会社としても互いに働きやすくなるよう、環境調整などサポートをしました。 ＣＪ）会社の方や、支援者には相談できていましたか？ 豊田さん）頻繁ではありませんが、営業所に来られた時などに話すようにしていました。 星野様）互いに気持ちにズレがあったりしたのだとは思いますが、今現在気にせずに仕事しているのであればそれで良いのかなと思います。 ＣＪ）働いて身につけた力かもしれませんね。   ③3年間働いてみて ＣＪ）3年間働くということはすごいことだと思います。時には、「仕事を続けられるかな？」と不安になることもあったのではないでしょうか。そういった時、どのように乗り越えこられましたか。 豊田さん）正直なところ、仕事に行きたくないなと思う日もあります。でも、それを思った時に今仲良くしている友達も月曜日からまた頑張って働くのだと思うと、頑張れます。   ■クロスジョブでのこと ＣＪ）今は体力が必要なお仕事をされていますよね。クロスジョブの訓練で 今に活きていると感じることはありますか？ 豊田さん）ビル清掃は、立ちっぱなしの作業だったので今の仕事に役立っていると思います。今の会社に階段はないですが、作業中はずっと立ちっぱなしなので。   ■働く中での変化 ＣＪ）任されるお仕事も増えてきていると思います。働いてみて、変わったと思うことや大事だと感じたことがあれば教えてください。 豊田さん）自分のものにしても、現場のものにしても、仕事をする上で管理することは大事だと思います。 ＣＪ）責任を持って業務にあたるということですね。 豊田さん）大事だと思います。 ＣＪ）お仕事を任される状況を、どのように受け止めていますか？ 豊田さん）プレッシャーもあります。自分が巻かないと紙はどんどん減っていってしまうので。自分が休むときは、ストックを作っておこうという意識で 頑張っています。 ＣＪ）皆が困らないように、しっかりと準備をされているのですね。   ■今後の目標 ＣＪ）今後働く中で頑張りたいことはありますか？ 豊田さん）スイーパーという機械をまた使ってみたいなとは思っています。 星野様）以前、一度試してもらったことがありました。会社としてまだまだ準備段階なので、今後長く働く中で検討していければと思います。 ＣＪ）長く働き続ける中で、他の業務に挑戦したり、その準備をしていけると良いですね。   ■企業の方から ①雇用管理について ＣＪ）3年間、時には大変なこともあったのではないかと思います。障害者雇用に取り組む中で、印象的だったことや大変だったことはありますか？ 星野様）先程もありましたが、対人関係で上手くいかないことがありました。その時に、現場と事務所が離れていることもあってタイムリーに情報が掴みにくいということがあって。特に、豊田さんの場合は早く切り上げて帰ってしまうという問題がありましたが、そこはどう対応すべきか難しく感じましたね。 ＣＪ）現場と離れているからこその、難しさですね。 星野様）良くも悪くも人に流されてしまうようなところがあったので、そこは試行錯誤しながら、何度も対話を重ねてきたように思います。今は、かなり伝えてきたので本人もわかって直してくれているように思います。   ②試行錯誤した取り組み（工夫） ＣＪ）どのような取り組みをされたのでしょうか。 星野様）こちらである程度目安を作りました。タイムスケジュールですね。ただ、それが全てではないので、トイレ休憩や水分補給は随時行うようにとも伝えました。今は時計を見ながら、自身で管理していただいています。後は、目標数を設定しました。毎日記入し、作業量をできるだけ一定化できるようにしています。達成できなかったときは、その理由を書いてもらうようにしています。 ＣＪ）豊田さんにお伝えする時に、工夫されたことなどはありますか？ 星野様）必ず直接伝えるようにしています。人を介して、違う伝わり方をしてしまうのも良くないと思うので。後は、なるべく現場に出て伝える、それができない時は本人と関わりのある人に様子を聞くようにしています。 ＣＪ）ずっと見てもらっている人から言われる方が、伝わりやすいことや受取りやすいこともあるかと思います。豊田さんはどうですか？ 豊田さん）星野さんから言われる方がいいと思います。現場の人の中には、自分のことを知らない人も結構います。 ＣＪ）言われることはありがたいことですね。   ③今後、豊田さんに期待すること 星野様）これからも変わらず頑張ってもらえればと思います。今も継続的に紙を巻いてくれていますし、サイズが大きいものも巻けるようになってきています。 ＣＪ）頑張っていることや働く姿勢は周りに伝わるものですよね。これからも、頑張ってもらえたらと思います。   ---------------------------------------------------------------------------------------- ■インタビューを終えて 3年の中で、時には上手くいかないことや悩むことがありながらも毎日コツコツと積み上げてこられた豊田さんと、そんな豊田さんを理解し、サポートしてくださっている星野様の素敵な関係性が垣間見えるインタビューでした。豊田さんの更なる活躍が期待されます。 最後になりましたが、お忙しい中インタビューにお答えいただきありがとうございました。 ----------------------------------------------------------------------------------------   ≪インタビューにご参加いただいた皆様≫ ◇インタビュー対象者　 鴻池運輸株式会社 堺西営業所　星野 様 ３年継続表彰　豊田 様 ◇インタビュアー クロスジョブ鳳　松本、立石、浜本